布団に入ってすぐスイッチを入れた電気毛布、気づけば朝までつけっぱなしだった——そんな夜を過ごした人は多いはずです。エアコンのように部屋を暖めるわけではないのに、あの薄い毛布1枚でどれくらいの電気代がかかっているのか、実はあまり知られていません。

この記事の要点

  • 敷き毛布(約130×80cmタイプ)は強運転でも1時間約0.71円、一晩8時間つけっぱなしでも約5.7円でした(広電公式仕様・31円/kWhで算出。2026年10月時点)
  • 掛け(かけしき)毛布(約188×130cmタイプ)は強で一晩約7.7円。同じ8時間・同じ単価で比べると、こたつ(強)の一晩約42円より低く、掲載したエアコン暖房の定格値との比較では10分の1以下でした
  • 一晩の金額を左右するのは予熱よりも就寝中の設定です。敷きで「強で予熱60分+就寝8時間を弱」なら約1.2円、「同じ予熱+就寝8時間を中」なら約4.2円と、約3.5倍の差になります(広電公式仕様・31円/kWhの計算例)
  • パナソニック公式は、就寝時は目盛りを「切」または「弱」にするよう案内しています。電気代の安さだけで強のまま朝まで使うのは、メーカーが推奨する使い方ではありません(2026年10月時点・パナソニック公式)

電気毛布の消費電力の例 — 敷き・掛け、弱/中/強でどう違う?

電気毛布のカタログには「消費電力」(定格・最大値)と「消費電力量(1時間あたり)」の2つの数字が載っていることがあります。こたつと同じく、電気毛布もサーモスタットでヒーターの点灯・消灯を繰り返しながら温度を保つ仕組みのため、後者の「1時間あたり」の数字の方が実際の電気代に近い数値になります。

広電公式仕様を例にすると、敷き毛布(約130×80cm・消費電力40W)では、強運転の消費電力量が1時間あたり約23Wh、中運転が約14Wh、弱運転が約2Whでした。ひとまわり大きい掛け(かけしき)毛布(約188×130cm・消費電力55W)では、強約31Wh、中約18Wh、弱約3Whとなっています(いずれも2026年10月時点・広電公式仕様)。カタログの「消費電力40W」「55W」は定格の値で、1時間あたりの消費電力量(強で約23Wh・約31Wh)はそれより小さい数字になっています。

パナソニックの敷き毛布(約140×80cm・定格54W)でも強運転の1時間あたりの電気代は公式に約1.0円、山善の敷き毛布(140×80cm・50W)も強運転で約1.1円と公表しており(いずれも31円/kWh・2026年10月時点)、メーカーが違っても敷きタイプの強運転は1時間1円前後という水準でおおむね一致しています。

1時間・一晩8時間・1か月、電気毛布の電気代の実数表

広電公式仕様の消費電力量に、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWhを掛けて、1時間・一晩8時間・1か月(30日、毎晩8時間使用と仮定)の電気代を計算しました。単価は31円/kWh、時間は「1時間」「一晩8時間」「30日×8時間=240時間」で統一しています。

タイプ(メーカー公式仕様) 設定 消費電力量(1時間) 1時間の電気代 一晩8時間の電気代 1か月(30日)の電気代
敷き毛布(約130×80cm) 弱 約2Wh 約0.06円 約0.5円 約15円
敷き毛布(約130×80cm) 中 約14Wh 約0.43円 約3.5円 約104円
敷き毛布(約130×80cm) 強 約23Wh 約0.71円 約5.7円 約171円
掛け(かけしき)毛布(約188×130cm) 弱 約3Wh 約0.09円 約0.7円 約22円
掛け(かけしき)毛布(約188×130cm) 中 約18Wh 約0.56円 約4.5円 約134円
掛け(かけしき)毛布(約188×130cm) 強 約31Wh 約0.96円 約7.7円 約231円

(広電公式仕様の消費電力量(Wh)に31円/kWhを掛けた当サイトの計算例です。特定製品の推奨ではなく計算例です。2026年10月時点・広電公式仕様にもとづく)

一晩つけっぱなしにしても、強運転で敷き約5.7円・掛け約7.7円と、1か月毎晩使い続けても171円〜231円ほどにとどまります。弱運転であれば1か月でも15円〜22円ほどです。

