ングラライ国際空港(通称デンパサール空港)に着陸すると、機内モードのままのスマホには何も表示されません。ホテルまでの配車を呼びたくても、アプリはネットにつながらないと動かない。──バリ島は、着いた瞬間から移動も両替も配車アプリ頼みになる場面が多い旅先です。その準備、出発前にできていますか。

この記事の要点

  • povo2.0にはインドネシア向けの割安な「エリアトッピング」がなく、90以上の国・地域向けの「レギュラートッピング」(1GB/3日間1,480円など)が対象になります(2026年8月時点・povo公式)
  • ドコモ「世界そのままギガ」はインドネシアも国・地域限定割プランの対象国で、24時間980円、7日間パッケージは5,280円です(2026年8月時点・NTTドコモ公式)
  • 年1回のニュピ(静寂の日)では、ングラライ国際空港が24時間閉鎖されるほか、通信・デジタル省の通達にもとづきバリ州内の携帯電話データ通信も一時停止する運用が案内されています(2026年8月時点・バリ州政府公式サイト/ANTARA News報道)

バリ島・インドネシア旅行で通信が特に大事な理由

バリ島は南部のクタ、スミニャック、チャングーからウブドまで、エリアをまたいだ移動が多い旅先です。渋滞や距離を踏まえて配車アプリで移動を手配する場面や、飲食店・買い物先を地図アプリで探す場面が旅程を通して続きます。現地では、東南アジア各国で展開するGrabと、インドネシア発のGojekという2つの配車・フードデリバリーアプリが使われており、いずれもアプリでの利用にデータ通信が必須です(詳しくは後述)。

地図はGoogleマップの経路検索で基本的に困りませんが、配車も地図も両替レートの確認も、スマホがネットにつながっていることが前提です。空港に着いてから通信手段を探すのではなく、出発前に準備しておくと、到着ロビーで立ち止まる時間を減らせます。

通信手段の選択肢 — ローミング・WiFi・eSIM

海外でスマホを使う方法の仕組みの違いは、海外旅行のスマホ、機内モードのまま我慢していませんか — eSIM・レンタルWiFi・ローミングの選び方 で詳しく整理しています。ここでは、インドネシア向けの料金を中心に見ていきます(いずれも2026年8月時点・各社公式)。

方法 インドネシア向けの料金の例 備考
ドコモ「世界そのままギガ」 24時間980円 インドネシアは、日数に応じた割引プラン「国・地域限定割プラン」の対象国です。3日間2,480円、7日間5,280円など、日数ごとの定額料金も用意されています
povo2.0 海外データトッピング レギュラートッピング1GB(3日間)1,480円 インドネシアは、韓国・タイのような割安な「エリアトッピング」の対象外で、90以上の国・地域向けの「レギュラートッピング」が対象になります
レンタルWiFi 事業者・機種により異なる 空港などでの受取・返却の手間がある一方、複数人で1台を分け合えます
eSIM 渡航先・日数・容量で選ぶプラン制 出発前に設定でき、物理SIMの入れ替えは不要です

実額で比べる — 7日間の旅行なら

同じ7日間という条件で確認できる金額だけを比べると、ドコモ「世界そのままギガ」の7日間パッケージは5,280円、povo2.0のレギュラートッピング3GB(7日間)は4,280円です(2026年8月時点・各社公式)。中身は同じではなく、ドコモは契約中のデータ容量の範囲内で使える一方、povoのレギュラートッピングは3GBという上限つきです。韓国・タイ・シンガポールのようにエリアトッピングが用意された渡航先なら3GB(7日間)を2,000円台で買えますが、インドネシアは専用の割安トッピングがない分、povo側の実額はフィリピンと同様に高くなりやすい点は押さえておきたいところです。必要なデータ量の目安は、動画を1本見ただけで低速モードに切り替わった日 — 1GB・3GB・20GBで実際に何ができるかの目安 で確認できます。

契約中のプランにすでに海外利用が含まれている場合もあるため、比較する前に、まず自分の契約を公式アプリで確認しておくと無駄がありません。

eSIMの準備手順

インドネシア用のeSIMも、他の渡航先と同じように、サービスのサイトやアプリでプランを購入し、届いたQRコードを読み取って設定します。iPhone・Androidそれぞれの具体的な操作手順は、「QRコードを読み取ってください」で止まったら — iPhone・AndroidのeSIM設定手順 にまとめています。ここでは、バリ島旅行に向けて押さえておきたいポイントだけ確認します。

  • 渡航先を「インドネシア」、日数を旅行日程に合わせて選ぶ
  • 出発前に自宅などのWi-Fi環境で設定を終えておく
  • 到着後は、データローミングがオンになっているかを確認する

ドコモ公式によれば、インドネシアの現地通信事業者はINDOSAT・XL・TELKOMSELの3社で、いずれもVoLTEに対応した国際ローミングが案内されています(2026年8月時点・NTTドコモ公式)。設定を終えたはずなのに現地で電波を掴まない場合の確認手順は、着陸したのに画面が「圏外」のままだったら — 海外でスマホがつながらないときの確認手順で整理しています。

