「ワーホリでオーストラリアに1年行ってみたい」——そう思って検索を始めると、ビザの種類や年齢制限、聞き慣れない英語の制度名が次々に出てきて、どこから手をつければいいのか分からなくなっていませんか。なかでも判断が難しいのが、2回目・3回目のビザ(セカンド・サード)に必要な「specified work」です。この記事は、年齢・申請料などの基本条件に加え、自分の仕事が追加ビザに数えられるかを、業種→場所→日数の順に判定する手順を内務省公式で整理します。なお、検索で見かける「AUD840」はファースト(1回目)の申請料で、セカンド・サードはAUD1,000.00です(2026年9月時点で確認した額。最新額は申請前に内務省の料金ページで確認してください)。
この記事の要点
- 日本国籍のワーキングホリデービザ(subclass 417)は、18歳から30歳まで(inclusive)が対象です。31歳の誕生日の前日深夜(オーストラリア東部標準時/夏時間)までに申請します(2026年10月時点・オーストラリア内務省公式)
- セカンドは3か月(88暦日相当)、サードは6か月(179暦日相当)の specified work が条件です。業種と地域(郵便番号)の両方が指定に合い、原則として法令・賃金規定どおりに賃金が支払われる仕事が数えられます。指定された災害復旧のボランティア等には例外があります(同時点・同省公式)
- 原則、数えられるのは直前のワーホリビザを持っている間にした仕事だけです。サードの場合、ファースト保持中の仕事や2019年7月1日より前の仕事は数えられません(同時点・同省公式)
オーストラリアのワーホリビザは何がある? — ファースト・セカンド・サードの3段階
オーストラリアのワーキングホリデー制度は、正式には「Working Holiday visa (subclass 417)」というビザで、日本国籍を含む対象国・地域のパスポート保持者が申請できます(2026年10月時点・オーストラリア内務省公式)。条件を満たせば1回目(ファースト)だけでなく2回目(セカンド)・3回目(サード)まで申請でき、それぞれ滞在期間・条件・申請料が公式に定められています。
| 区分 | 対象 | 滞在期間 | 申請料(2026年9月時点で確認) |
|---|---|---|---|
| ファースト | 条件を満たすすべての対象者 | 12か月 | AUD840.00 |
| セカンド | ファーストのWorking Holiday visaを保持・過去に保持し、3か月の specified subclass 417 work を完了した人 | 12か月 | AUD1,000.00 |
| サード | セカンドのWorking Holiday visaを保持・過去に保持し、6か月の specified subclass 417 work を完了した人 | 12か月 | AUD1,000.00 |
(出典: オーストラリア内務省 First/Second/Third Working Holiday visa 各公式ページ。条件は2026年10月時点。申請料は2026年9月時点で確認した額で、10月の再確認では料金表を取得できていません)
申請する場所もビザごとに違います。ファーストは、申請時も審査の決定時もオーストラリア国外にいる必要があります。セカンドは、国内にいる場合は有効な本査証を持つか、直近の本査証の失効から28日以内であることが条件で、サードは国内外どちらからでも申請できます。ただし国内で申請した人は国内で、国外で申請した人は国外で決定を受ける必要があります(2026年10月時点・同省公式)。どのビザも、就労だけでなく最長4か月(17週)までの就学が認められており、同じ雇用主のもとで働けるのは通常6か月までです。
何歳まで申請できる? — 日本は18〜30歳、国によって35歳まで
内務省が公表している対象パスポート国・地域別の年齢条件では、日本は18〜30歳で、これはファースト・セカンド・サードに共通です。カナダ・フランス・アイルランド・ドイツなど一部の国・地域は35歳までですが、日本は含まれていません(2026年10月時点・オーストラリア内務省公式)。
締切にも注意が必要です。内務省は「31歳の誕生日の前日深夜(オーストラリア東部標準時/夏時間・AEST/AEDST)まで」に申請するよう案内しています。日本からの申請でもこの時間で判定されるため、誕生日の直前の申請は避けるよう呼びかけています。30歳で申請し、審査中に31歳になった場合でも、他の条件を満たしていれば付与できるとされています(同時点・同省公式)。
申請料と資金の目安 — ファーストはAUD840.00、滞在資金はAUD5,000程度
申請料は、ファーストがAUD840.00、セカンド・サードはAUD1,000.00です(2026年9月時点・内務省公式で確認した額。料金は改定されることがあるため、申請前に内務省の料金ページで最新額を確認してください)。これとは別に、滞在資金として、内務省は「通常、滞在初期の費用としてAUD5,000程度、これに加えて出国後の渡航先までの運賃」の準備を案内しています。国外から申請する場合、証明を添付しないと追加の情報提供を求められて審査が遅れる可能性があり、セカンドをオーストラリア国内から申請する場合は証明の提出は不要とされています(2026年10月時点・同省公式)。