予熱から就寝まで、使い方別の一晩の電気代

電気毛布は「布団に入る前に強で温めておき、就寝時に設定を下げる」使い方が公式に案内されています。パナソニック公式は就寝の15〜30分前から強で温め、就寝時は「切」または「弱」。広電公式は就寝の60分以上前に強で温め、就寝時は「中」以下です(2026年10月時点・各社公式)。以下は、予熱時間(30分・60分)を仮置きした計算例で、一晩(就寝8時間)の電気代を広電公式の消費電力量×31円/kWhで計算しています。広電の案内(就寝の60分以上前)に当たるのは60分予熱の行で、30分予熱の行は広電の推奨ではなく、予熱時間を短くした場合の仮置きです。

使い方(8時間就寝と仮定) 敷き(約130×80cm) 一晩 敷き 30日 掛け(約188×130cm) 一晩 掛け 30日
強で30分予熱 → 就寝時は弱 約0.9円 約26円 約1.2円 約37円
強で30分予熱 → 就寝時は切(予熱のみ) 約0.4円 約11円 約0.5円 約14円
強で60分予熱 → 就寝時は弱 約1.2円 約36円 約1.7円 約51円
強で60分予熱 → 就寝時は中 約4.2円 約126円 約5.4円 約163円
予熱なし → 就寝時は中のまま 約3.5円 約104円 約4.5円 約134円
予熱なし → 強のまま朝まで 約5.7円 約171円 約7.7円 約231円

(広電公式仕様の1時間あたり消費電力量(敷き 強23・中14・弱2Wh/掛け 強31・中18・弱3Wh)が各設定の時間中ずっと続いたと仮定し、31円/kWhを掛けた当サイトの計算例です。実額ではありません。予熱の立ち上がり時の消費は反映していません。パナソニック公式の「切または弱」・広電公式の「中以下」はメーカーの案内であり、特定製品の推奨ではありません。2026年10月時点・広電公式仕様にもとづく)

電気代の分かれ目 — 就寝中の設定が効き、予熱は小さい

  • 予熱を長くする費用は小さい:強で1時間予熱するときの消費電力量は、敷きで約23Wh(約0.71円)・掛けで約31Wh(約0.96円)です。予熱を30分から60分に延ばしても、増える金額は敷きで約0.36円・掛けで約0.48円です
  • 就寝中を弱から中に上げる費用は大きい:敷きの8時間は、弱で約16Wh、中で約112Wh。差は約96Wh、約3.0円(掛けは弱約24Wh・中約144Whで差約120Wh、約3.7円)です。予熱を60分延ばす費用の、敷きで約4.2倍・掛けで約3.9倍にあたります
  • 強で1時間予熱する分は、弱運転の約11.5時間分(敷き)に相当:23Wh÷2Wh。弱で就寝するなら、予熱の長さが一晩の合計を左右します

とはいえ、どの使い方でも一晩の差は数円です。電気代だけで設定を決めるより、次の節の安全面と、暑くて寝汗をかかないかといった使い心地で決める方が現実的です。パナソニック公式も、高温で使うと低温やけどや熱中症(脱水症状)のおそれがあるほか、就寝時は寝汗やのどの渇きの原因になり、睡眠の質を下げることがあると案内しています(2026年10月時点・パナソニック公式)。

状況別の選び方 — 予熱するか、就寝中も入れておくか

  • 布団に入る直前までは寒いが、入れば暖かく眠れる人:予熱だけして就寝時は「切」にする使い方が、最も費用が小さくなります(敷き毛布で、予熱を広電の案内どおり強で60分にすると約0.7円。就寝時に「切」にするのはパナソニックの案内)。ただし朝方に冷えて目が覚めやすい人には向かない可能性があります
  • 就寝中も暖かさがほしい人:予熱後に就寝時は弱、またはメーカーが案内する設定(パナソニックは「切」か「弱」、広電は「中」以下)に下げます。設定を上げて温度を補う代わりに、厚手の布団を使うなどして熱が逃げないようにするよう、パナソニック公式は案内しています
  • 乳幼児・高齢者・自分で温度調節が難しい人が使う場合:広電公式は、低温やけどに特に注意が必要な人として挙げています。電気代の大小に関係なく、取扱説明書の案内どおりに設定を下げる使い方が前提になります
  • 敷きか掛けか:パナソニック公式は、熱は下から上に伝わるため、体に掛けるより下に敷く方が効率的としています。表のとおり電気代の差も小さいので、どちらでも電気代を理由に選ぶ必要はありません