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バリ島・インドネシアならではの注意点

ニュピ(静寂の日)— 年1回、空港と携帯データ通信に影響する日

バリ島には、ヒンドゥー暦(サカ暦)にもとづく新年の前日「ニュピ(静寂の日)」が年1回あります。2026年は3月19日で、ングラライ国際空港はAirNav Indonesiaが発出したNOTAM(航空情報)にもとづき、当日午前6時から翌日午前6時までの24時間、通常の商用便の運航を停止しました(2026年時点・ANTARA News報道)。

通信面でも影響があります。インドネシア通信・デジタル省は2026年3月12日付の通達(Surat Edaran Nomor 2 Tahun 2026)で、ニュピの期間中バリ州内の通信事業者に携帯電話のデータ通信サービスの一時停止を要請しており、この通達はバリ州政府の公式サイトで公開されています(2026年8月時点・バリ州政府公式サイト掲載)。対象は主にデータ通信です。報道では、通話・SMS・宿泊施設のWi-Fiは対象外とされています(現地報道ベース・通達原文の例外規定は要確認)。ニュピと旅程が重なる場合は、この間eSIMやローミングのデータ通信が使えないものとしてフライト前後の予定を確認しておくと安心です。日付は毎年変わるため、渡航年の正確な日程は出発前に公式情報で確認してください。

Gojek・Grabでの移動にはデータ通信が前提

Grab公式サイトによれば、Grabはインドネシアで配車(GrabBike・GrabCar)やフードデリバリーのGrabFoodなどをアプリで提供しています(2026年8月時点・Grab公式)。インドネシア発のGojekも、公式サイトで配車やフードデリバリーのGoFoodなどのサービスを案内しています(2026年8月時点・Gojek公式)。どちらもアプリでの配車依頼や注文にデータ通信が必須のため、南部の観光エリアを日中こまめに移動する旅程では、地図アプリと合わせてある程度まとまったデータ量を見込んでおくと安心です。

よくある不安

ニュピ(静寂の日)に旅行が重なると、通信はどうなりますか?

バリ島では年1回、ヒンドゥー暦にもとづく「ニュピ(静寂の日)」があり、2026年は3月19日でした。この期間はングラライ国際空港が24時間閉鎖されるほか(2026年時点・ANTARA News報道)、インドネシア通信・デジタル省が発出した通達(Surat Edaran Nomor 2 Tahun 2026)にもとづき、バリ州内で携帯電話のデータ通信サービスを一時停止するよう通信事業者に要請する運用が案内されています(2026年8月時点・バリ州政府公式サイト掲載)。報道では通話・SMS・宿泊施設のWi-Fiは対象外とされていますが、eSIMやローミングのデータ通信はこの間つながらなくなる想定で旅程を組んでおくと安心です。

バリ向けのeSIMとローミングは、料金をどう比べればいいですか?

料金の決まり方が違うため単純比較はできませんが、目安にはなります。povo2.0はインドネシア向けの割安な「エリアトッピング」がなく、90以上の国・地域向けの「レギュラートッピング」が対象になります。1GB(3日間)1,480円、3GB(7日間)4,280円です(2026年8月時点・povo公式)。ドコモの「世界そのままギガ」はインドネシアも国・地域限定割プランの対象国で、24時間980円、7日間パッケージは5,280円です(2026年8月時点・NTTドコモ公式)。eSIMは渡航先・日数・容量で選ぶプラン制なので、自分の旅行日程に当てはめて各社公式サイトで確認するのが確実です。

バリ用のeSIMの設定は、他の国と何か違いますか?

設定の操作自体は同じで、QRコードの読み取りやアプリ内の手順など、サービスが案内する方法で進めます。バリ向けとして選ぶのは、渡航先を「インドネシア」に指定したプランという点だけです。

バリと同じ東南アジア方面の旅先としては、タイ旅行の通信準備 — eSIM・ローミングの選び方と出発前チェックも、料金や注意点の参考になります。

まとめ

バリ島は、配車も両替レートの確認も、現地のアプリとネット環境が前提になっている旅先です。povo2.0はインドネシア向けの割安な「エリアトッピング」がなくレギュラートッピングでの利用になる点、ドコモ「世界そのままギガ」は国・地域限定割プランの対象国として日数に応じた料金が使える点——料金の実額はこの記事の表で確認できます。あわせて、年1回のニュピでは空港が24時間閉鎖されるだけでなく、バリ州内のデータ通信も一時停止する運用が案内されている点は、旅程が重なる場合に覚えておきたいところです。ローミング・WiFi・eSIMのどれを選ぶにしても、まず自分の契約に海外利用が含まれていないかを確認し、含まれていなければ旅行日数と人数、訪問エリアに合わせて選ぶ——その順番は、他の国への旅行と変わりません。