炊飯器の保温ボタンのランプがついたまま、夜になっても電源を抜かずに過ごしていないだろうか。「炊飯はヒーターをフル稼働させるから電気代がかかる」というイメージを持つ人は多いが、メーカー公式仕様の数字を見るかぎり、炊飯1回の電気代は数円で収まる。むしろ電気代がじわじわ積み上がるのは、炊飯後の保温の方だ。
この記事の要点
- 象印NW-JY10・タイガーJPI-A100・パナソニックSR-MPW101(いずれも5.5合クラス。5.5合クラスは容量区分で、公式の測定は工場出荷時のエコ炊飯メニュー使用時の値です)の公式仕様から計算すると、1回の炊飯は約4.6円・約5.3円・約4.8円。「炊飯は電気代がかかる」イメージほどではありません(31円/kWhで算出。2026年9月時点・各社公式仕様にもとづく計算例)
- 保温は1時間あたり約0.4〜0.5円と小さく見えますが、象印は約9.4時間、タイガーは約9.9時間、パナソニックは約11.2時間続けると炊飯1回分の電気代に並ぶ計算です(2026年9月時点・各社公式仕様にもとづく計算例)
- 保温を続けるか冷凍してレンジで温め直すかは、冷凍に要する電力を除き、レンジ加熱1回を2分と仮定すると、保温約2.8時間分(44Wh÷15.8Wh/h)に相当する計算になりますが、実際の加熱時間や保温時間は分量・機種で変わるため目安です(2026年9月時点・各社公式仕様にもとづく計算例)
公式仕様に見る炊飯時・保温時の消費電力量 — 3メーカーの5.5合クラスで比較
炊飯器の電気代を計算するもとになるのは、メーカー公式仕様に記載されている「炊飯時消費電力量(1回あたり・Wh)」と「保温時消費電力量(1時間あたり・Wh/h)」です。「5.5合」は炊飯器の容量区分であり、以下の数値は5.5合を炊飯したときの値ではありません。同じ5.5合クラスで比べると、次のようになります(2026年9月時点・各社公式仕様)。
| メーカー・型番(容量区分) | 炊飯時消費電力量(1回) | 保温時消費電力量(1時間) |
|---|---|---|
| 象印 NW-JY10(5.5合クラス) | 149Wh | 15.8Wh/h |
| タイガー JPI-A100(5.5合クラス) | 171Wh | 17.2Wh/h |
| パナソニック SR-MPW101(5.5合クラス) | 154Wh | 13.7Wh/h |
3社とも、この数値は初期設定(工場出荷時)の「エコ炊飯(エコ炊き)」メニュー使用時の値です。パナソニックは取扱説明書に「工場出荷時の『エコ炊飯』での電力量」であり、SR-MPW101では「3カップ(3合)炊飯時」の値と明記されています。象印・タイガーも、炊飯量やメニューを変えると消費電力量が変わる旨を公式が注記しています(2026年9月時点・各社公式仕様。パナソニックは取扱説明書)。同じメーカーの他機種では数値が異なるため、正確な数字が必要な場合はメーカー公式の仕様ページで型番ごとに確認してください。
1回・保温1時間・一晩(8時間)・12時間の電気代
計算式は「消費電力量(Wh)÷1000×31円/kWh」です(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価。2026年9月時点・同協議会公式)。上の消費電力量をもとに計算すると、次のようになります。
| メーカー・型番 | 炊飯1回 | 保温1時間 | 保温8時間(一晩) | 保温12時間 |
|---|---|---|---|---|
| 象印 NW-JY10 | 約4.6円 | 約0.5円 | 約3.9円 | 約5.9円 |
| タイガー JPI-A100 | 約5.3円 | 約0.5円 | 約4.3円 | 約6.4円 |
| パナソニック SR-MPW101 | 約4.8円 | 約0.4円 | 約3.4円 | 約5.1円 |
(各社公式仕様の消費電力量〔Wh〕に31円/kWhを掛けた当サイトの計算例です。2026年9月時点・各社公式仕様にもとづく計算例)
「炊飯は電気代がかかる」「保温はつけっぱなしでも数円だから平気」という2つの思い込みを、実額で並べると次のようになります。
| 思い込み | 実額(各社公式仕様にもとづく計算例) |
|---|---|
| 炊飯は電気を大量に使うので高い | 1回あたり約4.6〜5.3円(3メーカーとも数円の範囲) |
| 保温は電源が入っているだけだから数円で済む | 1時間あたりは約0.4〜0.5円でも、約9.4〜11.2時間続けると炊飯1回分の電気代に並ぶ・超える |
象印NW-JY10を例にすると、炊飯1回の電気代(約4.6円)を保温時消費電力量(1時間あたり約0.5円)で割ると約9.4時間になります。つまり、炊き上がってから約9.4時間保温を続けた時点で、保温だけで炊飯1回分と同じ電気代を使い切る計算です。タイガーJPI-A100では約9.9時間、パナソニックSR-MPW101では約11.2時間が同じ目安になります。
使用回数・時間を仮定すると、月額の目安も計算できます。仮に1日1回炊飯し、炊き上がり後1時間だけ保温すると仮定すると、象印NW-JY10で1か月(30日換算)は約153円になります(〔炊飯149Wh+保温15.8Wh〕×30日÷1000×31円/kWhで算出。実際の炊飯回数・保温時間は家庭によって異なるため、あくまで仮定に基づく目安です。2026年9月時点・象印公式仕様にもとづく仮定計算)。
保温を続ける vs 冷凍してレンジで温め直す