公式の例外 — 強・中・弱の目盛りがない機種、自動で温度を下げる機種

ここまでの数字は、強・中・弱の3段階があり、広電が1時間あたりの消費電力量を公表している機種をもとにしています。機種によっては前提が変わります。

  • 強と数字目盛りだけの機種:パナソニックの電気しき毛布DB-U12Tは、公式仕様ページに「強」は1時間約1.0円、「3」は約0.6円(31円/kWh・室温10℃)と記載されています。弱・中に当たる記載は仕様ページにありません。8時間では強約8.0円、「3」約4.8円という計算ですが、上の表の「弱」「中」にそのまま当てはめることはできません
  • 自動で温度を下げる機種:パナソニックの公式案内によると、快温モード搭載機(DB-BM1L)は、お休み前に通電して本体を温め、入床時に「おやすみスタート」を押すと温度が徐々に下がり、睡眠中は低い温度を保ちます。押さなかった場合は運転開始の1時間後に快温モードが自動で始まり、設定時刻の前から温度を上げて、30分後に自動で通電を停止します。この機種の電気代は上の表では計算できません(公式ページにこの機能の消費電力量の記載は確認できませんでした)
  • 予熱時間の案内が違う:パナソニックの15〜30分と広電の60分以上は、製品の違いによるもので、どちらかが誤りというわけではありません。使う製品の取扱説明書の記載に従ってください

こたつ・エアコン暖房と同じ条件で比べる

同じ31円/kWh、同じ「1時間」「一晩8時間」「1か月(30日)」で、こたつ・エアコン暖房の電気代と並べてみます。こたつとエアコンの数値はこたつの電気代は1時間いくら?・エアコンの電気代は1時間いくら?と同じメーカー公式仕様の消費電力(W・Wh)から、当サイトで計算し直したものです。

暖房器具(例) 1時間の電気代 一晩8時間の電気代 1か月(30日)の電気代
電気毛布 敷き(強) 約0.71円 約5.7円 約171円
電気毛布 掛け(強) 約0.96円 約7.7円 約231円
こたつ(80cm角・弱) 約2.5円 約20円 約595円
こたつ(80cm角・強) 約5.3円 約42円 約1,265円
エアコン暖房(6畳向けモデル・定格470W) 約14.6円 約117円 約3,497円
エアコン暖房(10畳向けモデル・定格870W) 約27.0円 約216円 約6,473円

(各消費電力(W)・消費電力量(Wh)から算出し、最後に31円/kWhを掛けて丸めた当サイトの計算例です。特定製品の推奨ではなく計算例です。表は各消費電力が一定で続いた場合の費用比較であり、同じ室温・同じ暖房効果での比較ではありません。エアコンの470W/870Wは定格の暖房消費電力で、パナソニック公式仕様では6畳向けモデルが125〜1,280W、10畳向けモデルが125〜1,390Wの範囲で変動します。2026年10月時点・各社公式仕様にもとづく)

こたつと同じく、電気毛布も体に直接触れて暖める方式のため、部屋全体を暖めるエアコン暖房より安く計算できます。こたつとの差は1時間あたり数倍程度ですが、エアコンの定格消費電力との比較では10分の1以下まで差が開きます。ただし上記のとおり、これは同じ室温・同じ暖かさでの比較ではない点に注意してください。

電気毛布は「部屋」ではなく「体」を暖める暖房

電気毛布が安く感じられる理由は、こたつと同じく暖める範囲が体の周りに限られているためです。裏返せば、電気毛布だけでは部屋の寒さそのものは解消されず、布団から出た瞬間の寒さは変わりません。同室に複数人がいて部屋全体を暖めたい場合や、起きて動き回る時間帯の暖房としては、電気毛布は向いていません。敷きタイプは体の下から、掛けタイプは体の上から暖める違いはありますが、電気代の桁はどちらも大きく変わらないため、好みの温まり方や併用する寝具で選んで差し支えありません。同じく体の近くを直接暖める暖房として、床に敷いて使うホットカーペットもあります。電気代の実額はホットカーペットの電気代は1時間いくら?で整理しています。

低温やけどと就寝時の使い方 — メーカー公式の注意点

電気代が安いからといって、強のまま一晩中使い続けることをメーカーは推奨していません。ただし「予熱の時間」と「就寝時の設定」はメーカーによって案内が異なります。パナソニック公式は「就寝15〜30分前位から」目盛りを「強」にして温め、「お休みの時には、目盛りを『切』または『弱』にしてください」と案内しています。広電公式は「就寝の60分以上前に」温度調節を「強」位置に合わせてふとんの中を温め、就寝時は「中以下のお好みの温度に調節してください」と案内しており、予熱時間・就寝時の設定ともパナソニックとは異なります(いずれも2026年10月時点・各社公式)。

