床に座り込み、ホットカーペットのスイッチを入れる。すぐそばのこたつにも足を入れれば、指先までじんわり暖まってくる。エアコンより電気代は安そうだと感じつつも、カーペットとこたつを同時につけたとき、いくらになるのかは意外と知られていません。2畳なら1時間あたり中約7.1円・高約10.4円、1日8時間×30日で月約1,704〜2,496円という計算です(24時間連続での試算は載せていません)。
この記事では、広さ別の電気代に加え、「カーペットの公表値とこたつの公表値を足せば併用の電気代になるのか」を、足せる範囲と足せない範囲に分けて整理します。
この記事の要点
- パナソニック公式仕様の電気カーペット(NKシリーズ)で計算すると、1時間あたりの電気代は1畳が中約3.7円・高約5.1円、2畳が中約7.1円・高約10.4円、3畳が中約10.4円・高約14.6円でした(31円/kWhで算出。公式は室温15℃の値。2026年10月時点・メーカー公式仕様)
- こたつ併用の「約12.4円/h」(2畳中+こたつ強)は、室温15℃のカーペットの値と室温20℃・人なしのこたつの値を足しただけで、併用時の電気代として公表された数字ではありません。定格が続くと仮定した計算例(490W+510W)は約31.0円/hで、この2つの間に実際の費用が収まるかは公式資料で確認できていません
- 型番による定格消費電力(W)はメーカーごとに違って見えますが(広電200W・パナソニック230W・山善520W等)、31円/kWhで計算し直した1時間あたりの電気代はどのメーカーも近い範囲に収まりました
ホットカーペットの消費電力 — 1畳・2畳・3畳でどれだけ違う?
ホットカーペットのカタログには「消費電力(定格)」と、実際の運転を踏まえた「1時間の標準電気料金」の2つの数字が載っています。後者はサーモスタットでヒーターの点灯・消灯を繰り返しながら温度を保つ、実運転に近い数字です(パナソニック公式の仕様ページでは、室温15℃の場合の値と明記されています)。
パナソニック公式仕様のNKシリーズ(1畳・2畳・3畳が同じ仕様体系で並ぶモデル)を例に、高・中設定それぞれの1時間・8時間・1か月(1日8時間×30日使用した場合)の電気代を計算しました(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWhで算出。特定製品の推奨ではなく、公式仕様にもとづく計算例です)。
| 畳数(型番) | 消費電力(定格) | 設定 | 1時間 | 8時間 | 1か月(8時間×30日) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1畳(DC-1NK) | 230W | 高 | 約5.1円 | 約40.8円 | 約1,224円 |
| 1畳(DC-1NK) | 230W | 中 | 約3.7円 | 約29.6円 | 約888円 |
| 2畳(DC-2NK) | 490W | 高 | 約10.4円 | 約83.2円 | 約2,496円 |
| 2畳(DC-2NK) | 490W | 中 | 約7.1円 | 約56.8円 | 約1,704円 |
| 3畳(DC-3NK) | 710W | 高 | 約14.6円 | 約116.8円 | 約3,504円 |
| 3畳(DC-3NK) | 710W | 中 | 約10.4円 | 約83.2円 | 約2,496円 |
(パナソニック公式が室温15℃を想定条件として公表する「1時間の標準電気料金」を8倍・240倍(1日8時間×30日)した当サイトの計算です。2026年10月時点・メーカー公式仕様にもとづく計算例)
パナソニック公式の電気代は高・中の2条件で掲載されています(操作できる温度設定の段階数とは別の、仕様表への掲載区分です)。定格消費電力は1畳(230W)から2畳(490W)で約2.1倍、2畳から3畳(710W)で約1.4倍になり、部屋の広さに対して大きすぎるサイズを選ぶと、その分電気代も上がる計算になります。一方、同じ畳数で高から中に下げると、1時間あたり約27〜32%下がります(1畳5.1円→3.7円、2畳10.4円→7.1円、3畳14.6円→10.4円)。
広さと設定、どちらが効くか
2畳・高(10.4円/h)と、3畳・中(10.4円/h)は同じ金額です。つまり「3畳を中で使う」費用は「2畳を高で使う」費用と同じになります。座る人数が1〜2人で2畳に収まるのに3畳を敷くと、3畳を中に下げると2畳の高と同額になり、2畳の中(7.1円/h)よりは高くなる計算です。一方、3畳が必要な広さで使うなら、高から中に下げるだけで1時間あたり約4.2円、1日8時間×30日で約1,008円下がります(14.6−10.4=4.2円、×8時間×30日)。
メーカーによって数字は変わる — 山善・広電の仕様と比べる
