着陸のアナウンスが終わると、機内のあちこちで通知音が鳴り始めます。周りの人はもう地図を開き、家族へ「着いたよ」を送っている。自分のスマホは、機内モードのまま。──空港の無料 Wi-Fi はどこだろう、と探すところから旅を始めていませんか。

この記事の要点

  • 海外でスマホを使う方法は「キャリアのローミング」「レンタルWiFi」「eSIM」の3つに整理できます
  • 楽天モバイルは月2GBまで無料、ahamo は30GB(2026年11月30日まで。12月1日から、国内と共用の枠のうち海外は月最大40GBに増量。ドコモ公式2026年9月25日発表)の範囲内で追加料金なしなど、プランに海外利用が含まれている場合があります。まず自分の契約の確認が先です(2026年8月時点・各社公式)
  • eSIM は出発前に設定を終えておけるので、多くの場合、着陸後すぐに使い始められます。物理 SIM の入れ替えは不要です

海外でスマホを使う方法は? — 実は3つだけ

選択肢が多く見えて迷いますが、仕組みで分けると3つに整理できます。

海外でスマホを使う3つの方法(ローミング・レンタルWiFi・eSIM)の図解

  1. キャリアの海外ローミング — いつものスマホをそのまま海外で使う。手軽ですが、料金は契約プラン次第
  2. レンタルWiFi — 小さな通信機器を借りて持ち歩く。複数人で分け合える反面、受取・返却・充電の手間があります
  3. eSIM — スマホの中に「現地用の SIM」をデータとして追加する。eSIM とは、スマホに内蔵された書き換え可能な SIM のことで、カードの差し替えなしに回線を追加できる仕組みです

なお、現地の空港や店頭でプリペイドの物理 SIM を買う方法もあります。仕組みとしては eSIM と同じ「現地の回線を使う」選択肢ですが、店を探して営業時間内に並び、カードを差し替える手間が加わります。その手続きをオンラインで済ませられるようにしたものが eSIM、と考えると分かりやすいです。この記事では現地 SIM の主流である eSIM を中心に扱います。

どれが正解かは、旅の形(人数・日数・行き先)で変わります。順に見ていきましょう。

キャリアのローミング料金はいくら? — まず「自分のプラン」の確認から

最初に確認したいのは、いま契約しているプランに海外利用が含まれていないか、です。実は、含まれている人が意外と多いのです(いずれも 2026年8月時点・各社公式)。

プラン 海外で使える枠 備考
楽天モバイル 月2GBまで追加料金なし 107の国と地域。超過後は低速化するだけで自動課金なし(1GB 500円で任意チャージ)
ahamo 月30GB(2026年11月30日まで)→12月1日から、国内と共用の枠のうち海外は月最大40GB 91の国と地域。海外利用開始から15日を超えると速度制限(12月1日以降も継続。日数追加オプション〔1日980円〕で日数超過分のみ回避、40GBの容量制限は別。ドコモ公式2026年9月25日発表)
ドコモ・au・ソフトバンクの上位プラン プランにより海外分込み 対象かどうかは各社の公式アプリで確認できます

該当するなら、この記事の残りを読む必要はないくらい、それが一番シンプルです。

含まれていない場合は、使う日だけ定額を買うことになります(2026年8月時点・各社公式)。

プラン 料金の目安 備考
ドコモ「世界そのままギガ」 24時間 980円 7日間プランは5,280円(対象国限定の割引プラン)
au「au海外放題」 24時間 1,200円 事前予約で800〜1,000円に(2027年1月31日までの条件)
ソフトバンク・LINEMO「海外あんしん定額」 24時間 980円 2026年6月改定。10GB超の速度制御は開始時期の記載が公式サイトと条件書で異なり未確定
povo2.0 海外データトッピング 例: 豪州などのレギュラートッピングは0.5GB・24時間640円、3GB・7日間4,280円。アメリカのエリアトッピングは1GB・3日間760円、3GB・7日間2,200円(2026年10月27日・povo公式) 容量・日数・渡航先で料金が変わるトッピング制(レギュラー・エリア・ワイド)。レギュラーは90以上、ワイドは160以上の国・地域

au海外放題は、KDDI・沖縄セルラーの2026年10月15日の発表によると2027年2月1日にリニューアルされ、事前予約が廃止されて料金は一律980円/日(24時間)になります。上の表のauの金額は2027年1月31日までの条件で、1月31日と2月1日にまたがる渡航の扱いは発表の本文では確認できていません。

povoの「エリア」「レギュラー」「ワイド」というトッピング体系の違いと、渡航先ごとの対応はpovoは海外でそのまま使える? — 海外ローミングとトッピング体系の整理で詳しく整理しています。ahamoの30GB(12月1日から40GB)/15日ルールの詳細はahamoは海外でそのまま使える? — 追加料金なし・30GB/15日ルールと超過後の扱いを整理で、ドコモの上位プラン(ドコモMAX/ポイ活MAX)の条件はドコモの海外ローミングは無料? — MAX/ポイ活MAXの30GBルールと、それ以外のプランの料金を整理で整理しています。

