シンクの隅に置いた食洗機のドアを閉め、スタートボタンを押す。ゴウンと低い音が聞こえてくるたびに「これ、結構電気を使ってるんじゃないか」と気になったことはないだろうか。「食洗機は電気代が高い」というイメージを見聞きすることもあるが、パナソニックの卓上型SOLOTA(NP-TML1)の標準コースは公式仕様で230Wh、31円/kWhで計算すると1回およそ7.1円になる。卓上型とビルトイン型では乾燥方式が異なり、消費電力量にも差が見られる。
この記事の要点
- パナソニックの卓上型SOLOTA(NP-TML1・標準コース230Wh)は1回約7.1円、ビルトインのM9シリーズ(NP-45MD9P・標準コース・汚れレベルL2・食器48点・給湯60℃で0.52kWh)は1回約16.1円。31円/kWhで計算すると、いずれも1回数円〜十数円の範囲です(2026年9月時点・パナソニック公式仕様にもとづく計算例)
- NP-TML1は送風乾燥、NP-45MD9Pはヒーター(600W)を使う方式で消費電力量に差があるが、工程別の消費電力量は公表されておらず、差額の原因を乾燥方式だけで特定することはできない(2026年9月時点・パナソニック公式仕様)
- パナソニック公式のシミュレーションでは、1人分の手洗い(約20L・約16.2円)とSOLOTA(約2.5L・約9.5円)の比較試算例が示されている。ただし電気代だけでなく水道代・洗剤代を含めた合計コストの試算(2026年9月時点・パナソニック公式試算)
卓上型とビルトイン型、公式仕様に見る消費電力
食洗機には、工事なしで置ける卓上型(据置型・タンク式)と、キッチンに組み込むビルトイン型があり、乾燥方式や運転条件などに違いがある。
卓上型の代表としてパナソニック公式仕様を見ると、パーソナル食洗機「SOLOTA」(NP-TML1)は標準コースの消費電力量が約230Wh、運転時間は合計約120分(洗い行程約25分・すすぎ行程2回で計約35分・乾燥行程約60分)だ。消費電力の内訳はモーター20W/17W(50Hz/60Hz)、ヒーター250W、最大270W/267Wで、乾燥方式は「送風乾燥」とされている(2026年9月時点・パナソニック公式仕様)。同じ卓上型のシロカ「SS-M151」・アイリスオーヤマ「ISHT-5000」も定格消費電力512W/526W・送風乾燥だが、標準コースの消費電力量(Wh)は公式資料に明記がなく「コースなどによって変わります」と注記されている。そのため本記事の実額計算では、数値が明記されているNP-TML1を卓上型の代表として使用する(2026年9月時点・シロカ公式/アイリスオーヤマ公式取扱説明書)。
ビルトイン型の代表として、パナソニックの45cm幅ディープタイプ「NP-45MD9P」(M9シリーズ)の公式取扱説明書を見ると、標準コース(汚れレベルL2・食器48点・給湯60℃、日本電機工業会自主基準「食器洗い乾燥機の性能測定方法」に基づく測定)の消費電力量は、エコナビ運転をしない場合が約0.52kWh、エコナビ運転をする場合が約0.45kWhだ。運転時間はエコナビなしで約103分(50Hz、取扱説明書の運転時間の目安表に記載)。消費電力の内訳は洗浄モーター75W(50Hz)/100W(60Hz)、ヒーター600W、最大消費電力675W(50Hz)/700W(60Hz)で、乾燥方式は「ヒーターとファンによる強制排気乾燥」と明記されている(2026年9月時点・パナソニック公式取扱説明書)。なお、この消費電力量は食洗機本体の電気代にあたるもので、給湯を外部の給湯器でまかなっている場合、そのガス代・電気代は別途かかる。
浴室の暖房乾燥機や衣類乾燥機も同じくヒーターを使う方式があり、電気代の考え方は共通している。衣類の乾燥にかかる電気代は乾燥機の電気代は1回いくら?、浴室暖房乾燥機は浴室暖房乾燥機の電気代で確認できる。
1回・1か月の電気代 — 「食洗機は高い」という思い込みと実額
| 思い込み | 実額 |
|---|---|
| 食洗機は電気代が高い | 卓上型は1回約7.1円、ビルトイン型でも1回約14.0〜16.1円(メーカー公式仕様にもとづく計算例) |
| ヒーターがあるから差額の大半は乾燥代のはず | 工程別の消費電力量は公表されておらず、差額の原因を乾燥方式だけで特定することはできない |