低温やけどそのものについては、パナソニック公式が「比較的低い温度(40℃〜60℃)でも長時間皮膚の同じ箇所に触れていると、熱い・痛いなどの自覚症状がなくても、低温やけどをおこすおそれがあります」と注意しており、広電公式も、高温ではなく心地よく感じる温度でも長時間の接触で起こりうるとし、乳幼児・高齢者・皮膚感覚が弱い方などは温度を「低」に設定するといった注意を案内しています(いずれも2026年10月時点・各社公式)。丸めたり体に巻きつけて使わない、しわのまま使わず1日1回は広げ直すといった注意点も、パナソニック公式が低温やけど防止の一環として挙げています(2026年10月時点・パナソニック公式)。予熱時間や就寝時の設定は上記のとおりメーカー・機種で異なるため、実際に使う製品の取扱説明書の記載に従ってください。

電気代をさらに抑えるなら

電気毛布は主に夜間・就寝時にまとまった時間使う家電です。夜間の電力量料金が安くなる時間帯別プランとの相性を確認したい場合は、「夜間は電気代がおトク」のチラシを見かけたらで仕組みと向き不向きを整理しています。世帯全体の電気代の目安については家族が増えて電気代がぐっと上がった気がしたらで世帯人数別の平均と比べ方を確認できます。

同じ「布団を温める」用途の家電として、布団乾燥機の電気代は布団乾燥機の電気代は1回いくら?で整理しています。

よくある疑問

電気毛布を一晩(8時間)つけっぱなしにすると電気代はいくらですか?

メーカー公式仕様の例では、敷き毛布(約130×80cm)の強運転で一晩8時間約5.7円、掛け(かけしき)毛布(約188×130cm)の強運転で一晩約7.7円でした(広電公式仕様の消費電力量に、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWhを掛けた当サイトの計算例。2026年10月時点)。弱運転であれば敷きで約0.5円、掛けで約0.7円とさらに下がります。

電気毛布は一晩中つけっぱなしにしても大丈夫ですか?

電気代の面では、一晩つけっぱなしにしても数円〜十円未満で収まります。ただし安全面については、パナソニック公式が「お休みの時には、目盛りを『切』または『弱』にしてください」と案内しており、「高い温度で使用すると低温やけどや熱中症(脱水症状)をおこすおそれがあります」とも注意しています(2026年10月時点・パナソニック公式)。電気代の安さだけで強のまま朝まで使うことは、メーカーの推奨する使い方ではありません。

電気毛布の弱と強では電気代はどれくらい違いますか?

広電公式仕様の例では、敷き毛布で弱約0.06円/時間・強約0.71円/時間、掛け毛布で弱約0.09円/時間・強約0.96円/時間と、弱と強で10倍以上の差がありました(31円/kWhで算出。2026年10月時点・メーカー公式仕様)。実際の運転はサーモスタットで温度を保つ仕組みのため、設定を上げてもこの数字どおりに一定の電力を消費し続けるわけではありません。

電気毛布は予熱してから弱にすると、一晩の電気代はいくらですか?

広電公式仕様の消費電力量で計算すると、敷き毛布は強で60分予熱→就寝8時間を弱にして約1.2円、同じ予熱のあと中にすると約4.2円です。掛け毛布は弱で約1.7円、中で約5.4円でした(31円/kWhの当サイト計算例・実額ではありません。2026年10月時点)。予熱を長くする費用より、就寝中の設定の方が一晩の金額を左右します。

電気毛布の電気代を抑える方法のひとつ — 契約の見直し

電気毛布の電気代を気にする方の中には、使い方を変えるだけで十分という方も、今の契約で納得している方もいます。その場合は読み飛ばして問題ありません。電気の契約そのものを見直したい方に向けて、比較の候補を挙げておきます。

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まとめ

今回試算した広電の敷き・掛け2機種では、強運転でも1時間1円未満で、一晩8時間つけっぱなしにしても敷きで約5.7円・掛けで約7.7円でした。こたつ(強・約5.3円/時間)より低く、掲載したエアコン暖房の定格消費電力(6畳向け470W・10畳向け870W)との比較では10分の1以下という結果です。ただしこれは、こたつと同じく体の一部だけを暖める方式であることの裏返しで、部屋全体の寒さは解消されません。また就寝時の設定はメーカーによって案内が異なり、パナソニック公式は「切」または「弱」、広電公式は「中」以下を案内しています。電気代の安さだけで強のまま使い続けるのではなく、使用機種の取扱説明書に従って設定することが大切です。

ほかの家電の電気代も比べたい場合は、家電の電気代 早見表でまとめて確認できます。

体の一部だけを温める器具として、電気あんかの電気代は電気あんかの電気代は一晩いくら?で上限試算をまとめています。