留学先の住まいを調べると、「最初はホームステイがおすすめ」と書いてあるページは多いのに、誰がどう手配して、何が料金に含まれ、子どもが行く場合に何を求められるのかは、はっきり書かれていないことがあります。この記事では、体験談ではなく、政府・教育当局と学校の公式資料に載っていることだけで整理します。
この記事の要点
- ホームステイの手配は「学校経由」「エージェント経由」「個人」の3通り。18歳未満は国ごとに公的な要件があり、学校が手配に関わる形が公式に定められている国があります(2026年10月時点)
- 受け入れ家庭の基準が公式に確認できたのは、オーストラリア(団体の基準)とニュージーランド(教育当局のコード)です。英国とカナダは、住まいの選択肢や保護者の要件は確認できましたが、ホームステイの家庭そのものの基準は確認できませんでした。英国は、全国一律の法的基準は査証ページに見当たらず、英語教育機関の認定制度(ブリティッシュ・カウンシル)に別の基準があるとされますが、その本文は今回取得できませんでした
- 費用は「週単位の滞在費」「手配料」「食事の有無」に分けて見ます。この記事の金額は、学校の公式料金表に載っていたものだけです
ホームステイの探し方は3種類
ホームステイは、誰を窓口にするかで次の3つに分けられます。
1. 学校経由。 語学学校が滞在先として用意している、または提携団体に手配を任せている形です。たとえばメルボルンのHawthorn Englishの公式料金表には、ホームステイの週額と、別立ての「Accommodation placement(手配料)」が並んでいます。18歳未満の学生は、学校が出す福祉の書類(後述のCAAW)の下で、Australian Homestay Network(AHN)を通して手配する、と脚注に書かれています(2026年10月に確認)。
2. エージェント経由。 エージェントが学校選びと一緒に滞在先の手配を代行する形です。夢カナ留学の公式サイトには「ホームステイ先手配代行」の項目があり、独自の審査基準で受け入れ先を手配する、シェアハウスは手配ではなく探し方の案内になる、と書かれています(2026年10月に確認)。エージェントの料金の仕組みは留学エージェントはどう選ぶ? — 料金モデルと、確認すべき4つのポイントで整理しています。
3. 個人。 受け入れ団体に直接申し込む、知人の家に滞在するなどの形です。成人の場合にこの形を縛る公的な基準は、今回の調査では見当たりませんでした。ただし、18歳未満は別です。Hawthorn Englishの料金表には、保護者が知人・親族をホストにしたい場合の「Parent Nominated Homestay(保護者指名ホスト)」の登録料と管理料が別に載っており、ホストはAHNへの登録が必要と書かれています。
受け入れ家庭の基準が確認できた国
オーストラリア
オーストラリア教育省は、National Code 2018の「Standard 5」で、18歳未満の留学生を受け入れる登録事業者は、児童の福祉・保護に関する法令などの要件を満たす必要がある、としています。
ホームステイを手配する団体の側では、AHNが「最低基準」として、ホストの身元確認・部屋の確認・研修、賠償保険、24時間の緊急連絡体制などを公表しています。ホストには、州ごとのWorking with Children Check(子どもと関わる仕事の適性確認)や警察証明の取得が求められる、とAHNの認定ページに書かれています。ただしこれは、政府ではなく、ホームステイ手配の事業者(AHN)が自らの基準として示しているものです。事業者ごとに基準が異なる可能性があるため、申し込む団体の基準を、書面で確認する必要があります。
ニュージーランド
ニュージーランドでは、教育当局NZQAが所管するCode of Practice 2021(留学生の生活支援に関する規範)に、ホームステイの定義があります。ホームステイは「留学生が4人以下の家庭に滞在する形」と定義され、18歳未満の留学生が預けられる先(residential caregiver)の安全確認(safety check)を、署名機関(学校など)が行って最新に保つことが求められています。NZQAはホームステイ向けのハンドブックも公開しています。
英国・カナダ
GOV.UKのChild Student visaのページには、住まいの選択肢として「学校の寄宿」「里親または近親者」「保護者・法定後見人と同居」「16・17歳なら自立した生活」と書かれていて、「ホームステイ」という語は出てきません。里親や近親者は、英国市民または永住者であることなどが条件です。ホームステイの家庭そのものの基準は、GOV.UKの査証ページでは確認できませんでした。なお、Child Student visaは独立学校(independent school)への就学が対象で、語学学校での短期就学とは制度が別です。
