床に脚を入れた瞬間のあのぬくもり——こたつはエアコンよりも電気代がかからない印象がありますが、実際に1時間あたりいくらなのか、意外と知られていません。メーカー公式仕様の数字と、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価31円/kWhから、実額と他の暖房器具との違いを確認します。
この記事の要点
- こたつ(80cm角タイプの例)の消費電力量は、メーカー公式仕様で弱約80Wh/h(約2.5円)、強約170Wh/h(約5.3円)でした(31円/kWhで算出。2026年8月時点・メーカー公式仕様)
- 1時間あたりの電気代を比べると、こたつ・電気毛布のように「体の一部」を暖める方式は数円台、エアコン暖房・電気ストーブのように「部屋」を暖める方式は十数円〜二十数円台と、方式によって大きな差があります(各社公式仕様にもとづく計算例)
- 資源エネルギー庁は、こたつが主に腰から下を暖める機器であり、上半身は寒くなりがちだと公式に説明しています。こたつ布団の二重使いや設定温度の見直しで、年間1,000〜1,500円程度の節約効果も公表されています(2026年8月時点・同庁公式)
こたつの消費電力の例 — 弱/強でどれくらい違う?
こたつのカタログには「消費電力」(定格・最大値)と「標準消費電力量(1時間あたり)」の2つの数字が載っていることがあります。後者は、サーモスタットでヒーターの点灯・消灯を繰り返しながら温度を保つ実際の運転を踏まえた、1時間あたりの平均的な電力量です。
メーカー公式仕様を例にすると、80cm角のリビングこたつ(消費電力510W)で、強運転が標準消費電力量約170Wh/h(電気代目安約5.3円)、弱運転が約80Wh/h(約2.5円)でした。こたつの底面積が一回り小さい75cm角タイプ(消費電力300W)では、強約160Wh/h(約5.0円)、弱約80Wh/h(約2.5円)となっています(いずれも31円/kWhで算出。特定製品の推奨ではなく、公式仕様にもとづく計算例です。2026年8月時点・メーカー公式仕様)。
暖房4種、1時間あたりの電気代を比べる
こたつの数字だけでは高いのか安いのか判断しづらいため、他の暖房器具のカタログ値の例と並べてみます。エアコン暖房の数値はエアコンの電気代は1時間いくら?と同じメーカー公式仕様(6畳向け・10畳向けモデル)を使用しています。
| 暖房器具(例) | 消費電力(カタログ値の例) | 1時間の電気代(31円/kWh換算) |
|---|---|---|
| こたつ(弱・80cm角タイプ) | 約80Wh/h | 約2.5円 |
| こたつ(強・80cm角タイプ) | 約170Wh/h | 約5.3円 |
| 電気毛布(敷きタイプ・強) | 50W(定格) | 約1.55円 |
| 電気ストーブ(弱・800/400W機) | 400W | 約12.4円 |
| エアコン暖房(6畳向けモデル) | 470W | 約15円 |
| 電気ストーブ(強・800/400W機) | 800W | 約24.8円 |
| エアコン暖房(10畳向けモデル) | 870W | 約27円 |
(いずれもカタログ掲載の消費電力(W)または標準消費電力量(Wh)に、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWhを掛けた当サイトの計算例です。特定製品の推奨ではなく計算例です。2026年8月時点・各社公式仕様にもとづく)
この表からわかるのは、こたつと電気毛布のように体に直接触れて暖める方式は1時間あたり数円で収まりやすく、エアコンや電気ストーブのように空間ごと暖める方式は一桁多い金額になりやすいという傾向です。次の章で、この差が生まれる理由を整理します。
こたつは「部屋全体」を暖める暖房ではない
こたつが安く感じられる一番の理由は、暖める範囲が限られているためです。資源エネルギー庁は、電気こたつの省エネレッスンとして「こたつはおもに腰から下を温める暖房機器なので、上半身は寒くなりがち」と説明し、「カーディガンなどを1枚多めに着込むことが温かさのポイント」だと案内しています。そのうえで「ストーブやエアコンなど、他の暖房機器と併用する場合は、控えめな温度設定を」とも述べています(2026年8月時点・同庁公式)。
つまりこたつは、単独で部屋全体を暖める前提の暖房器具ではなく、体感の暖かさを上着や他の暖房と組み合わせて補う使い方が公式にも想定されています。電気代の安さだけでこたつ一本に絞ると、部屋の寒さ自体は解消されない点は正直に押さえておく必要があります。
省エネの使い方 — エネ庁公表の効果
資源エネルギー庁は、こたつの使い方による年間の省エネ効果も公表しています。年間の削減電力量に31円/kWhを掛けて、目安の節約額をまとめました(2026年8月時点・同庁公式にもとづく計算)。
| 行動 | 年間の削減電力量 | 目安の節約額 |
|---|---|---|
| こたつ布団に上掛けと敷布団をあわせて使う | 32.48kWh | 約1,010円 |
| 設定温度を「強」→「中」にする | 48.95kWh | 約1,520円 |
いずれも1日5時間使用した場合の比較にもとづく数値です(2026年8月時点・資源エネルギー庁公式)。上掛けと敷布団を併用すると熱が逃げにくくなり、設定を「強」のままにしなくても暖かさを保ちやすくなるため、両方を組み合わせるとより効果的です。世帯全体の電気代の目安については家族が増えて電気代がぐっと上がった気がしたらで整理しています。
こたつとエアコンをどう使い分けるか、特に短時間の外出時にエアコンをつけっぱなしにすべきかどうかは、エアコンは「つけっぱなし」と「こまめに消す」、どちらが得?で別途整理しています。
よくある疑問
こたつの電気代は1時間あたりいくらですか?
メーカー公式仕様の例では、リビングこたつ(80cm角タイプ)で弱運転が1時間あたり約80Wh(約2.5円)、強運転が約170Wh(約5.3円)でした(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWhで算出。2026年8月時点・メーカー公式仕様)。こたつは弱・強とも温度をサーモスタットで保つ仕組みのため、常に定格消費電力のまま動き続けるわけではありません。
こたつとエアコン暖房、電気代はどちらが安いですか?
1時間あたりの電気代だけを比べると、こたつ(弱・強とも1時間5円前後まで)の方がエアコン暖房(6畳向けモデルの例で約15円、10畳向けモデルの例で約27円)より安く計算できます(2026年8月時点・各社公式仕様にもとづく計算例)。ただしこたつは体の一部を、エアコンは部屋全体を暖める方式のため、単純に安さだけで比較できるものではありません。
こたつだけで冬を乗り切ることはできますか?
こたつは主に腰から下を温める暖房機器のため、上半身は寒く感じやすいとされています。資源エネルギー庁は、カーディガンなど1枚多めに着込むこと、ストーブやエアコンなど他の暖房機器と併用する場合は控えめな温度設定にすることを案内しています(2026年8月時点・同庁公式)。こたつ単独よりも、他の暖房と組み合わせて使うことが前提の暖房器具といえます。
まとめ
こたつの電気代は、メーカー公式仕様の例で1時間あたり弱約2.5円・強約5.3円と、エアコン暖房や電気ストーブに比べて一桁安く計算できます。ただしこれは、こたつが体の一部だけを暖める方式であることの裏返しでもあります。資源エネルギー庁も、こたつは上半身が寒くなりがちで、他の暖房機器との併用を前提とした案内をしています。電気代の安さと部屋全体の暖かさはトレードオフの関係にあるため、上着を1枚足す、布団を二重にするといった工夫と組み合わせて使うのが現実的です。