同じ畳数でも、メーカーが違えば定格消費電力(W)の表示は変わります。31円/kWhで計算し直した1時間あたりの電気代で比べると、次のように近い範囲に収まります(各社公式仕様の消費電力量に当サイトが31円/kWhを掛けた計算例。各社サイト上の電気代表記は前提単価が異なる場合があるため、Wh値から統一単価で計算し直しています)。
| 畳数 | メーカー・型番(定格W) | 中の電気代 | 高(強)の電気代 |
|---|---|---|---|
| 1畳 | パナソニックDC-1NK(230W) | 約3.7円 | 約5.1円 |
| 1畳 | 広電VWU101H(200W) | 約3.6円 | 約5.1円 |
| 2畳 | パナソニックDC-2NK(490W) | 約7.1円 | 約10.4円 |
| 2畳 | 山善SUB-202(520W) | 約7.1円 | 約10.2円 |
| 3畳 | パナソニックDC-3NK(710W) | 約10.4円 | 約14.6円 |
| 3畳 | 山善SUB-302(710W) | 約10.5円 | 約14.3円 |
(パナソニック・広電は2026年10月時点で公式ページを確認。山善の2ページは2026年10月22日時点でサーバーエラーにより再確認できておらず、2026年9月時点の確認値です。広電の測定条件は公式ページに明記がなく、室温15℃の前提かどうかは確認できていません)
定格消費電力の見た目の数字に差があっても、掲載された公表値を31円/kWhにそろえた計算では近い金額になります。ただし測定条件は各社で統一できていないため、実際の電気代が同じ範囲に収まるとまでは言えません。
こたつ併用・エアコン代替で比べる
こたつの下にホットカーペットを敷いて併用する使い方は珍しくありません。ここでは、併用の電気代を出す方法を2つに分け、どこまで言えるかを整理します。使うのは、こたつの電気代は1時間いくら?で使ったMAXZENのリビングこたつ(80cm角タイプ。ヒーターユニット510W、標準消費電力量による強約5.3円/h・弱約2.5円/h)と、エアコンの電気代は1時間いくら?で使った6畳向けモデル(パナソニックCS-224DFL、暖房消費電力470W)の数字です。
方法1: 公表された標準値を足す(単純合算)
カーペットの標準電気料金とこたつの標準消費電力量による電気代を足した計算例です。
| カーペット(型番) | こたつ弱 | こたつ強 |
|---|---|---|
| 1畳 中(DC-1NK) | 約6.2円/h | 約9.0円/h |
| 1畳 高 | 約7.6円/h | 約10.4円/h |
| 2畳 中(DC-2NK) | 約9.6円/h | 約12.4円/h |
| 2畳 高 | 約12.9円/h | 約15.7円/h |
| 3畳 中(DC-3NK) | 約12.9円/h | 約15.7円/h |
| 3畳 高 | 約17.1円/h | 約19.9円/h |
(カーペットの値は室温15℃、こたつの値は室温20℃・厚さ5cmのふとん・人が入らない状態で5時間運転した平均。それぞれ別々に測った公表値を足した当サイトの計算例で、併用時にメーカーが測った値ではありません。2026年10月時点)
この足し算には3つの前提があります。
- 室温の条件が違う: カーペットは室温15℃、こたつは室温20℃の値です。併用して室内が暖まれば、どちらの前提とも違う状態になります
- カーペットの上のこたつは、保温と放熱の条件が変わる: こたつ布団の中が暖まる、人が脚を入れるなど、単独試験にない状態になります。ヒーターの点灯時間がどちらに動くかは、公式資料で確認できていません。サーモスタットで保つ仕組みのため、点灯時間が短くなる方向にも長くなる方向にも動き得ます
- こたつの値は人が入らない状態: こたつ側も、人が入った場合の値は公表されていません
そのため、約12.4円/h(2畳中+こたつ強)は「公表値の足し算としての目安」であり、併用時の電気代の予測ではありません。
方法2: 定格が続くと仮定した計算例
どちらも定格消費電力が続くと仮定すると、条件がそろった計算になります。実際には温度制御で点灯と消灯を繰り返すため、この金額がそのままかかるわけではありません。
| 暖房の組み合わせ | 合計W | 1時間 | 8時間 | 1か月(8時間×30日) |
|---|---|---|---|---|
| エアコン暖房(6畳向けモデルの例) | 470W | 約14.6円 | 約117円 | 約3,497円 |
| 1畳カーペット+こたつ | 740W | 約22.9円 | 約184円 | 約5,506円 |
| 2畳カーペット+こたつ | 1,000W | 約31.0円 | 約248円 | 約7,440円 |
| 3畳カーペット+こたつ | 1,220W | 約37.8円 | 約303円 | 約9,077円 |
(定格消費電力×31円/kWhの当サイトの計算例。「定格が続くと仮定した計算例」であり、実際の請求額ではありません。エアコンの470Wは定格の暖房消費電力で、公式仕様では125〜1,280Wの範囲で変動します。2026年10月時点)
