部屋干しの洗濯物がなかなか乾かない梅雨どき、ドラム式洗濯乾燥機のボタンを押すか、浴室暖房乾燥機に切り替えるか、少し迷うことはないでしょうか。どちらも「乾燥機」とひとくくりにされがちですが、実は仕組みそのものが違うため、電気代にも差が出ます。方式ごとに1回あたりいくらかかるのか、公式情報から実額を確かめます。

この記事の要点

  • パナソニック公式の試算(約4kgの洗濯物を乾かす条件)では、浴室暖房乾燥機(電気ヒーター式)が約116.25円、ドラム式洗濯乾燥機(ヒートポンプ式)が約52円、部屋干し+扇風機が約10円でした。最も高い浴室暖房乾燥機は、最も安い方法の10倍以上の電気代です(2026年8月時点・同社公式試算)
  • 独立型の衣類乾燥機(ヒーター式)は、公式仕様に消費電力(W)は記載されていますが、1回あたりの目安時間・消費電力量(Wh)はNH-D605の公式仕様では非公表です。1時間あたりに換算すると、ヒーター式の浴室暖房乾燥機とほぼ同水準の電気代になります
  • 電気代の差の正体は、電気を直接熱に変えるヒーター式と、空気中の熱を汲み上げて使うヒートポンプ式という仕組みの違いです。パナソニック公式仕様でも、ヒートポンプ式は標準乾燥モードで800Wh・98分、省エネ乾燥モードで620Wh・165分と、時間と消費電力量のバランスを選べる設計になっています(2026年8月時点・メーカー公式仕様)

方式別、1回あたりの電気代を比べる

衣類の乾燥にはいくつかの方式があります。パナソニックが2026年7月30日に公開した公式記事では、約4kgの洗濯物を乾かす条件で、複数の乾燥方法にかかる電気代を試算しています(電気代の計算式は消費電力(kW)×使用時間×31円/kWh。2026年8月時点・同社公式)。

まず、パナソニック公式試算による1回あたりの電気代です。

乾燥方法 乾燥時間の目安 電気代目安(パナソニック公式試算)
浴室暖房乾燥機(電気ヒーター式) 約3時間 約116.25円
ドラム式洗濯乾燥機(ヒートポンプ式) 約119分 約52円
衣類乾燥除湿機(ハイブリッド方式) 約75分 約23.9円
部屋干し+扇風機 約8時間 約10円

(出典: パナソニック公式「除湿機の電気代って、どのくらい? 洗濯物を早く&安く乾かす方法」。約4kgの洗濯物を乾かす条件での同社公式試算。試算に用いた個別の消費電力・運転時間の詳細条件は同社非公表。2026年7月30日公開・2026年8月時点)

参考として、各方式の代表機種のカタログ消費電力は次のとおりです。

乾燥方法(機種例) 消費電力(カタログ値)
浴室暖房乾燥機(FY-13UG7E) 1,250W
ドラム式洗濯乾燥機(NA-LX113CL・標準乾燥モード) 960Wh
衣類乾燥除湿機(F-YHVX120) 715W
部屋干し+扇風機用(F-C324B) 40W

(出典: 各製品のメーカー公式仕様ページ。上表のカタログ消費電力は、上のパナソニック公式試算の前提条件(洗濯物の量・運転時間など)とは必ずしも一致しないため、単純に消費電力×31円/kWhを掛けても公式試算の電気代とは一致しません。2026年8月時点)

最も電気代が高いのは浴室暖房乾燥機(電気ヒーター式)で、ドラム式洗濯乾燥機(ヒートポンプ式)の2倍以上、部屋干し+扇風機の10倍以上という結果でした。なお、参考表のNA-LX113CLの消費電力量(960Wh)はメーカー仕様上の定格試験条件にもとづく参考値で、電気代(約52円)は同社が実際の家庭での使用環境をふまえて試算した値です。カタログの定格値をそのまま31円で掛けた金額とは必ずしも一致せず、同じヒートポンプ式でも、洗濯物の量や運転時間によって実際の金額は変動する点に注意してください(2026年8月時点・同社公式)。

独立型の衣類乾燥機(ヒーター式)はどれくらい?