大手3社の定額は1日あたり約1,000円。ここまでは「そんなものか」という金額です。計算してみると、印象が少し変わります。

980円 × 7日間 = 6,860円。家族3人なら、2万円を超えます。

これを「安心料として妥当」と考えるか、「別の方法を検討したい」と感じるかが、次の分かれ道です。

3つの方法を比べると?

キャリアのローミング レンタルWiFi eSIM
事前準備 不要〜申込のみ 予約+空港などで受取 購入+設定(自宅で完了)
荷物 増えない ルーター+充電器が増える 増えない
複数人での利用 1人ずつ課金 1台を分け合える 1人ずつ購入
返却 不要 必要(返し忘れリスク) 不要(期限が来たら終わるだけ)
料金の決まり方 1日あたり定額が中心 1日あたり定額+オプション 渡航先×日数×容量のプラン制

家族やグループで1台を分け合うならレンタルWiFi に合理性があります(人数・行動パターン別の使い分け方は海外旅行のWi-Fi、レンタル1台で家族分足りる? — レンタルWiFiとeSIMの使い分け方で詳しく整理しています)。数時間の乗り継ぎだけなら、ローミングを1日だけ使うのが手軽です。1人か2人で、数日以上の旅行なら、eSIM が有力な選択肢になります。

eSIM は「着陸前に、もう終わっている」

eSIM の一番の違いは、準備が全部「出発前」に終わることです。

eSIM利用の流れ(プラン購入→QRコード読み取り→出発前に設定完了→現地に着いたら使い始める)の図解

出発前夜、自宅の Wi-Fi で渡航先のプランを買い、QR コードを読み取って設定する。ここまでで完了です。あとは対応エリアであれば、着陸後にスマホを取り出すと現地の電波を掴みます。ゲートを出る前に地図が開き、翻訳アプリが動き、配車アプリが呼べる。空港で Wi-Fi のパスワードを探していた時間が、そのままなくなります。

料金は「韓国3日間」「アメリカ7日間」のように渡航先と日数で選ぶプラン制で、各サービスのアプリやサイトに渡航先を入れるとすぐに表示されます。物理 SIM の入れ替えがないので、日本の番号も SIM も端末に残ったままです。帰国後は、設定画面で主回線(日本の回線)に戻すだけです。

実際の QR コード読み取りから設定完了までの操作手順は、「QRコードを読み取ってください」で止まったら — iPhone・AndroidのeSIM設定手順 で画面ごとに解説しています。

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海外eSIMサービスの例として、トリファ(trifa)の公式サイトでプランと料金を確認できます。

国内利用者数No.1【トリファ(trifa)】

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海外eSIMサービスの例として、Sailyの公式サイトでプランと料金を確認できます。

海外旅行のためのお得なeSIM【Saily】

結局どれを選べばいい? — 目的別の整理

  • 上位プランや ahamo を契約中 → まず公式アプリで海外利用の条件を確認。含まれていればそのままで OK
  • 1〜2人・数日以上の旅行 → eSIM が有力。準備は前夜の5分、荷物も増えません
  • 家族・グループで行く → レンタルWiFi で1台を分け合う方が安くなる場合があります
  • 数時間の乗り継ぎ・出張の予備 → キャリアの24時間定額を必要な日だけ