読み取れること
- 定格どうしで見ると、カーペット+こたつはエアコン(470W)より高い計算です。 1畳との組み合わせ(740W)でも約1.6倍、2畳(1,000W)で約2.1倍になります。「エアコンの代わりにカーペット+こたつなら安い」とは、この尺度では言えません
- 標準値の合算(方法1)とエアコンは、並べて大小を決められません。 エアコンの暖房について、1時間あたりの平均値は確認したパナソニックのページに載っていません。標準値の合算と定格のエアコンを比べると、条件の違う数字を並べることになります
- 実際の費用は、方法1と方法2の間に収まると公式が示しているわけではありません。 目安の幅として2つを並べているだけで、併用時の温度制御による増減は確認できていません
状況別の分かれ方
- カーペットとこたつを両方つけ続ける人: 2畳中+こたつ強の単純合算は1日8時間×30日で約2,976円、こたつを弱にすると約2,304円です(9.6円×8時間×30日)。差は約672円で、こたつを強にする必要があるかが分かれ目です
- こたつは短時間、カーペットは長時間の人: たとえばカーペット2畳中を1日8時間、こたつ強を1日3時間つける場合の単純合算は、(7.1円×8時間+5.3円×3時間)×30日で約2,181円です。こたつもカーペットも同じ8時間なら約2,976円なので、こたつの時間を5時間減らすと約795円下がります
- 座る範囲が一部だけの人: 面積切換機能で片面だけを使う方法があります(次の節)。ただし2面切換モデルでの削減率は公式に数値化されていません
- 部屋全体の寒さが気になる人、複数人で長くいる人: カーペット+こたつだけで済ませる使い方は向かない可能性があります。ホットカーペットとこたつは体の一部を、エアコンは部屋全体を暖める方式のため、電気代だけで置き換えられるものではありません
同じように体に直接触れて暖める暖房として、電気毛布もあります。電気代は電気毛布の電気代は一晩いくら?で計算しています。
参考: エアコンの設定を1℃下げる効果
エアコンを使いながらホットカーペット・こたつを追加する場合、エアコンの設定温度を少し下げる工夫もあわせて検討されることがあります。資源エネルギー庁の省エネポータルサイトには、暖房の設定温度を1℃下げた場合の年間の省エネ効果が掲載されています。ただし、このページは2026年10月22日時点でアクセスできず(403エラー)、条件と数値を再確認できていないため、本記事では金額を示しません。
なお、年間(暖房期間)の削減例と、上のホットカーペット+こたつの1か月(8時間×30日)の試算は、比較する期間が異なります。期間をそろえないまま差し引くと実態と合わない結論になるため、追加費用との差し引きは行いません。
省エネの使い方 — パナソニック公式のポイント
パナソニック公式は、電気カーペットの省エネになる使い方として次のような点を案内しています(2026年10月時点・同社公式FAQ)。
- 石やコンクリートの床は熱が奪われるため、別売のフローリング用シートなどで熱を逃がさないようにする
- 面積切換機能で使わない範囲を通電しない
- 「温度ひかえめ」で、使わない場所の表面温度を設定より約3〜6℃下げる
- 「省エネモード」で、室温センサーが設定温度と室温に応じて表面温度を約2〜6℃下げる(エアコンや温風機との併用、春先や秋口に効果的と案内。最低表面温度は25℃を下回りません)
- 「電力1/2・1/3モード」は面を分けて交互に通電し、ブレーカーにかかる電流を抑える機能です。通電時間の合計は変わらないため、電気代は通常モードと同じです。こたつなど他の電気製品とブレーカーを分け合う家庭では、電気代を下げる機能ではない点に注意が必要です
面積切換の効果は機種によって条件が異なります。パナソニック公式は面積切換について「1面のみ使用時は電気代が全面使用時の最大約1/3になる」と案内していますが、この数値は「最大約」の値で、本記事で使う2面切換の機種に当てはまるかは確認できていません。今回の比較で使ったDC-2NK/DC-3NKは「2面切換」(パナソニック公式の仕様ページ・比較表)で、片方だけを使った場合の削減率は数値化されていません。2つの区画がほぼ同じ大きさだと仮定すると、片面使用時の消費電力は全面使用時のおおむね半分(1/2)になると考えられます(メーカー公式の実測値ではなく当サイトの仮定)。この仮定で計算すると、2畳・中設定(全面約7.1円/h)を片面だけ使った場合は約3.6円/hという目安になります。
こたつやカーペットのように長時間つけたまま使う暖房器具は、夜間の使用時間帯によっては「夜間は電気代がおトク」のチラシを見かけたら — 時間帯別プランの仕組みと向き不向きで紹介している時間帯別プランとの相性も確認しておくと合理的です。
よくある疑問
ホットカーペットの電気代は1時間あたりいくらですか?