洗濯機と分かれた、独立型の衣類乾燥機についても確認しておきます。パナソニックNH-D605(乾燥容量6.0kg・除湿形回転ドラム式)の公式仕様では、消費電力は室温30℃・ヒーター「強」で1,255Wと記載されていますが、標準コースの1回あたりの目安時間や消費電力量(Wh)は公式仕様に明記されていません(2026年8月時点・メーカー公式仕様)。

1時間あたりに換算すると、1.255kW×31円=約38.9円です。これは、浴室暖房乾燥機(FY-13UG7E)の公式試算(3時間で116.25円、1時間あたり約38.75円)とほぼ同じ水準です。どちらもヒーターで温風を作る仕組みが共通しているため、消費電力の水準も近くなっていると考えられます。独立型衣類乾燥機の待機時の電気代が気になる場合は、待機電力は電気代の何%?資源エネルギー庁データで見る現実的な削り方もあわせてご覧ください。

ヒートポンプ式とヒーター式、なぜここまで電気代が違う?

先ほどの表で、ドラム式洗濯乾燥機(ヒートポンプ式・約52円)と浴室暖房乾燥機(電気ヒーター式・約116.25円)を比べると、同じ「約4kgの洗濯物を乾かす」条件で2倍以上の差がありました。この差は、熱をつくる仕組みの違いによるものです。

ヒーター式は、電気のエネルギーをそのまま熱に変換して温風をつくります。電気を使った分だけ熱に変わる仕組みのため、投入した電力に対して得られる熱量は基本的に1対1です。

一方ヒートポンプ式は、エアコンの冷房・暖房と同じ原理で、空気中の熱を圧縮機で汲み上げて利用します。投入した電力より多くの熱を運べるため、同じ量の衣類を乾かすにも必要な電力が小さくなります。エアコンにおけるヒートポンプの仕組みはエアコンの電気代は1時間いくら? — 消費電力×時間×31円の計算式で確かめるで詳しく解説しています。

パナソニックNA-LX127FLの公式仕様でも、洗濯乾燥(標準乾燥モード)800Wh・98分に対し、省エネ乾燥モードは620Wh・165分と、時間をかける代わりに消費電力量を抑えられる設定が用意されています(2026年8月時点・メーカー公式仕様)。1時間あたりの平均消費電力に換算すると、標準乾燥モードは約490W相当で、ヒーター式の独立型衣類乾燥機(1,255W)と比べると2.5倍以上の開きがあります。急ぎなら標準、電気代を抑えたいなら省エネ、という使い分けができる設計です。

浴室暖房乾燥機はなぜ高くなりやすい?

浴室暖房乾燥機が高くなりやすい理由は、方式がヒーター式であることに加え、乾燥対象が浴室空間全体に及ぶためです。衣類だけでなく、タイルや壁、天井を含めた浴室空間ごと温めながら乾燥させる仕組みのため、消費電力・運転時間ともに大きくなりやすい傾向があります(2026年8月時点・パナソニック公式試算にもとづく)。

一方で浴室暖房乾燥機には、洗濯物を室内に干すスペースを取らない、浴室のカビ予防にもなるといった、電気代以外のメリットもあります。急な雨で濡れた衣類や体操着など、急いで乾かしたいものに絞って使う、といった使い分けが現実的です。

天日干し併用など、現実的な使い分け

パナソニックの公式試算では、部屋干し+扇風機の組み合わせが最も電気代が安く、約8時間で約10円という結果でした(2026年8月時点・同社公式)。乾燥機のような加熱・除湿の仕組みを持たないため電気代は抑えられますが、乾くまでの時間は他の方法より長くなります。

資源エネルギー庁の省エネポータルサイトでも、衣類乾燥機について、まとめて乾燥する・自然乾燥を併用することの効果を公式に試算しています(定格容量5kgの乾燥機を想定。2026年8月時点・同庁公式)。

行動 年間の削減電力量 節約額(31円/kWhで計算)
まとめて乾燥し、回数を減らす 41.98kWh 約1,301円
自然乾燥を併用する 394.57kWh 約12,232円

