「セブ島留学なら授業料が安い」「マンツーマンで実践的」——そんな情報を見て興味を持ったものの、ビザや滞在の延長手続きがどうなっているのか、調べ始めるとよく分からなくなっていませんか。授業料の話は多くのサイトで見つかりますが、「自分の留学期間だと、現地の手続きにいくらかかるのか」まで落とし込んだ情報は、なかなか見つかりません。
この記事では、フィリピン入国管理局(BI)の公式の手数料表を足し上げて、期間別の手続き費用を計算します。
この記事の要点
- 日本国籍者は観光目的で30日間はビザなしで入国できます(フィリピン政府の公式e-Visaポータル・Executive Order 408に基づく制度。2026年10月時点)。ただしBI公式のFAQでは、語学学校のような非学位課程にはSSP(特別就学許可)が発行されると説明されており、日数による要否の区別は書かれていません
- 手数料をBI公式表のとおり足し上げた計算例は、4週間で5,240ペソ、8週間で8,270ペソ、12週間で12,670ペソです(16歳以上・SSPと延長の手数料が両方かかると仮定。ACR I-Cardの50米ドルとエクスプレス料500ペソは含みません。同時点)。24週間は延長の段階で料金区分が変わるため、合計は出していません。期間別の計算は下の節で確認できます
- 延長が59日を超える場合、最初の通常の延長は1か月単位(4,400ペソ/回)か2か月単位(4,900ペソ/回)かで金額が変わり、さらに長く滞在すると別の料金区分(2,430ペソ・2,930ペソなど)が適用される段階があります。ただし公式表は「2014年3月時点・予告なく変更の可能性あり」と明記されているため、渡航前にBIと学校で最新の金額を確認してください
セブ島留学でかかる費用の全体像
セブ島留学でかかる費用は、大きく分けると次の3種類です。
- 語学学校にかかる費用(授業料・寮費・食費など。学校やコースによって幅があります)
- 現地の行政手続きにかかる費用(ビザの延長・SSPなど、フィリピン政府に支払う費用)
- 渡航にかかる費用(航空券・保険料など)
「安い」という情報の多くは1の授業料を指しており、2の行政手続きの費用は見落とされがちです。この記事では2の部分を、BI公式サイトで確認します。
入国の条件 — 日本国籍者は30日間ビザなし
フィリピン政府のe-Visaポータル公式サイトによると、日本を含む対象国のパスポート保持者は、Executive Order 408に基づき、観光目的であれば初回30日間ビザなしで入国できます。条件として、パスポートの残存有効期間が滞在予定期間を超えて6か月以上あること、復路または次の目的地までの航空券を持っていることが案内されています(2026年10月時点・フィリピン政府e-Visaポータル公式)。
短期の語学研修(1〜4週間程度)であれば、滞在日数自体はこの30日間の範囲内に収まる場合があります。ただし、BI公式のよくある質問によると、SSPは18歳未満の外国人、または学位取得を目的としないコース(語学学校の短期コースを含む)を受講する外国人に発行されるとされており、滞在日数によって要否が分かれるという記載はありません。滞在が30日を超える場合は、これとは別に、フィリピン入国管理局(Bureau of Immigration、以下BI)での滞在延長手続きが必要になります。
滞在延長の費用 — 入国管理局(BI)公式の手数料表
BI公式サイトの案内によると、延長の手数料は次のように段階的に決まっています。
| 延長の区分 | 対象 | 手数料 |
|---|---|---|
| 最初の延長(29日間・計59日まで) | 30日間のビザなし入国者 | 3,030ペソ |
| 59日超の最初の通常の延長・1か月単位で申請する場合(16歳以上) | ビザ不要国籍(Non-Visa Required National・日本を含む) | 4,400ペソ/回 |
| 59日超の最初の通常の延長・2か月単位で申請する場合(16歳以上) | 同上 | 4,900ペソ/回 |
| 「2か月の通常延長の後」の区分(原文 After regular extension of two (2) months) | 表の見出しに国籍の記載なし(別掲の Restricted Nationals 向けの表あり) | 1か月2,430ペソ/2か月2,930ペソ |
| ACR I-Card発行料(59日超の滞在で必要) | 同上 | 50米ドル(別途エクスプレス料500ペソ) |
(出典: BI公式サイト Temporary Visitor Visa Waiver ページ。2026年10月時点で確認。表の見出しは原文で「Non-Visa Required National under E.O. 408」=ビザ不要国籍向けで、日本を含みます。1か月単位・2か月単位は1回の申請でまとめて延長する期間で、申請のたびにその回の手数料がかかります。「2か月の通常延長の後」の区分がいつから適用されるか、日本国籍者に当てはまるかは、表の見出しだけでは判断できませんでした。手数料表は「2014年3月6日時点の金額であり、予告なく変更される場合がある」と明記されているため、渡航前にBI公式サイトまたは窓口で確認してください)
SSP(特別就学許可)の費用
BI公式のFAQによると、SSPは18歳未満、または学位を目的としないコースを受ける外国人に発行される許可で、ビザそのものではなく、観光ビザ(Temporary Visitor’s Visa)の資格のもとで発行されます。BI公式サイトによると、SSPの手数料は次の内訳の合計5,240ペソで、これとは別にACR I-Cardの追加料金50米ドル(為替レートで換算)がかかります(2026年10月時点・BI公式)。