メーカー公式仕様の例では、2畳タイプ(パナソニックDC-2NK)で中設定が1時間あたり約7.1円、高設定が約10.4円でした。1畳タイプ(同DC-1NK)は中約3.7円・高約5.1円、3畳タイプ(同DC-3NK)は中約10.4円・高約14.6円です(31円/kWhで算出。公式の値は室温15℃の場合。2026年10月時点・メーカー公式仕様)。同じ畳数でも型番によって定格消費電力(W)の表示は異なりますが、31円/kWhで計算し直した1時間あたりの電気代は各社近い範囲に収まります。
こたつと併用すると電気代はいくらになりますか?
2畳のホットカーペット(中・約7.1円/h)とこたつ(強・約5.3円/h)の公表値を足すと1時間約12.4円、1日8時間×30日で約2,976円です。ただしこれは、室温15℃でのカーペットの値と、室温20℃・人が入らない状態でのこたつの値を単純に足したもので、併用時の電気代をメーカーが公表しているわけではありません。定格が続くと仮定した計算例(490W+510W)では1時間約31.0円で、実際の費用がこの範囲に収まると公式が示しているわけでもありません。併用時の温度制御による増減は、公式資料で確認できていません(2026年10月時点・当サイトの計算例)。
エアコン暖房の代わりにホットカーペット+こたつを使うと安くなりますか?
安くなるとは言えません。定格が続くと仮定した計算例では、6畳向けエアコン(470W)が約14.6円/hなのに対し、2畳カーペット+こたつは約31.0円/h、3畳カーペット+こたつは約37.8円/hです。公表されている標準値(カーペットは室温15℃、こたつは室温20℃・人なし)の合算は、エアコン側に1時間あたりの平均値の公表が見当たらないため、同じ条件では比べられません。またカーペットとこたつは体の一部を、エアコンは部屋全体を暖める方式です(2026年10月時点・各社公式仕様にもとづく当サイトの計算例)。
ホットカーペットの電気代は、広さと設定のどちらで変わりますか?
公式仕様の例では、畳数による差が大きく(定格は1畳→2畳で約2.1倍、2畳→3畳で約1.4倍)、同じ畳数で高→中にすると約3割下がります(2畳で10.4円→7.1円、約32%減)。掲載した公表値を31円/kWhにそろえた計算では、メーカーの違いによる差は小さい範囲ですが、メーカー間の測定条件は統一できていません。2面切換モデルで片面だけを使う場合の削減率は、メーカー公式には数値化されていません(2026年10月時点)。
ホットカーペットの電気代を抑える方法のひとつ — 契約の見直し
ホットカーペットの電気代を気にする方の中には、使い方を変えるだけで十分という方も、今の契約で納得している方もいます。その場合は読み飛ばして問題ありません。電気の契約そのものを見直したい方に向けて、比較の候補を挙げておきます。
まとめ
ホットカーペットの電気代は、パナソニック公式仕様の例で1畳中約3.7円〜3畳高約14.6円(1時間あたり)と、畳数と設定によって幅があります。2畳・高と3畳・中は同じ約10.4円/hで、設定より畳数の選び方が先に効きます。山善・広電の仕様を同じ31円/kWhで計算し直しても近い数字になったことから、メーカーによる見た目の消費電力の違いより、畳数と設定(高・中)の方が電気代への影響は大きいといえます。
こたつと併用する場合、公表値の足し算(2畳中+こたつ強で約12.4円/h)は目安にとどまり、併用時の電気代として公表された数字ではありません。定格が続くと仮定した計算例(約31.0円/h)とは大きな幅があり、エアコン(470W・約14.6円/h)と同じ尺度で比べると、カーペット+こたつの方が高い計算です。部屋全体を暖めたいのか、体の一部だけで十分なのかを踏まえて、サイズと設定を選ぶのが現実的です。
ほかの家電の電気代も比べたい場合は、家電の電気代 早見表でまとめて確認できます。