審査期間について、内務省はワーキングホリデーメーカー(WHM)プログラムの需要増加を背景に処理期間の平準化を進めており、平均はおよそ3か月とされています。ビザが交付されるまでは、航空券の予約や渡航・就労・就学の約束をしないよう案内されています(2026年10月時点・同省公式)。
セカンド・サードビザの条件 — 「specified work」を積み上げる
セカンド・サードを取るには、年齢条件に加えて、内務省が定める「specified subclass 417 work」を一定期間こなしている必要があります。
- セカンドビザ: ファーストのWorking Holiday visaを保持または過去に保持していたこと。加えて3か月の specified work を完了していること
- サードビザ: セカンドのWorking Holiday visaを保持または過去に保持していたこと。加えて、2019年7月1日以降に6か月の specified work を完了していること
specified work は「指定された業種」で「指定された地域」にあり、原則として法令・賃金規定(award)どおりに賃金が支払われる仕事のことです。指定された災害復旧のボランティア等には例外があります(2026年10月時点・内務省公式)。次の節で、自分の仕事が当たるかを順に確かめます。
自分の仕事は specified work に当たる? — 業種→場所→日数の順に判定する
ビザ申請の前に「その仕事は数えられるのか」を確かめる手順を、内務省公式の定義に沿って3段階に整理します(2026年10月時点)。
1. 業種を確かめる
内務省が承認している業種は次のとおりです。
| 業種 | 対象になる場所 | 公式が挙げる仕事の例 |
|---|---|---|
| 農作物・畜産(plant and animal cultivation) | regional Australia | 果樹園での収穫、家畜の世話、搾乳などの乳製品の製造 |
| 漁業・真珠養殖 | regional Australia | 漁獲や真珠の養殖に直接関わる作業 |
| 植林・伐採 | regional Australia | 植林地・森林での伐採、伐採した木の最初の加工地点までの運搬 |
| 鉱業 | regional Australia | 石炭・石油・ガス・金属鉱業、採石、探査、鉱業の支援サービス(清掃を含む) |
| 建設 | regional Australia | 建築・土木工事、足場、建設現場でのフェンス設置や塗装 |
| 観光・接客 | Northern Australia または Remote and Very Remote Australia(2021年6月22日以降の仕事)。ほかに追加で指定された郵便番号がある場合あり(内務省の最新の一覧で確認) | ホテル・カフェ・レストランでの仕事、ガイド、ダイビングインストラクターなど |
| 森林火災の復旧 | 指定された火災被災地域(2019年7月31日以降の仕事) | フェンスの再建、野生動物の世話。ボランティアも数えられる |
| 洪水・サイクロン等の復旧 | 指定された災害地域(2021年12月31日以降の仕事) | 清掃、解体、復旧の運搬・事務支援。ボランティアも数えられる |
(出典: 内務省 Specified work for Working Holiday visa (subclass 417)。このほか、2020年1月31日以降にオーストラリア国内で行った新型コロナ対応の医療・保健分野の重要業務も数えられると公式に定められています)
線引きに注意が必要な例が、公式に示されています。農作物・畜産では、収穫・梱包や、羊の毛刈り・食肉処理などの一次的な加工までが対象で、ワイン醸造・醸造蒸留・製粉・ハムなどの加工食品の製造・乳製品や精肉の小売といった二次的な加工は対象外です。果樹やブドウの剪定は、商業的な園芸で主な業務である場合に限られ、一般的な庭の手入れは対象外です。
2. 場所(郵便番号)を確かめる
業種が合っても、勤務地が指定の地域にないと数えられません。公式ページは、地域ごとに対象の郵便番号を一覧にしています。
- regional Australia: 一覧にある郵便番号が対象です。南オーストラリア州・タスマニア州・ノーザンテリトリー・ノーフォーク島は全郵便番号が対象ですが、たとえばニューサウスウェールズ州は2311〜2312、2328〜2411のように範囲で示され、州内でも対象外の郵便番号があります
- Northern Australia: 観光・接客で対象になる北部の地域です。クイーンズランド州・西オーストラリア州の一部の郵便番号と、ノーザンテリトリー全域が一覧にあります
- Remote and Very Remote Australia: 観光・接客で対象になる遠隔地域です。ノーザンテリトリー全域と、各州の一部の郵便番号が一覧にあります
- 郵便番号は範囲表記が含まれ、「4417 to 4420」は4417〜4420のすべてを指します
