「今年の正月は海外で過ごしたい」と考えたとき、行き先の候補は多いのに、入国の条件も、現地の休みも、気候も国ごとにばらばらで、比べるのが面倒になりがちです。ランキングではなく、選ぶときに見るべき4つの項目(入国条件・現地の年末年始の休み・時差・12〜1月の気候)を、公的・公式の情報で並べました。2026年10月時点で確認できた範囲だけを書いています。確認できなかった項目は、空欄ではなく「確認できず」と明記しています。
この記事の要点
- 日本国籍の短期の観光なら、7か所とも査証なしで入れる期間が外務省のページに載っています。ただし、台湾・グアム・ハワイ・タイ・シンガポールは事前のオンライン手続きが必要です
- 韓国の K-ETA 登録免除は2026年12月31日までとされており、年をまたぐ渡航では出発前の確認が必要です。K-ETA が免除でも、入国申告(電子入国申告書または紙の入国カード)は別に必要です
- 旧正月(韓国・台湾・シンガポール)は2027年2月で、1月1日の元日休みとは別の時期です
- 航空券・ツアーの価格や混雑は、公的な一次資料がないためこの記事では扱いません
まず見る表①: 日本国籍の入国条件(外務省)
各国のページは更新日が異なります(表の末尾に併記)。制度は変更される可能性があるため、出発前に各国政府の公式サイトか外務省の最新のページで確認してください。
| 行き先 | 査証なしで滞在できる目安(観光) | 事前の手続き・主な条件 | 外務省ページの更新日 |
|---|---|---|---|
| 韓国 | 90日以内 | K-ETA の登録は、日本を含む22か国・地域が2026年12月31日まで一時的に免除。2027年1月以降の扱いは、この記事の作成時点で確認できていない。K-ETA が免除でも、入国申告(電子入国申告書または紙の入国カード)は別に必要。電子入国申告書(e-Arrival Card)は無料で、韓国時間の到着3日前から作成できる | 2025年7月9日 |
| 台湾 | 90日以内 | 2025年10月1日からオンライン事前入境登録が必要(無料。台湾訪問の3日前から登録可)。復路または次の目的地への航空券の提示が必要 | 2025年11月28日 |
| グアム | ESTA は90日以内、G-CNMI ETA は45日以内 | ESTA(有料)または G-CNMI ETA(無料)のどちらかを選ぶ。ETA は航空機搭乗の7日前までの申請が推奨され、遅くとも5日前までに取得するよう案内されている | 2026年5月28日 |
| ハワイ | 90日以内 | ESTA が必要(手数料は2026年10月15日までが40.27ドル、10月16日からが40.62ドル。不承認の場合は10.62ドル。有効期間は通常2年。72時間以上前の申請が推奨) | 2026年5月14日 |
| タイ | 観光目的で60日間 | TDAC(タイデジタル到着カード)のオンライン登録が必要(到着の3日前から可能) | 2026年4月13日 |
| シンガポール | 3か月以内 | SG Arrival Card の提出が必要(シンガポール主管庁 ICA の案内では、到着日を含む3日以内に提出。1月1日到着なら12月30日から)。旅券の残存有効期間は6か月以上 | 2025年9月30日 |
| ベトナム | 45日以内 | 入国時点で旅券の有効期間が6か月以上、帰国またはトランジット出国の航空券を所持していることが条件。外務省のページに事前のオンライン登録の記載は確認できなかった | 2026年3月13日 |
台湾の旅券条件は、一般には残存有効期間6か月以上とされていますが、外務省は日本旅券の保有者は「予定滞在日数以上」でも可能としています。パスポートの残存期間の考え方はパスポートの残り期間、渡航先ごとに何ヶ月必要? — 外務省公式で国別に整理、出発前の手続きを逆算したい場合は年末年始の海外旅行、パスポート・ESTA・K-ETAはいつまでに? — 出発前手続きの逆算チェックで整理しています。
この表にない行き先を含め、日本国籍で渡航前に申請が要る電子渡航認証(米国・豪州・カナダ・英国・ニュージーランド・韓国)は日本国籍で渡航前に申請が要る電子渡航認証の比較で比べられます。
ESTA と G-CNMI ETA は、グアムでは選べる
外務省によると、グアムでは ESTA か G-CNMI ETA のどちらかで入国できます。ETA は無料ですが、滞在は45日までです。ESTA で入国するつもりでも ETA を申請すると、グアム・北マリアナ諸島の免除プログラムで入国したとみなされ、45日を超える滞在は認められません(外務省)。違いの詳細はグアムの年末年始、いつが休み? 祝日と入国手続きにまとめています。
表②: 現地の年末年始の休み
