こたつは「エアコンより安い」と言われますが、1時間いくらかを調べると、メーカーが載せる数字には種類があります。カタログの「消費電力」と、その別欄の「標準消費電力量」では、測り方が違います。ここでは、公式仕様の値と全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWhから弱・強の電気代を出したうえで、その値がどんな条件の平均なのか、条件が変わると幅がどちらへ動くのかを整理します。
この記事の要点
- JOT-K10575 のヒーターユニット MSU-501H(510W)を80cm角のこたつで試験した標準消費電力量は弱約80Wh/h・強約170Wh/hで、31円/kWhなら弱約2.5円・強約5.3円です(2026年10月時点・メーカー公式仕様)
- この値は「室温20℃・厚さ5cmのふとん・人が入らない状態で5時間運転した平均」です。これとは別に、消費電力510Wが続くと仮定した計算例は約15.8円/hです。2つは独立した計算例で、実際の電気代は部屋・ふとん・使い方で変わります(当サイトの計算例)
- こたつの標準消費電力量とエアコンの定格消費電力は条件が違うため、並べて安い・高いは決められません。同じ「定格が続くと仮定した計算例」にそろえると、こたつ約15.8円/h・6畳向けエアコン約14.6円/hと同水準です
こたつの消費電力の例 — 弱/強でどれくらい違う?
こたつのカタログには「消費電力」(定格・最大値)と「標準消費電力量(1時間あたり)」の2つの数字が載っていることがあります。後者は、サーモスタットでヒーターの点灯・消灯を繰り返しながら温度を保つ運転の、1時間あたりの平均的な電力量です。
メーカー公式仕様(MAXZEN リビングこたつ JOT-K10575)では、色(型番)ごとにヒーターユニットが分かれ、仕様ページに2種類が載っています。MSU-501H(510W、対象はJOT-K10575-MA・MB・NA)を80cm角のこたつで試験した値は、強約170Wh/h(電気代目安約5.3円)、弱約80Wh/h(約2.5円)でした。MS-303H(300W、対象はJOT-K10575-VW・WH)を75cm角のこたつで試験した値は、強約160Wh/h、弱約80Wh/hです。31円/kWhで計算すると強約5.0円、弱約2.5円です。80cm角・75cm角は、いずれも試験に使ったこたつの寸法で、製品のサイズ表記ではありません(特定製品の推奨ではなく、公式仕様にもとづく計算例です。2026年10月時点・メーカー公式仕様)。
なお、同じ仕様ページのMS-303H(75cm角で試験)の電気代目安欄(強約4.3円・弱約2.2円)はWh×31円と一致しないため、本記事では標準消費電力量に31円を掛けた値を使っています。
この標準消費電力量は、どんな条件の平均か
メーカーの仕様ページによると、この値は次の条件の平均です(2026年10月時点・メーカー公式仕様)。
- 室温20℃
- 縦80cm×横80cm×高さ34cmのこたつ(75cm角のヒーターユニットは縦75cm×横75cm×高さ34cm)に、厚さ5cmのふとんをかけた状態
- 人が入らない状態で、5時間運転した平均値
つまり、脚を入れて人の熱や出入りがある状態、室温がもっと低い部屋、ふとんが薄い場合の値ではありません。サーモスタットで温度を保つ仕組みのため、試験より冷える条件では、ヒーターが点いている時間が長くなる方向に働くと考えられます。ただし、どれだけ増えるかを示す公式資料は確認できていません。
試験条件での平均消費電力の割合
標準消費電力量(Wh/h)を消費電力(W)で割ると、試験条件でヒーターが平均してどれだけの力で動いたかの目安になります(当サイトの計算例)。
| こたつ(例) | 運転 | 標準消費電力量 | 消費電力 | 平均の割合 |
|---|---|---|---|---|
| MSU-501H(80cm角で試験) | 強 | 約170Wh/h | 510W | 約33% |
| MSU-501H(80cm角で試験) | 弱 | 約80Wh/h | 510W | 約16% |
| MS-303H(75cm角で試験) | 強 | 約160Wh/h | 300W | 約53% |
| MS-303H(75cm角で試験) | 弱 | 約80Wh/h | 300W | 約27% |
同じ「強」でも、ヒーターユニットによってこの割合は大きく違います。1時間約5円という数字は「こたつ全般」ではなく、そのヒーターユニットのその試験条件の値です。
標準試験条件の計算例と、定格が続くと仮定した計算例