目安単価31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会・税込)で、公式仕様の消費電力量から1回・1日1回×1か月(30日)・1日2回×1か月の電気代を計算した(消費電力量〔kWh〕×31円が計算式)。
| 型 | メーカー・型番(コース・条件) | 消費電力量 | 1回 | 1日1回×1か月 | 1日2回×1か月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 卓上型 | パナソニック NP-TML1(標準コース・乾燥あり) | 約230Wh | 約7.1円 | 約214円 | 約428円 |
| ビルトイン | パナソニック NP-45MD9P(標準コース・汚れレベルL2・食器48点・給湯60℃・エコナビなし) | 約0.52kWh | 約16.1円 | 約484円 | 約967円 |
| ビルトイン | パナソニック NP-45MD9P(同条件・エコナビあり) | 約0.45kWh | 約14.0円 | 約419円 | 約837円 |
(各機種公式仕様の消費電力量〔kWh〕に31円/kWhを掛けた当サイトの計算例。食洗機本体の電気代で、外部給湯〔給湯器〕のエネルギー費は含まない。2026年9月時点・パナソニック公式仕様にもとづく計算例)
公式仕様の消費電力量から計算すると、卓上型は1回1桁円台、ビルトイン型でも1回十数円で、1か月(1日1回×30日)でも214円〜484円の範囲に収まる。食器が容量内に収まり、同じコースで運転回数を減らせれば、1日・1か月の総額を抑えられる。
手洗いとの比較では、パナソニック公式のシミュレーションに試算例がある。1人分の食器(6点・小物4点)で、手洗いは使用水量約20L・コスト約16.2円、NP-TML1は約2.5L・約9.5円という結果だ(電力31円/kWh・水道137円/m³・下水125円/m³が前提)。このコストは水道代・洗剤代を含めた合計で、上表の「約7.1円」(電気代のみ)とは範囲が異なる。パナソニックの試算条件による例であり、実際の差は家庭の手洗い方法で変わる(2026年9月時点・パナソニック公式試算)。
注意点・向かない人
パナソニック公式の取扱説明書には、運転中や運転終了直後に排気口付近へ近づかないよう注意する記載がある。湯気や温風でやけどをするおそれがあるためで、ヒーターを使う乾燥方式の機種では特に、運転直後にドアや排気口まわりを触らないようにしたい(2026年9月時点・パナソニック公式取扱説明書)。
極端に油汚れがひどい調理器具や、耐熱温度の低いプラスチック食器(メーカー対応外のもの)は、コースを選んでも十分に洗浄・乾燥できない場合がある。卓上型はタンク式で庫内容量が小さいため、大皿や大人数分をまとめて洗うにはビルトイン型が向く一方、一人暮らしや少人数世帯では卓上型の方が電気代・水道代とも小さく収まりやすい。公式仕様の標準収納容量(NP-TML1は6点、NP-45MD9Pは48点)を目安に検討するとよい。
電気代を抑える使い方
- 乾燥方式の違いを踏まえて選ぶ:送風乾燥とヒーター加熱乾燥では消費電力量に差があるが、P型のビルトイン機は「乾燥なし」を選んでも送風運転が続く仕様で消費電力量は非公開のため、節約幅は公式資料からは断定できない(2026年9月時点・パナソニック公式取扱説明書)
- 食器をまとめて1日1回にする:1回あたりの電気代は数円〜十数円だが、朝晩2回に分けるより、汚れをためて1日1回にまとめる方が総額は小さくなる。ただし食器を長時間放置すると汚れが落ちにくくなる点はメーカーも案内している
- 標準コースを基本にする:メーカー公式が消費電力量を明記しているのは主に標準コースで、強力・スピーディなど他コースの公式な消費電力量は確認できなかった。電気代を把握したい場合は、公式仕様に数値がある標準コースを基準に考えるのが確実
- 他の家電と合わせて電気代全体を見直す:食洗機以外の調理家電の電気代はIHの電気代は1回いくら?、電子レンジの電気代は「600W」で計算していませんか?、炊飯器の電気代は1回いくら?、電気ケトルの電気代は1回いくら?、洗濯物の電気代は洗濯機の電気代は1回いくら?で確認できる。電力会社・料金プラン自体を見直したい場合は電力会社の切り替え方法とデメリットで仕組みを確認できる
一人暮らしで食洗機の導入を検討している場合は、一人暮らしの電気代、平均との比べ方で電気代全体に占める割合の目安も確認しておくと判断しやすい。
よくある疑問
食洗機の電気代は1回いくらですか?