日本のように年末から三が日まで続けて休む国は、確認できた範囲では見当たりませんでした。政府機関や裁判所などの公的な休みで確認できた日を、次に整理します。民間の店・施設の営業日は、公的な一覧からは分かりません。
| 行き先 | 2026年末〜2027年始の公的な休み | 旧正月(2027年) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 韓国 | 2027年1月1日(金)〜3日(日)の3連休。2026年12月25日は、この資料では確認できず | 설날連休は2月6日(土)〜9日(火)の4日間 | 宇宙航空庁「2027년 월력요항」 |
| 台湾 | 2026年12月25日(金・行憲紀念日)〜27日(日)の3連休。2027年1月1日(金)〜3日(日)の3連休 | 春節連休は2月4日(木)〜10日(水)の7日間 | 行政院人事行政総処 |
| グアム | 2026年12月8日(火)、12月25日(金)、2027年1月1日(金) | 該当なし(グアムの祝日一覧に旧正月はなし) | グアム準州裁判所・歳入課税局 |
| ハワイ | 2026年12月25日(金)、2027年1月1日(金) | 該当なし | ハワイ州人事開発局 |
| タイ | 公的な一覧を確認できず | 該当なし | 確認できず |
| シンガポール | 2026年12月25日(金)、2027年1月1日(金) | 2月6日(土)・7日(日)。7日が休息日の人は8日(月)も休み | シンガポール人材開発省 |
| ベトナム | 公式の条文・告示を確認できず | 確認できず | 確認できず |
グアムの12月8日はサンタ・マリアン・カマレン・デー、台湾の12月25日は行憲紀念日です。シンガポールの旧正月は2027年2月6日(土)・7日(日)で、7日が休息日の人は8日(月)も祝日となるため、勤務形態によっては6〜8日の連休になります。各国の細かい日程は韓国の年末年始、いつが休み?、台湾の年末年始、いつが休み?、グアムの年末年始、いつが休み?、ハワイの年末年始、いつが休み?で個別に整理しています。
旧正月の国は、1月1日が正月ではない
韓国・台湾・シンガポールは、旧正月の連休が2月にあります。1月1日は休みでも、国の最大の連休は別の時期です。「正月らしさ」を、日本と同じ1月初めに現地の行事として味わえるかどうかは、この表だけでは分かりません。行事の有無は主催者の公式発表で確認してください。
表③: 日本との時差
IANA タイムゾーンデータベースの定義による、2026年12月末〜2027年1月の標準時の差です(いずれもこの時期は夏時間なし)。
| 行き先 | 日本との時差 |
|---|---|
| 韓国 | 差なし |
| 台湾・シンガポール | 日本より1時間遅い |
| タイ・ベトナム | 日本より2時間遅い |
| グアム | 日本より1時間早い |
| ハワイ | 日本より19時間遅い(日本が1月1日の正午なら、ハワイは12月31日の午後5時) |
時差の小さい韓国・台湾・シンガポール・グアムは、体内時計の調整を気にしなくて済む、という選び方ができます。一方、ハワイは時差が大きく、到着日の過ごし方を考える必要があります。
表④: 12〜1月の気候(各国の気象機関)
各国の公的な気象機関の資料で、数値や季節区分を確認できた範囲だけを並べます。観測地点や統計の期間が国ごとに異なるため、数字を横並びで比べるものではなく、行き先の傾向をつかむ目安です。
| 行き先 | 確認できた内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 韓国(ソウル) | 1991〜2020年の平年値で、12月は平均気温0.2℃・日最高気温4.2℃、1月は平均気温-1.9℃・日最高気温2.1℃ | 韓国気象庁 |
| 台湾 | 冬(12〜2月)の平地11観測所の平均気温は18.7℃。台北では寒流の影響を受ける日が、12月で平均約2.4日、1月で約6日 | 台湾 中央気象署 |
| グアム | 雨が多い月は7〜12月、乾季は1〜6月。熱帯海洋性気候で、貿易風の影響を受ける(2015年の報告書による) | 米国地質調査所 |
| ハワイ | 12〜2月は雨季。ただし約半分は貿易風の安定した天気。低い標高の日中は華氏70度台後半(摂氏およそ25〜26度)、夜は華氏60度台半ば〜後半 | NWS ホノルル予報所 |
| タイ | 公的な気象機関の数値を確認できず | 確認できず |
| シンガポール(チャンギ) | 12月〜1月は北東モンスーンの雨が多い時期。1991〜2020年の平均で、12月は降水量331.9mm、1月は221.6mm。月平均気温はどちらも26.8℃ | シンガポール気象局 |
| ベトナム | 公的な気象機関の数値を確認できず | 確認できず |