ここで言う「全国一律の法的基準」とは別に、ブリティッシュ・カウンシルの英語教育機関の認定制度には、ホームステイ提供事業者の登録制度と審査基準(2026年版)があるとされています。ただし、その案内ページと審査基準の本文は今回取得できず、適用範囲(認定を受けた機関・登録事業者に限られること)と基準の中身は確認できていません。認定校を選ぶ場合は、学校がこの制度の対象かを学校に確認してください。
カナダの移民局(IRCC)は、未成年(成年年齢は州・準州ごとに決まる)について、17歳未満は保護者が同伴するか、現地にcustodian(市民権または永住権をもつ責任ある成人)を置く必要がある、と案内しています。ホームステイの家庭の基準は、IRCCのページには書かれていませんでした。州の基準があるかどうかは、今回確認できていません。
18歳未満の場合の要件
国ごとに、公式ページで確認できた範囲を並べます(国の優劣を示すものではありません)。
| 18歳未満の主な要件(公式ページの記載) | |
|---|---|
| オーストラリア | 学生ビザの申請で、福祉の取り決め(学校が出すCAAWの取得、後見人の指名〔Form 157N〕など)と、両親・保護者の同意書(Form 1229または宣誓書)が必要。福祉の取り決めは滞在期間中(18歳になるまで)有効に保つ必要がある |
| カナダ | 17歳未満は保護者の同伴かcustodianが必要。17歳以上でも、審査官が個別に求めることがある。プログラムが6か月以下なら、未成年は就学許可が不要とされる(任意で申請可)。6か月を超える場合は入国前に申請 |
| 英国 | Child Student visaは4〜17歳が対象で、独立学校(independent school)に通う場合の制度。語学学校での短期就学は、Standard Visitorの枠になる。保護者・法定後見人の書面の同意と、適切な住まいが必要。里親・近親者・後見人(nominated guardian)の家に住む場合は、その人からの手紙も必要。Standard Visitor(認定教育機関での6か月以内の学習)でも、18歳未満は保護者の同意書と滞在先の証明が必要で、16歳未満(障害がある場合は18歳未満)が近親者以外の家で28日を超えて世話を受ける場合は、保護者または学校が地方自治体に知らせる必要がある(private foster care)。スコットランドなど地域で規則が異なるため、行き先の地域の案内も確認する |
| ニュージーランド | English Language Student Visaは、10歳未満はNZQA承認の寄宿舎に住むのでない限り、保護者または法定後見人が同伴して同居する必要がある。10歳以上18歳未満のホームステイは、Codeによる安全確認などの対象 |
オーストラリアについて、Hawthorn Englishの料金表の脚注では、CAAWを学校に発行してもらう18歳未満は、ホームステイと空港送迎をAHN経由で手配する必要がある、と書かれています。学校によって運用が違う可能性があるため、18歳未満で申し込む場合は、学校に書面で確認してください。
オーストラリアの内務省のページには、福祉の取り決めが変わったら内務省に知らせる必要があると書かれています。ビザ条件としての扱いの詳細(条件番号など)は、今回のページでは確認できていません。子どもの留学全般の手続きは親子留学で子どもが現地の学校に通うとき、ビザと日本側の手続きは?でも整理しています。
費用は「構造」で見る
ホームステイの費用は、次の要素に分けると、見積もりを比べやすくなります。
- 週単位の滞在費(部屋の種類、食事の有無で変わります)
- 手配料(placement fee)(最初に1回かかる例があります)
- 食事の条件(3食付き、朝夕のみ、食事なしなど)
- 年齢・時期・特別な食事による追加料金(料金表に載っている学校があります)
- 預かり金(デポジット)と支払い方法
学校の公式料金表で確認できた例を挙げます。いずれも1校・1都市の例で、国や都市の相場ではありません。為替による円換算はしていません。
| 例 | 内容(公式料金表の記載) |
|---|---|
| Hawthorn English(メルボルン) | 18歳以上のホームステイは週440豪ドル、14〜17歳は週460豪ドル。手配料は360豪ドル(GST込み)。ホームステイ料金はホームステイ提供者に直接払い、到着時に4週間分(うち2週間分は預かり金)を払う。預かり金は、未払いや破損がなく、2週間前に通知すれば返金される |