郵便番号の一覧は更新されることがあるため、求人の勤務先の郵便番号を、必ず内務省の specified work ページの一覧と照合してください。一覧に見つからない場合は、断定せず内務省に確認してください。
3. 日数を確かめる(88日・179日)
内務省は「3か月」「6か月」を暦の上の最短月の合計と定義しています。
- セカンド: 3か月 = 88暦日(休日を含む)に相当する、フルタイムの通常の勤務日数・シフト数
- サード: 6か月 = 179暦日に相当する日数。2019年7月1日以降の仕事に限る
数え方の例が公式に示されています。
- 週5日勤務を3か月続ける: 要件を満たす
- 週2日勤務を3か月続ける: その業種のフルタイム相当の日数に届かないため、満たさない。期間を延ばす必要がある
- フルタイム4か月+パート(フルタイムの半分)4か月: 4か月+2か月=6か月分として合算でき、サードの6か月を満たす
- 1日に10時間働いても1日分: 1暦日は1日としか数えられない
- 雇用主は1社でなくてよい: 複数の仕事の合計でよく、現在のビザの滞在期間内で分けて働いてもよい
そのほか、祝日と病欠は賃金が支払われた日に限って数えられます。悪天候などで働けず無給だった日は数えられず、「悪天候などの理由による例外は設けない」と公式に明記されています。賃金の未払いがある仕事も数えられません。
ファースト→セカンド→サードの分岐 — どの時点で何を決めるか
ここまでを、状況別の分岐にまとめます(2026年10月時点・内務省公式に基づく整理)。
- ファーストで滞在中で、セカンドを考えている: 農業・漁業・植林・鉱業・建設の仕事なら regional Australia の郵便番号内、観光・接客なら Northern/Remote and Very Remote を中心とした指定の郵便番号内(追加の指定がないか最新の一覧で確認)で、88暦日分の仕事を、ファーストの有効期間中に積む。働いた分の賃金明細や雇用契約は手元に保管しておく(公式も雇用契約書の保管を勧めています)
- セカンドで滞在中で、サードを考えている: 必要なのは179暦日分で、セカンド保持中の仕事だけが数えられるのが原則。ファースト保持中の仕事を持ち越すことはできません
- 例外: セカンドの申請中にファーストが失効して特定査証(Bridging visa)に移った場合、その間の仕事は次の申請に数えられます。一方、学生ビザなど別のビザで働いた期間は、原則数えられません
- 観光・接客を選ぶ場合: 対象かどうかは、都市かどうかではなく、仕事内容と指定の地域・郵便番号で決まります。Northern Australia と Remote and Very Remote Australia の郵便番号が基本で、指定された郵便番号の外にある観光・接客の仕事は対象外です。一覧に追加の指定がないかは、内務省の最新の一覧で確認してください
- 悪天候や仕事不足への備え: 公式は「滞在の早い時期に specified work を終える計画を」と案内しており、悪天候や病気などによる例外は認められません
日本国籍の場合、英国籍保持者向けの免除(specified work なしで2nd/3rdを取得できる取り決め)は使えません。
求人を探すときは、業種と郵便番号が公式の定義に合うかを先に確かめます。農業・収穫の求人は、オーストラリア政府の「Workforce Australia」の求人ボードでも探せると公式に案内されています。
観光などの短期の渡航であれば、ワーキングホリデーのビザではなく電子渡航認証で足りる場合もあります。オーストラリアのETAはオーストラリアETAの申請はアプリだけ? — サービス料20豪ドル・有効期間12か月・就学の上限を内務省公式で確認で整理しています。
現地に着いてからの通信は、出発前に決めておく
ビザの条件を確認したら、次に決めておきたいのが現地での通信手段です。オーストラリアは国土が広く、都市間の移動や空港からの配車アプリの利用でスマホの通信に頼る場面が多い渡航先です。eSIMやローミングの料金比較、出発前のチェックリストはオーストラリア旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と出発前チェックで整理しています。
ワーホリ全体でかかる費用(ビザ申請料・保険・エージェント利用の有無など)を国別に比較したい場合は、ワーホリの費用はいくら? — ビザ申請料・必要資金・保険を5か国の公式サイトで横並びにするもあわせて確認してください。
出発前の英語の準備は、ワーホリ前の英語、どこまで準備すればいい? — ビザの英語要件を5か国の政府公式で確認するで整理しています。日々の練習方法はAI英会話アプリやオンライン英会話の比較記事も参考にしてください。
ワーホリ制度の全体像と他の国との共通点・違いはワーホリとは? — 仕組みと、5か国で共通する点・違う点を各国政府の公式で確認するで確認できます。
留学・ワーホリのエージェントを使うか迷うとき(ビザ手続きとは別の話)
ここまでのビザの手続きは、エージェントを使わず自分でも進められます。以下は、現地での準備に相談相手が欲しい人向けの情報で、ビザの条件とは関係なく、使わなくても手続きは変わりません。
よくある疑問
オーストラリアのワーホリビザは何歳まで申請できますか?