- 申請料: 2,000ペソ
- 実施料: 1,000ペソ
- サービス料: 200ペソ
- 証明書料: 500ペソ
- 法律調査料(LRF): 40ペソ
- エクスプレス料(証明): 500ペソ
- エクスプレス料(申請受付): 500ペソ
- エクスプレス料(I-Card処理): 500ペソ
セブ島の語学学校の多くは、このSSPの申請手続きを代行またはサポートしているのが一般的です。申請自体は学校を通さず個人でBIに行うこともできますが、手数料はBIに直接支払う公的な費用である点は変わりません。SSPの延長手数料はBI公式のSSPページに載っていないため、長期留学でSSPを延長する場合の金額は、学校またはBIに確認が必要です。
期間別の手続き費用の計算例
ここまでの公式の金額を、留学期間に当てはめて足し上げます。合計から除いたのは、ACR I-Cardの50米ドルと、延長の表にあるI-Cardのエクスプレス料500ペソです。前提は、16歳以上の日本国籍者で、延長の手数料とSSPの手数料の両方がかかると仮定した計算例です。BI公式の2つのページには、この2つがどう合算されるかの説明がないため、合算になるかどうかは契約前に学校へ確認してください。
| 留学期間 | 延長の手数料 | SSP | ペソ合計(計算例) |
|---|---|---|---|
| 4週間(28日) | 不要(30日以内) | 5,240 | 5,240 |
| 8週間(56日) | 最初の延長 3,030 | 5,240 | 8,270 |
| 12週間(84日) | 3,030+1か月単位1回 4,400=7,430 | 5,240 | 12,670 |
| 24週間(168日) | 延長の段階で料金区分が変わるため、合計は出していません | 5,240 | 算出なし |
この表の読み方は3つあります。24週間は、公式表の延長の区分が段階ごとに分かれているため、合計を出していません。
- 30日の壁と59日の壁: 4週間以内なら延長はかかりません。5〜8週間は最初の延長(3,030ペソ)だけで収まります。9週間以上になると、延長手数料が4,400ペソ以上の段階に入り、ACR I-Card(50米ドル)も必要になります
- 延長の料金は段階で変わる: 12週間のように延長が1か月で足りる場合は、最初の通常の延長として1か月単位(4,400ペソ)のほうが2か月単位(4,900ペソ)より500ペソ少なく済みます。それより長く滞在すると、公式表には「2か月の通常延長の後」の区分(1か月2,430ペソ・2か月2,930ペソ)などが別に載っています。どの段階からどの区分になるかは、公式表だけでは読み切れないため、BIまたは学校に確認してください
- ACR I-Cardの50米ドルは、足す前に重複を確認する: 延長の表にもSSPの表にも「50米ドル」が別行で載っていますが、SSPを取得する場合にこの2つが二重にかかるのか、1回分なのかは、BI公式の2つのページに書かれていません。見積もりでは、I-Cardの行は1行にまとめて別枠で書き、学校のパッケージ料金に含まれているか、現地で別払いかを確認すると、重複して見積もる事態を避けられます。観光滞在のI-Cardのエクスプレス料500ペソと、SSPの内訳にあるI-Card処理のエクスプレス料500ペソについても、同じものか別かは確認できていません
なお、この計算にはパスポートの発行や航空券・保険・学校の授業料は含まれていません。ペソから円への換算は為替レートで変わるため、この記事では行いません。
ここまでで手続き費用の見通しは立ちます。以下は手続きとは別の話で、学校探しにエージェントを使う場合の一例です。使わない方は読み飛ばしても、手続きに影響はありません。
語学学校の費用構造 — 授業料・寮費・現地費用に分けて考える
セブ島の語学学校の費用は、大きく「授業料」「寮費・食費」「現地費用(SSP・ビザ延長・保険など)」の3つに分かれます。学校によって、これらを個別に請求する場合と、パッケージ料金としてまとめて提示する場合があります。どちらの場合も、パッケージ料金の中にSSPやビザ延長の費用が含まれているのか、それとも現地で別途支払う必要があるのかは、契約前に必ず確認しておきたいポイントです。上の計算例の合計は、この「現地費用」の部分にあたります。
留学エージェントを使う場合、エージェント自身のサービス利用料が発生するかどうかは会社によって異なります。エージェントの料金モデルの仕組みは留学エージェントはどう選ぶ? — 料金モデルと、確認すべき4つのポイントで整理しています。
治安について — 外務省の海外安全情報で確認する
治安の状況は地域や時期によって変わるため、本記事では具体的な危険情報のレベルを断定しません。本記事の執筆時点では、外務省 海外安全ホームページのフィリピンの個別ページに直接アクセスできず、内容を確認できませんでした。渡航前には、必ずご自身で外務省 海外安全ホームページにアクセスし、セブ島を含む渡航予定地域の最新の危険情報を確認してください。
現地に着いてからの通信は、出発前に決めておく
ビザと現地費用の見通しがついたら、次に決めておきたいのが現地での通信手段です。セブ島など離島も多いフィリピンでは、エリアによって対応状況が変わります。povo・ドコモの対応状況やeSIMの選び方はフィリピン・セブ島旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と出発前チェックで整理しています。
留学・ワーホリ全体でかかる費用を他国と比較したい場合は、ワーホリの費用はいくら? — ビザ申請料・必要資金・保険を5か国の公式サイトで横並びにするもあわせて確認してください。
よくある疑問
フィリピンへ留学するのにビザは必要ですか?