| Oxford International English(メルボルン) | 3食付き週470豪ドル、朝夕のみ週440豪ドル。手配料370豪ドル(返金不可)。最低4週間。特別な食事は追加料金。2026年12月31日まで有効の目安の料金 |
| Oxford International English(バンクーバー) | 3食付き週360カナダドル、朝夕のみ週340カナダドル、食事なし(roomstay)週329カナダドル。未成年の追加料金が週49カナダドル、特別な食事が週49カナダドル、6月1日〜8月31日は高い時期の追加料金あり。2026年12月31日まで有効、予告なく変更あり |
同じ「ホームステイ」でも、食事の条件、手配料、未成年の追加料金、預かり金の扱いが学校ごとに違うことが分かります。契約前に、次の点を書面で確かめておきたいところです。
- 週額に含まれる食事と、含まれない食事
- 手配料の有無と、返金の可否
- 預かり金の額と、返金の条件
- 途中で受け入れ先を変えたい場合の手続きと費用
通信手段の準備は留学・ワーホリのスマホ、日本の番号はどうする?にまとめています。
向く人・向かない人
「ホストファミリーとうまくいくコツ」のような体験論は、公的な出典がないため、この記事では扱いません。ここでは、制度と料金の面で見える違いだけを書きます。
ホームステイが向きそうな人。 到着直後の住まいを、学校や団体の手配で済ませたい人。18歳未満で、学校や団体を通した手配が条件になっている人。食事付きの料金で、生活費の見通しを立てやすくしたい人。
向かないかもしれない人。 食事の時間や内容、門限などの生活ルールに、他人の家庭に合わせることが負担になる人(ルールは家庭ごとに異なります)。手配料や預かり金が負担になる人。滞在を短期間に何度も切り替えたい人(手配料が都度かかる学校があります)。シェアハウスなどの選択肢は、探し方の案内にとどまる場合があり、手配は自分で行う必要があります。
留学先ごとのビザの扱いは、セブ島留学のビザと費用、マルタ留学のビザと語学学校の選び方で、費用の項目全体は語学留学の費用はいくら?で整理しています。
よくある疑問
留学のホームステイは、どうやって手配するのですか?
大きく、学校経由・エージェント経由・個人(受け入れ団体や知人)の3つに分かれます。学校経由では、学校が提携する団体に手配を任せる形が公式の料金表に載っています。エージェントによっては手配を代行します。個人で探す場合、成人向けの公的な基準は今回の調査では見当たりませんでした。18歳未満は国ごとに公的な要件があるため、学校・エージェントを通すのが前提になる国があります(2026年10月時点)。
18歳未満でホームステイ留学をするとき、保護者の要件はありますか?
あります。オーストラリアの学生ビザでは、18歳未満は福祉の取り決め(学校が出すCAAWなど)と、保護者の同意書が必要です。英国のChild Student visaでは保護者の書面の同意が必要で、住まいの選択肢は寄宿・里親・近親者・保護者と同居などと書かれています。カナダでは17歳未満は保護者の同伴か現地のcustodian(保護者代わりの成人)が必要です。国・期間・ビザの種類で変わるため、申し込む学校と政府の公式ページで確認してください(2026年10月時点)。
ホームステイの費用は週いくらですか?
学校・都市・食事の有無で変わるため、一つの相場は示せません。公式の料金表の例では、メルボルンのHawthorn Englishが18歳以上で週440豪ドル、Oxford International Englishのバンクーバーが食事付きで週340〜360カナダドルです。このほかに手配料(placement fee)がかかる例があります。料金は変更されることがあるため、申し込む学校の最新の料金表を見てください(2026年10月時点)。
手配を相談する窓口のひとつとして
ここまでの内容は、ホームステイの手配を誰に任せるかを決めるための整理で、今のままの手配方法でも問題ありません。エージェントに相談する選択肢を知っておきたい場合の一例です。
まとめ
ホームステイを選ぶ前に、まず、誰が手配するのか(学校・エージェント・個人)と、自分が18歳未満かどうかを決めてください。18歳未満の場合は、国ごとに保護者の同意書、現地の責任ある成人、学校の福祉の書類など、公的な要件があります。次に、見積もりでは週額、食事、手配料、預かり金を分けて書面で比べてください。受け入れ家庭の基準は、オーストラリアとニュージーランドでは確認できましたが、英国とカナダでは確認できませんでした(英国は、認定制度の基準があるとされるものの、本文を取得できていません)。制度や料金は変わるため、申し込み前に、学校と各国政府の公式ページをもう一度確認してください(2026年10月時点)。