渡航先によって、使えるアプリやローミング料金の目安は変わります。韓国旅行の通信準備は金浦・仁川に着いてから困らない — 韓国旅行の通信準備、eSIM・ローミング・WiFiの選び方、台湾旅行は桃園・松山に着いてから困らない — 台湾旅行の通信準備、eSIM・ローミング・WiFiの選び方、家族旅行が多いハワイはホノルル空港に着いてから困らない — ハワイ旅行の通信準備、家族旅行での選び方、ヨーロッパ周遊は国境を越えるたびにSIMを買い替えない — ヨーロッパ周遊旅行の通信準備、eSIM・ローミングの選び方、オーストラリアはオーストラリア旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と出発前チェック、タイはタイ旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と出発前チェック、ベトナムはベトナム旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と出発前チェック、シンガポールはシンガポール旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と出発前チェック、フィリピン・セブ島はフィリピン・セブ島旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と出発前チェック、アメリカ本土はロサンゼルスやニューヨークに着いてから困らない — アメリカ本土旅行の通信準備、eSIM・ローミング・WiFiの選び方、グアムはグアム空港に着いてから困らない — グアム旅行の通信準備、eSIM・ローミング・WiFiの選び方、マレーシアはマレーシア旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と出発前チェック、香港は香港旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と出発前チェック、バリ島はバリ島旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方とインドネシアの実額比較、中国は中国旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と、香港・マカオとの違い、カナダはカナダ旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方とアメリカとの違い、トルコはトルコ旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と「IMEI登録」の誤解を解く、イタリアはイタリア旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方とヨーロッパ周遊プランとの使い分け、イギリスはイギリス旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と「EU圏外」の海外定額事情、フランスはフランス旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と、3日・5日・7日でいくらかかるか、ドイツはドイツ旅行の通信準備 — 出張・乗り継ぎの短期滞在とeSIM、選び方のポイント、スペインはスペイン旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方とヨーロッパ周遊プランとの使い分け、スイスはスイス旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と「EU非加盟」の海外定額事情で、それぞれ渡航先ごとの料金や注意点を整理しています。

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eSIMとレンタルWiFiの両方を扱うサービスの例として、dinomoWiFiの公式サイトで料金を確認できます。

dinomoWiFi(eSIM・SIM・WiFiレンタル)

どの方法でも、渡航先がサービス対象に含まれるかだけは出発前に公式サイトで確認してください。料金・条件は変わるため、この記事の数字は 2026年8月時点の各社公式サイトによるものです。

留学・ワーホリで長期滞在するなら

留学やワーホリで数か月〜1年ほど海外に滞在する場合、この記事で紹介した3つの方法は短期旅行が前提です。日本の番号を残すかどうか、現地の通信をどうするかなど、出発前に決めておきたいことは留学・ワーホリのスマホ、日本の番号はどうする? — 出発前に決める3つのことで整理しています。

よくある不安

eSIM の設定は難しくないですか?

多くのサービスは、購入後に届く QR コードをスマホで読み取り、案内に沿って進めるだけで設定できます。出発前に自宅の Wi-Fi 環境で済ませておけるので、現地で慌てる場面はほとんどありません。アプリの中で購入から設定まで完結するサービスもあります。

自分のスマホが eSIM に対応しているか、どこで確認できますか?

iPhone は XS / XR(2018年発売)以降のモデルが eSIM に対応しています。Android は機種によるため、設定画面の SIM 関連の項目に「eSIM を追加」等の表示があるかで確認できます。あわせて、キャリアで購入した端末は SIM ロックが解除されているかも確認しておくと安心です。

現地でつながらなかったらどうすればいいですか?

eSIM は物理 SIM を入れ替えずに追加する仕組みなので、日本の SIM・回線は端末に残したまま使えます。万一つながらない場合は、キャリアの海外ローミングを一時的に使う保険も効きます(その日数分のローミング料金はかかります)。日本語サポートの有無をサービス選びの基準にしておくと、いざという時に相談できます。現地でつながらないときの具体的な確認手順は、着陸したのに画面が「圏外」のままだったら — 海外でスマホがつながらないときの確認手順 で整理しています。

まとめ

着陸した瞬間に地図が開く旅と、Wi-Fi を探して歩く旅。かかる手間は「出発前夜の5分」の差です。

まずは自分のプランに海外利用が含まれていないかを確認する。含まれていなければ、旅の人数と日数で3つの方法から選ぶ。それだけで、旅の最初の1時間の景色が変わります。通信以外の持ち物、特に変換プラグとモバイルバッテリーの機内持込みルールは海外旅行の持ち物、見落としやすいのは通信と電源まわり — eSIM設定・変換プラグ・モバイルバッテリーの機内持込みルールで整理しています。海外eSIMのサービスをどう選べばいいか基準から知りたい場合は、海外eSIMのおすすめ、どう選ぶ? — 「1位」より先に確認したい5つの基準で整理しています。

ニュージーランドへ渡航する場合の通信手段は、ニュージーランド旅行の通信準備で比較しています。