(出典: 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「洗濯機・掃除機」衣類乾燥機の項。まとめ乾燥は定格容量8割・2日に1回と、4割ずつ毎日使用した場合の比較。自然乾燥併用は、自然乾燥8時間後に未乾燥分のみ補助乾燥する場合と、乾燥機のみで乾かす場合(2日に1回使用)の比較。2026年8月時点)

自然乾燥の併用効果が特に大きいのは、乾燥機が生乾きの水分を完全に飛ばす段階で多くの電力を使うためです。ある程度自然乾燥させてから仕上げに乾燥機を使うことで、乾燥機の稼働時間そのものを短縮できます。天気や部屋干しスペースに余裕がある日は自然乾燥を併用し、雨天や急ぎのときだけ乾燥機や浴室暖房乾燥機を使う、という使い分けが電気代の面では現実的です。洗濯そのものの電気代(洗濯のみ・洗濯乾燥込みの差)は洗濯機の電気代は1回いくら? — 「洗濯のみ」と「乾燥あり」で電気代はここまで変わるで整理しています。

よくある疑問

乾燥機の電気代は方式によってどれくらい違いますか?

パナソニック公式の試算(約4kgの洗濯物を乾かす条件)では、浴室暖房乾燥機(電気ヒーター式・FY-13UG7E)が約116.25円、ドラム式洗濯乾燥機(ヒートポンプ式・NA-LX113CL)が約52円、衣類乾燥除湿機(ハイブリッド方式)が約23.9円、部屋干し+扇風機が約10円でした。最も高い浴室暖房乾燥機は、最も安い部屋干し+扇風機の10倍以上の電気代です(2026年8月時点・パナソニック公式試算)。

ヒートポンプ式とヒーター式で、なぜ電気代がこんなに違うのですか?

ヒーター式は電気をそのまま熱に変換するのに対し、ヒートポンプ式はエアコンと同じ原理で空気中の熱を圧縮機で汲み上げて利用します。投入した電力より多くの熱を運べる分、消費電力を抑えられます。パナソニック公式仕様でも、ヒートポンプ式ドラム式洗濯乾燥機(NA-LX127FL)は標準乾燥モードで800Wh・98分、省エネ乾燥モードで620Wh・165分という定格値が示されており、ヒーター式の浴室暖房乾燥機や独立型衣類乾燥機(消費電力1,200〜1,255W級)より低い電力で運転できる設計です(2026年8月時点・メーカー公式仕様)。

浴室暖房乾燥機で洗濯物を乾かすと、電気代は高くなりますか?

パナソニックの公式試算では、浴室暖房乾燥機(FY-13UG7E・1,250W)で約4kgの洗濯物を約3時間乾かすと約116.25円でした。同条件のドラム式洗濯乾燥機(ヒートポンプ式)約52円と比べて2倍以上、部屋干し+扇風機の約10円と比べて10倍以上です。緊急で乾かしたいときや浴室のカビ予防を兼ねたいときに絞って使うと、電気代を抑えやすくなります(2026年8月時点・同社公式試算)。

まとめ

衣類乾燥の電気代は、方式によって大きく変わります。パナソニックの公式試算では、同じ約4kgの洗濯物を乾かすのに、ヒートポンプ式のドラム式洗濯乾燥機で約52円、電気ヒーター式の浴室暖房乾燥機で約116.25円と、2倍以上の開きがありました。この差は、電気を直接熱に変えるヒーター式と、空気中の熱を汲み上げて使うヒートポンプ式という、仕組みそのものの違いから生まれています。独立型の衣類乾燥機(ヒーター式)は消費電力こそ公式仕様で確認できるものの、1回あたりの目安時間は非公表であるため、正確な総額比較にはメーカー公表値がある機種を確認するのが確実です。電気代を抑えたいなら、天気の良い日は自然乾燥を併用し、急ぎや悪天候のときだけ乾燥機・浴室暖房乾燥機に頼るという使い分けが現実的です。洗濯そのものの電気代は洗濯機の電気代は1回いくら? — 「洗濯のみ」と「乾燥あり」で電気代はここまで変わるで、エアコンにおけるヒートポンプの仕組みはエアコンの電気代は1時間いくら? — 消費電力×時間×31円の計算式で確かめるで整理しています。