表の数値は国ごとに観測地点や統計の期間が違うため、「どの国が暖かいか」の順位づけには使えません。台湾の数字は平地11観測所の平均で、台北の月別平年値ではありません。天候は年ごとに変わるため、出発の直前に各国の気象機関の予報を確認してください。
条件別の選び方 — 断定ではなく、見る順番として
ランキングではなく、どの項目を優先するかで見る場所が変わる、という整理です。
- 短い日数で行きたい人: 時差が小さい韓国・台湾・シンガポールは、時差の調整が要りません。グアムも日本より1時間早いだけです。ただし、空路の所要時間や運航状況はこの記事では扱っていません
- 寒さを避けたい人: 表④で、ソウルの平年値は12月・1月とも平均気温が氷点前後です。ほかの国は、表④の資料にある気温の記述を見てください。グアム・ハワイ・シンガポールは雨が多い時期にあたるため、気温だけでなく雨季の位置づけも合わせて見てください
- 正月らしさを求める人: 韓国・台湾・シンガポールの最大の連休は旧正月(2027年2月)です。1月1日前後に現地の行事があるかどうかは、この記事では確認できていません。主催者の公式発表で確認してください
- 入国手続きを少なくしたい人: 表①のとおり、2026年12月末までなら韓国は K-ETA の登録が免除されています。ただし年をまたぐと、2027年1月以降の扱いは未確認です。また、K-ETA が免除でも韓国の入国申告(電子入国申告書または紙の入国カード)は別に必要なので、「手続きがゼロ」にはなりません。台湾・タイ・シンガポールは、オンラインでの事前登録が必要です
向かない人・迷いやすいところ
- 航空券やツアーの価格・混雑で決めたい人: 公的な一次資料がないため、この記事では扱いません。価格の比較は、航空会社・旅行会社の公式ページで日程ごとに確認してください
- 長期滞在を考える人: 表①の日数は観光などの短期滞在の目安です。就労や留学には、別の査証が必要になります
- 「確認できず」の国を検討する人: タイとベトナムの祝日、タイ・ベトナムの気候は、今回は公的な一次資料で確認できませんでした。外務省の各国ページや各国政府の公式サイトで、出発前に確認してください
- パスポートの残りが少ない人: シンガポール・ベトナムは旅券の残存有効期間が6か月以上とされています。ほかの国も条件があります。出発前に残存期間を確認してください
よくある不安
正月の海外旅行で、入国前に手続きが必要な国はどこですか?
外務省の各国ページで、2026年10月時点で事前の手続きが挙げられているのは、台湾(オンライン事前入境登録・無料)、グアム(ESTA または G-CNMI ETA)、ハワイ(ESTA・手数料は2026年10月15日までが40.27ドル、10月16日からが40.62ドル)、タイ(TDAC のオンライン登録)、シンガポール(SG Arrival Card)です。韓国は K-ETA の登録免除が2026年12月31日までとされていますが、K-ETA が免除でも、入国申告(電子入国申告書または紙の入国カード)は別に必要です。ベトナムは外務省のページに事前登録の記載はありませんが、旅券の残存期間などの条件があります。
韓国・台湾の旧正月は、正月(1月1日)と同じ時期ですか?
いいえ。2027年の韓国の설날連休は2月6日〜9日、台湾の春節連休は2月4日〜10日で、1月1日の元日休み(どちらも1月1日〜3日)とは別の時期です(韓国宇宙航空庁・台湾行政院人事行政総処、2026年10月時点)。
正月の海外旅行は、どの国がいちばん安いですか?
この記事では扱いません。航空券やツアーの価格・混雑を示す公的な一次資料を確認できなかったためで、特定の国が安いとは言えません。価格は出発日と予約時期で変わるため、気になる行き先の航空会社・旅行会社の公式ページで日程ごとに確認してください。
入国条件の話とは別に — 現地での通信の準備
ここまでの入国条件は、通信サービスの契約とは関係ありません。今のスマホや契約のままでも入国できますし、新しく何かを契約する必要はありません。 そのうえで、現地でスマホを使うための準備を考えたい人向けに、海外 eSIM のサービスを紹介します。行き先ごとの料金や選び方は海外eSIMの選び方と海外eSIMの料金一覧で整理しています。
まとめ
正月の海外旅行は、外務省の各国ページで入国条件を、各国政府の資料で現地の休みを、気象機関の資料で気候を確認すると、公的な情報だけで比べられます。確認できた範囲では、韓国・台湾・グアム・ハワイ・タイ・シンガポール・ベトナムのいずれも、日本国籍の短期の観光なら査証なしで入国できますが、事前のオンライン手続きや旅券の残存期間の条件は国ごとに異なります。旧正月の国は、最大の連休が2027年2月にあります。行き先を絞ったら、各国の個別の記事で日程と手続きを確認し、出発前に外務省の最新のページを見直してください。