メーカー公式仕様にもとづく計算例では、卓上型のパナソニックSOLOTA(NP-TML1・標準コース230Wh)が1回約7.1円、ビルトインのパナソニックM9シリーズ(NP-45MD9P・標準コース・汚れレベルL2・食器48点・給湯60℃の条件で0.52kWh)が1回約16.1円です(エコナビ運転時は約0.45kWhで約14.0円)。いずれも31円/kWhで計算した食洗機本体の電気代のみの金額で、外部給湯(給湯器)のエネルギー費は含みません(2026年9月時点・パナソニック公式仕様にもとづく計算例)。
食洗機の乾燥は電気代がかかりますか?乾燥なしにすれば安くなりますか?
型によって乾燥方式が異なります(NP-TML1は送風乾燥、NP-45MD9Pはヒーター600Wを使う「ヒーター加熱乾燥」)。ただし工程別(洗い・すすぎ・乾燥)の消費電力量はメーカー資料に示されておらず、両機種の差額のうちどれだけが乾燥方式の違いによるものかは特定できません。「乾燥なし」を選ぶ操作もありますが、P型では乾燥なし選択時も送風運転が続く仕様で消費電力量は非公開のため、どれだけ電気代を抑えられるかは断定できません(2026年9月時点・パナソニック公式取扱説明書)。
食洗機は手洗いより電気代・水道代が安いって本当ですか?
パナソニック公式のシミュレーションでは、食器6点・小物4点を1人分手洗いした場合の使用水量が約20L・コスト約16.2円であるのに対し、SOLOTA(NP-TML1)は約2.5L・約9.5円という試算例が示されています(電力31円/kWh・水道137円/m³・下水125円/m³の単価が前提で、電気代だけでなく水道代・洗剤代を含めた合計コストです)。ただしこれはパナソニックが自社条件で示した試算例であり、家庭の手洗い方法(お湯の使用・水の流しっぱなし時間など)によって実際の差は変わります(2026年9月時点・パナソニック公式試算)。
食洗機の電気代が気になったら、電力会社の見直しも
食洗機の電気代は、使い方の工夫でも変わりますが、契約している電力会社やプランによっても変わります。今の使い方や契約に困っていない方は、この節を読み飛ばして問題ありません。契約を見直す選択肢を考える方に向けて、比較の候補を挙げておきます。
まとめ
食洗機の電気代は、メーカー公式仕様の消費電力量から計算すると、卓上型で1回約7.1円、ビルトイン型で1回約14.0〜16.1円と、いずれも1回数円〜十数円の範囲に収まる。乾燥方式(送風乾燥/ヒーター加熱乾燥)は異なるが、工程別の消費電力量は公表されておらず、差額の原因は特定できない。手洗いとの比較はパナソニック公式の試算例が参考になるが、水道代・洗剤代を含めた合計コストである点に注意し、自分の使い方に近い条件かどうかを確認したうえで判断するとよい。
ほかの家電の電気代も比べたい場合は、家電の電気代 早見表でまとめて確認できます。