炊いたご飯をすぐに食べきらない場合、(1)保温を続ける、(2)小分けにして冷凍し、食べるたびにレンジで温め直す、という2つの選び方があります。レンジの電気代は、パナソニック公式仕様の単機能レンジ「NE-EH227」(定格消費電力1.32kW)を例に、定格消費電力が加熱時間中ずっと続くと仮定して、消費電力(kW)×使用時間(h)×31円/kWhで計算します(公式仕様は500W設定時の入力電力そのものを示しているわけではないため、あくまで仮定計算です。2026年9月時点・パナソニック公式仕様)。
| 温め直しの時間 | 電気代目安(NE-EH227・定格消費電力1.32kW) |
|---|---|
| 1分 | 約0.7円 |
| 2分 | 約1.4円 |
| 3分 | 約2.0円 |
(定格消費電力が使用時間中続くと仮定した概算。消費電力1.32kW×使用時間×31円/kWhで算出。加熱時間はご飯の分量や機種によって変わるため、あくまで目安です。2026年9月時点・パナソニック公式仕様にもとづく計算例)
冷凍に要する電力を除き、レンジ加熱1回を2分と仮定すると、レンジ2分の電気代(定格消費電力1.32kWが2分間続くと仮定した概算で約1.4円)は、象印NW-JY10の保温約2.8時間分(44Wh÷15.8Wh/h)に相当する計算になります。これは冷凍・解凍の手間や冷凍にかかる電力を含まない単純比較で、実際にどちらが得かは食べる間隔・分量・機種・家庭の事情によって変わるため断定はできません。
注意点・向かない人
- この記事の数値はエコ炊飯メニュー使用時の計算例:急速炊飯・早炊きなど別メニューでは消費電力量が変わります
- 保温には推奨される上限がある:パナソニック公式は「24時間以上(一部機種は30時間以上)の保温はしないでください」「露やにおいを抑える設定では12時間以上の保温はしないでください」としています(2026年9月時点・パナソニック公式FAQ)。電気代だけでなく衛生面・味の面からも長時間保温は避けたほうがよい場合があります
- 食べ方によって判断が分かれる:不規則な一人暮らしは都度レンジ加熱、入れ替わり立ち替わり食べる家庭では保温の方が手間も電気代も抑えられることがあります
電気代を抑える使い方
- 保温は必要な時間だけにする:食後すぐに残りを小分け冷凍して保温をオフにすれば、保温の電気代自体をなくせます
- まとめて温め直す:少量ずつ何度も温めるより、食べる分をまとめて温める方が回数を減らせます
- 他の台所家電もあわせて見直す:IHクッキングヒーターはIHの電気代は1回いくら?、電子レンジ・トースターは電子レンジの電気代は「500W」で計算してませんか?、炊飯機能も備える電気圧力鍋は電気圧力鍋の電気代は1回いくら?で確認できます
- 電気代全体を見直す:単身世帯の平均との比較は一人暮らしの電気代、平均との比べ方、電力会社・料金プラン自体は電力会社の切り替え方法とデメリットで確認できます
よくある疑問
炊飯器の電気代は1回いくらですか?
メーカー公式仕様(各社5.5合クラス・工場出荷時のエコ炊飯メニュー使用時の値)から計算すると、象印NW-JY10が約4.6円、タイガーJPI-A100が約5.3円、パナソニックSR-MPW101が約4.8円です(31円/kWhで算出。2026年9月時点・各社公式仕様にもとづく計算例)。「5.5合」は容量区分で、実際の測定は5.5合を炊飯した値ではありません。「炊飯は電気代がかかる」というイメージほどの金額にはなりません。
炊飯器の保温は電気代がかからないのですか?
1時間あたりは約0.4〜0.5円と小さく見えますが、積み上がると無視できません。メーカー公式仕様の保温時消費電力量で計算すると、象印NW-JY10は約9.4時間、タイガーJPI-A100は約9.9時間、パナソニックSR-MPW101は約11.2時間の保温で、それぞれ炊飯1回分の電気代に並ぶ計算になります(2026年9月時点・各社公式仕様にもとづく計算例)。
保温し続けるのと、冷凍してレンジで温め直すのはどちらが安いですか?
食べる間隔によって変わります。パナソニック公式仕様の単機能レンジ(NE-EH227・定格消費電力1.32kW)で2分温め直すと、定格消費電力が2分間続くと仮定した概算で約1.4円、炊飯器の保温は象印NW-JY10で1時間あたり約0.5円です。冷凍に要する電力を除き、レンジ加熱1回を2分と仮定すると、この約1.4円は保温約2.8時間分(44Wh÷15.8Wh/h)に相当する計算になりますが、実際の加熱時間や保温時間は分量・機種で変わるため、あくまで目安です(2026年9月時点・各社公式仕様にもとづく計算例)。
炊飯器の電気代のあとに — 電力会社を比べてみるなら
炊飯器の使い方は今のままでも、電力会社やプランを比べてみる方法はあります。現在の契約に不満がなければ、この節は読み飛ばして問題ありません。見直しを考える場合の比較の候補です。
まとめ
炊飯器の電気代は、炊飯1回だけを見れば象印・タイガー・パナソニックのいずれも数円で収まり、「炊飯は電気代がかかる」というイメージほどではありません。電気代への影響が大きくなりやすいのはむしろ保温の方で、1時間あたりは小さくても、9〜11時間ほど続けると炊飯1回分の電気代に並ぶ計算になります。保温を続けるか、冷凍してレンジで温め直すかは食べる間隔がおおよその分かれ目になりますが、差は数円程度のことも多く、衛生面や手間も含めて家庭ごとに選ぶのが現実的です。保温には上限の目安もメーカー公式が示しているため、味・衛生の面からも長時間保温は避けたほうがよい場合があります。
ほかの家電の電気代も比べたい場合は、家電の電気代 早見表でまとめて確認できます。