標準消費電力量による電気代(標準試験条件の計算例)と、消費電力が続くと仮定した計算例を、それぞれ独立に示します。前者は下限、後者は上限という位置づけではなく、公式もこの範囲に実際の費用が収まるとは示していません。実際の費用は環境によって変わります。
| MSU-501H(例) | 標準消費電力量(80cm角・標準試験条件の平均) | 定格510Wが続くと仮定した計算例 |
|---|---|---|
| 強・1時間 | 約5.3円 | 約15.8円 |
| 弱・1時間 | 約2.5円 | 弱だけの定格は仕様に記載なし |
510Wはヒーターユニット全体の消費電力で、弱運転だけの定格は仕様ページに記載がないため、弱の定格計算例は示せません。
使い方で、どちらに寄るか
次の分け方は、仕様ページの測定条件と、資源エネルギー庁の公表内容から読み取れる方向性です。金額は断定できません。
- 上掛けと敷布団を使い、弱〜中で足りる人: 試験条件(厚さ5cmのふとん・人なし)に近い使い方なら、標準消費電力量の値が目安になります。資源エネルギー庁は、上掛けと敷布団の併用で年間32.48kWh(約1,010円)の省エネになると公表しています
- 部屋が寒い、ふとんが薄い、強で長く使う人: 試験条件より冷えやすい使い方のため、標準消費電力量より多くなる可能性があります。どれだけ増えるかは公式資料で確認できていません。別の計算例として、消費電力が続くと仮定した場合(強約15.8円/h)があります
- エアコンなど他の暖房と併用する人: 資源エネルギー庁は、他の暖房機器と併用する場合は控えめな温度設定を案内しています
時間をかけたときの計算例
試験値(5時間運転の平均)を、そのまま時間倍した計算例です。試験が5時間運転のため、それより長い時間は試験条件の延長にすぎず、実額ではありません。
| MSU-501H(80cm角で試験・例) | 1日5時間(試験条件に一致) | 1日5時間×30日 |
|---|---|---|
| 強(試験値の平均が続くと仮定) | 約26.4円 | 約790円 |
| 弱(同) | 約12.4円 | 約372円 |
| 強(定格510Wが続くと仮定した計算例) | 約79.1円 | 約2,372円 |
(標準消費電力量×時間×31円/kWh、または510W×5時間×31円/kWh。いずれも当サイトの計算例で、実際の請求額ではありません。2026年10月時点)
エアコンと並べるときの注意 — 同じ土俵にそろえられるもの・そろえられないもの
こたつの標準消費電力量とエアコンの定格を一つの表に並べて「一桁安い」と読むのは、条件が違うため正確ではありません。こたつは「室温20℃・人なし・5時間運転の平均」、エアコンの暖房定格は「定格条件で運転したときの消費電力」です。そろえて比べられる範囲を次に整理します。
| 比べ方 | こたつ(MSU-501H・強) | 6畳向けエアコン(暖房) | 10畳向けエアコン(暖房) |
|---|---|---|---|
| 定格が続くと仮定した計算例(1時間) | 510W→約15.8円 | 470W→約14.6円 | 870W→約27.0円 |
| 試験・実測の平均値(1時間) | 約5.3円(標準消費電力量) | 確認したパナソニックのページに1時間あたりの平均値の記載なし | 同左 |
(消費電力×31円/kWhの当サイトの計算例。特定製品の推奨ではありません。エアコンはパナソニックCS-224DFL・CS-284DFLの暖房消費電力(定格)。2026年10月時点・各社公式仕様)
読み取れることは次の2点です。
- 定格同士なら、こたつ(ヒーターユニット510W)と6畳向けエアコン(470W)は同じくらいの水準で、こたつだけが一桁安いとは言えません。エアコンの暖房は運転中に消費電力が変わり、確認したページでは最小125Wから最大1280W(6畳向け)まで幅があります
- エアコンの1時間あたりの平均値は、確認したパナソニックのページには載っていません(暖房の期間消費電力量492kWhの記載はありますが、1時間あたりの値には換算していません)。そのため、試験条件の平均同士で比べる材料が足りず、どちらが安いかの結論は出しません
実際の費用は、部屋の広さ、断熱、外気温、何人で使うかなどで変わります。ほかの暖房器具との位置づけは、暖房器具の電気代を比べるで、方式の違い(体を暖める・部屋を暖める)を軸に整理しています(本記事の計算例と同じ条件での費用比較ではありません)。電気毛布・ホットカーペット・オイルヒーター・セラミックファンヒーター(電気ストーブ)それぞれの設定別・使用条件別の計算例は、電気毛布の電気代は一晩いくら?・ホットカーペットの電気代は1時間いくら?・オイルヒーターの電気代は1か月いくら?・セラミックファンヒーターの電気代は1時間いくら?で計算しています。エアコンの計算式はエアコンの電気代は1時間いくら?にあります。