日本国籍の場合、18歳から30歳まで(inclusive)です。申請は31歳の誕生日の前日深夜(オーストラリア東部標準時/夏時間)までに行う必要があります。国によっては35歳まで申請できる場合がありますが、日本は対象に含まれていません(2026年10月時点・オーストラリア内務省公式)。
ワーホリビザ(417)の申請料はいくらですか?
ファースト(1回目)のWorking Holiday visaはAUD840.00、セカンド(2回目)・サード(3回目)はいずれもAUD1,000.00です(2026年9月時点・オーストラリア内務省公式で確認した額。2026年10月の再確認では料金表を取得できなかったため、申請前に内務省の料金ページで最新額を確認してください)。このほか、滞在中の資金として通常AUD5,000程度の所持金の証明が案内されています。
セカンド・サードのワーホリビザを取るには、何が必要ですか?
セカンドビザは、ファーストのWorking Holiday visa(417)を保持または過去に保持していたことと、3か月(88暦日相当)の「specified subclass 417 work」の完了が条件です。サードビザは、セカンドビザを保持または過去に保持していたことと、2019年7月1日以降に6か月(179暦日相当)の同work完了が条件です。specified work は「内務省が指定する業種」かつ「指定の地域」で、原則として法令・賃金規定どおりに賃金が支払われる仕事(指定された災害復旧のボランティア等には例外があります)で、原則は直前のワーホリビザ保持中にした仕事だけが数えられます(2026年10月時点・オーストラリア内務省公式)。
自分の仕事が specified work に当たるかは、どう確かめますか?
業種と場所の2点を、内務省の specified work ページで確認します。業種は、農作物・畜産、漁業・真珠養殖、植林・伐採、鉱業、建設の5つは「regional Australia」の郵便番号内、観光・接客は「Northern Australia または Remote and Very Remote Australia」の郵便番号内の仕事が対象とされています。観光・接客は、ほかに追加で指定された郵便番号がある場合があります(内務省の最新の一覧で確認)。都市かどうかではなく、仕事内容と指定の郵便番号で判定され、追加の指定がないかも含めて、勤務先の郵便番号がページの最新の一覧にあるかを必ず照合してください。一覧にない仕事は断定せず、公式ページで確認します(2026年10月時点・同省公式)。
まとめ
オーストラリアのワーキングホリデービザ(subclass 417)は、日本国籍なら18〜30歳が対象です。追加ビザ(セカンド・サード)は、指定の業種×指定の郵便番号の仕事を、セカンドは88暦日分、サードは179暦日分(直前のビザ保持中、2019年7月1日以降)積むことで申請できます。判断の手順は「業種→勤務先の郵便番号→日数」の順です。申請料はファースト AUD840.00、セカンド・サード AUD1,000.00(2026年9月時点で確認した額)で、滞在資金の目安は AUD5,000程度です。数字が独り歩きしないよう、出発前と求人に応募する前には、必ず内務省の該当ページで最新の条件と郵便番号の一覧を確認してください。
カナダ・ニュージーランド・イギリスと並べた就労ルールと最低賃金は、ワーホリの仕事、4か国の就労ルールと最低賃金を公式で比較で比べられます(2026年10月時点)。