日本国籍のパスポートを持っていれば、観光目的で30日間はビザなしで入国できます(フィリピン政府のe-Visaポータル公式・Executive Order 408に基づく制度。パスポートの残存有効期間が滞在予定期間を超えて6か月以上あること、復路または次の目的地までの航空券を持っていることが条件です。2026年10月時点)。留学が30日を超える場合は、フィリピン入国管理局(BI)で滞在の延長手続きが必要になります。
留学期間が30日を超える場合、滞在はどう延長すればいいですか?
フィリピン入国管理局(BI)で延長申請を行います。最初の延長は29日間で手数料3,030ペソ、滞在が59日を超える場合はさらに1か月・2か月単位で延長申請でき、16歳以上・ビザ不要国籍(日本を含む)の場合、最初の通常の延長では、1回の延長申請が1か月単位なら4,400ペソ、2か月単位なら4,900ペソに加えてACR I-Cardの発行料50米ドル(別途エクスプレス料500ペソ)がかかります。BI公式の表には「2か月の通常延長の後」の区分(1か月2,430ペソ・2か月2,930ペソ)や、6か月滞在後の区分(1か月3,840ペソ・2か月4,340ペソ)も別に載っており、長く滞在する場合は延長の段階で料金区分が変わります。どの段階からどの区分になるかは、公式表だけでは読み切れないため、BIまたは学校に確認してください(BI公式の手数料表。2014年3月時点の金額のまま「予告なく変更される場合がある」と明記されているため、渡航前にBI公式サイトで最新の金額を確認してください。2026年10月時点)。
セブ島留学の治安は大丈夫ですか?
本記事の執筆時点では、外務省 海外安全ホームページのフィリピンの個別ページにアクセスできず、危険情報のレベルを直接確認できませんでした。治安の状況は地域や時期によって変わるため、断定的な案内はせず、渡航前に外務省 海外安全ホームページでご自身の渡航先(セブ島を含む具体的な地域)の最新の危険情報を必ず確認することをおすすめします。
セブ島留学の手続き費用は、期間別にいくらくらいですか?
入国管理局(BI)の公式表のペソ金額を足し上げた計算例です(16歳以上・日本国籍・SSPと延長の手数料が両方かかると仮定。ACR I-Cardの50米ドルとエクスプレス料500ペソは含みません。2026年10月時点)。4週間は5,240ペソ、8週間は3,030+5,240=8,270ペソ、12週間は3,030+4,400+5,240=12,670ペソ、24週間は、延長の段階ごとに料金区分が変わるため、この記事では合計を出していません(公式表で確認してください)。計算に入れていない費目は、ACR I-Cardの50米ドルとエクスプレス料500ペソです。公式表は2014年3月時点の金額で予告なく変更される場合があるため、渡航前にBIと学校に確認してください。
まとめ
セブ島留学は授業料の安さが注目されがちですが、実際にかかる費用は「授業料」「寮費・食費」に加えて、ビザの延長やSSPといったフィリピン政府への手続き費用も含めて考える必要があります。30日間はビザなしで入国できますが、それを超える滞在には延長手続きが必須です。期間別の計算例のとおり、BI公式表で足し上げると4週間は5,240ペソ、12週間は12,670ペソ、24週間は延長の段階で料金区分が変わるため合計を出していません(ACR I-Cardの50米ドルとエクスプレス料500ペソは含みません)。ただし手数料表は改定される可能性があるため、渡航が具体的になったら、BI公式サイトで最新の金額を、外務省 海外安全ホームページで最新の治安情報を、それぞれ出発前にもう一度確認してください。
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