こたつは「部屋全体」を暖める暖房ではない
こたつは暖める範囲が限られた暖房です。資源エネルギー庁は、電気こたつの省エネレッスンとして「こたつはおもに腰から下を温める暖房機器なので、上半身は寒くなりがち」と説明し、「カーディガンなどを1枚多めに着込むことが温かさのポイント」だと案内しています。そのうえで「ストーブやエアコンなど、他の暖房機器と併用する場合は、控えめな温度設定を」とも述べています(2026年10月時点・同庁公式)。
つまりこたつは、単独で部屋全体を暖める前提ではなく、上着や他の暖房と組み合わせる使い方が公式にも想定されています。電気代だけでこたつ一本に絞ると、部屋の寒さ自体は解消されない点は押さえておく必要があります。
省エネの使い方 — エネ庁公表の効果
資源エネルギー庁は、こたつの使い方による年間の省エネ効果も公表しています。年間の削減電力量に31円/kWhを掛けて、目安の節約額をまとめました(2026年10月時点・同庁公式にもとづく計算)。
| 行動 | 年間の削減電力量 | 目安の節約額 |
|---|---|---|
| こたつ布団に上掛けと敷布団をあわせて使う | 32.48kWh | 約1,010円 |
| 設定温度を「強」→「中」にする | 48.95kWh | 約1,520円 |
いずれも1日5時間使用した場合の比較にもとづく数値です(2026年10月時点・資源エネルギー庁公式)。この2つは、エアコンの設定温度を下げる省エネ効果(外気温6℃・1日9時間など別の条件)とは条件が違うため、大小を比べていません。世帯全体の電気代の目安は家族が増えて電気代がぐっと上がった気がしたらで整理しています。
こたつとエアコンをどう使い分けるか、特に短時間の外出時にエアコンをつけっぱなしにすべきかどうかは、エアコンは「つけっぱなし」と「こまめに消す」、どちらが得?で別途整理しています。
よくある疑問
こたつの電気代は1時間あたりいくらですか?
メーカー公式仕様の例では、リビングこたつ JOT-K10575 のヒーターユニット MSU-501H(510W)を80cm角のこたつで試験した標準消費電力量が弱約80Wh/h・強約170Wh/hで、単価31円/kWhで計算すると弱約2.5円・強約5.3円です(2026年10月時点)。ただしこの値は室温20℃・人が入らない状態で5時間運転した平均値で、使う環境によって変わります。これとは別に、消費電力510Wが続くと仮定した計算例は約15.8円/hです(両者は独立した計算例で、実際の費用の下限・上限を示すものではありません)。
こたつとエアコン暖房、電気代はどちらが安いですか?
一概には言えません。こたつの標準消費電力量(試験条件の平均値)とエアコンの定格消費電力(暖房時の定格値)は測り方が違い、並べて大小を決められないためです。同じ「定格が続くと仮定した計算例」にそろえると、こたつ(ヒーターユニット510W)は約15.8円/h、6畳向けエアコン(470W)は約14.6円/hで、同じくらいの水準になります(2026年10月時点・各社公式仕様にもとづく計算例)。実際の費用は部屋の広さ・断熱・外気温・設定で変わります。
こたつの電気代を抑えるには、何を変えると効果が公表されていますか?
資源エネルギー庁は、1日5時間使用した場合の比較として、こたつ布団に上掛けと敷布団を併用すると年間32.48kWh(31円/kWhで約1,010円)、温度調節を「強」から「中」にすると年間48.95kWh(同約1,520円)の省エネになると公表しています(2026年10月時点・同庁公式)。
電気代そのものを下げたいなら
こたつの使い方の工夫とは別に、電気代の単価そのものを下げたい場合は、電力会社やプランを比べる方法もあります。今の料金に納得している方は、読み飛ばして問題ありません。
まとめ
こたつの電気代は、メーカー公式仕様の標準消費電力量で、JOT-K10575 のヒーターユニット MSU-501H(80cm角のこたつで試験)の例が1時間あたり弱約2.5円・強約5.3円です。ただしこれは「室温20℃・人が入らない状態で5時間運転した平均」です。これとは別に、消費電力510Wが続くと仮定した計算例は約15.8円/hで、2つは独立した計算例です。実際の電気代は、ふとんの厚さや部屋の寒さなど条件によって変わります。エアコンの定格と並べても、定格が続くと仮定した計算例ではこたつ約15.8円/h・6畳向けエアコン約14.6円/hで同水準のため、「こたつの方が安い」とは一概に言えません。どちらが安いかより、足元を暖めるこたつと部屋全体を暖めるエアコンのどちらが必要かで選ぶ方が実用的です。
ほかの家電の電気代も比べたい場合は、家電の電気代 早見表でまとめて確認できます。




