リビングの主役として、家族が集まる時間帯はほぼ点きっぱなしというお宅も多いテレビ。大画面化・高画質化が進む一方で、「うちのテレビの電気代は、いったいどのくらいなのか」という素朴な疑問には、なかなか答えにくいものです。資源エネルギー庁が毎年公表しているテレビの省エネ性能データから、サイズ別・パネル方式別に年間の実額を計算してみます。

この記事の要点

  • テレビの電気代は「年間消費電力量(kWh/年)×31円/kWh」で計算できます。資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」の掲載機種を集計すると、32V型(液晶)で61kWh/年(約1,891円)、55V型(液晶)で157kWh/年(約4,867円)、65V型(有機EL)で229kWh/年(約7,099円)でした(2026年8月時点・同庁公式カタログにもとづく本記事集計)
  • 同じサイズで比べると、有機ELは液晶より年間消費電力量が大きい傾向があります。55V型では液晶157kWh/年に対し有機EL186kWh/年、65V型では液晶198kWh/年に対し有機EL229kWh/年と、いずれも約1.2倍でした
  • 年間消費電力量は「1日5.1時間視聴」という同庁の算出基準にもとづくため、これを時間換算すると、つけっぱなし1時間あたり32V型で約1.0円、65V型(有機EL)で約3.8円という目安になります

年間の電気代はどう計算する? — 年間消費電力量×31円/kWh

テレビのカタログや店頭の統一省エネラベルには「年間消費電力量」という数値が表示されています。これは資源エネルギー庁の算出基準にもとづき、一般家庭での1日1台あたりの平均視聴時間5.1時間を基準として測定された、1年間の消費電力量の目安(kWh/年)です(2026年8月時点・資源エネルギー庁公式)。ここに、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価31円/kWh(税込・令和4年7月22日改定)を掛けると、年間の電気代の目安が計算できます(2026年8月時点・同協議会公式)。

年間消費電力量(kWh/年) × 31円/kWh = 年間の電気代の目安

冷蔵庫の電気代も同じ計算式で目安を出せます。容量別・年式別の実額は冷蔵庫の電気代は年間いくら? — 容量別・年式別の年間消費電力量から計算するで整理しています。

サイズ・パネル方式別に見る年間消費電力量

資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」のテレビ・省エネ性能一覧には、掲載されている全機種の型番ごとに年間消費電力量が公表されています。このうち代表的なサイズ(32V/43V/55V/65V)の機種を本記事で単純平均すると、次のようになりました。本集計はカタログ掲載の全機種の単純平均(販売台数による加重なし・小数点以下四捨五入)で、パネル方式はカタログの区分に従いました。

サイズ・パネル方式 年間消費電力量(掲載機種平均) 年間の電気代(目安)
32V型(液晶) 61kWh/年 約1,891円
43V型(液晶) 124kWh/年 約3,844円
55V型(液晶) 157kWh/年 約4,867円
55V型(有機EL) 186kWh/年 約5,766円
65V型(液晶) 198kWh/年 約6,138円
65V型(有機EL) 229kWh/年 約7,099円

(出典: 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」テレビ・省エネ性能一覧に掲載された全機種データから、本記事が該当サイズの機種[32V型40機種・43V型33機種・55V型は液晶40機種/有機EL26機種・65V型は液晶44機種/有機EL29機種]を単純平均。2026年8月時点)

なお32V型は、同カタログの分類上「2K未満」(フルHD非対応)のモデルが大半を占めており、上表の61kWh/年もこの区分の平均です。フルHD対応の32V型(5機種)に限ると、平均72kWh/年とやや高くなります。サイズが大きくなるほど年間消費電力量が増える傾向は液晶・有機ELとも共通していますが、同じサイズで比べると有機ELの方が液晶より高く、55V型・65V型のいずれも有機ELは液晶の約1.2倍でした。有機ELは画素が自発光する構造のため、明るい映像ほど消費電力が増えやすいことが背景にあると考えられます。

「つけっぱなし」1時間はいくら?待機電力の考え方

上の年間消費電力量は「1日5.1時間視聴」という資源エネルギー庁の算出基準にもとづいています(2026年8月時点・同庁公式)。この基準で時間あたりに換算すると、次のような目安になります。

サイズ・パネル方式 つけっぱなし1時間あたりの目安
32V型(液晶) 約1.0円
43V型(液晶) 約2.1円
55V型(液晶) 約2.6円
55V型(有機EL) 約3.1円
65V型(液晶) 約3.3円
65V型(有機EL) 約3.8円

(前掲の年間消費電力量を「1日5.1時間視聴」基準で時間換算し、31円/kWhを掛けた目安。実際の視聴時間や画面設定によって変わります。2026年8月時点)

一方、電源を消したあとの待機電力については、資源エネルギー庁は「見ていないテレビは消しましょう」としたうえで、「リモコンで電源OFFにしましょう」「旅行等、長期間使用しないときは、本体の主電源でOFFにするか電源プラグを抜く」と案内しています。ただし主電源を切ると、番組表などの自動ダウンロードや、録画機能内蔵テレビの予約録画ができなくなる機種がある点には注意が必要です(2026年8月時点・資源エネルギー庁公式)。家庭全体の待機電力が電気代に占める割合や、機器ごとの現実的な対処法は夜、家電の待機ランプが並んで光っているのに気づいたら — 待機電力は電気代の何%?資源エネルギー庁データで見る現実的な削り方で詳しく整理しています。

画面の明るさ設定で節電できること

視聴時間そのものを減らさなくても、画面の設定を見直すことで消費電力量を抑えられます。資源エネルギー庁が公表している実測データによると、32V型の液晶テレビで画面の輝度を「最大」から「中間」に変更した場合、年間で27.10kWhの省エネになりました。31円/kWhで換算すると、年間約840円の節約に相当します(2026年8月時点・資源エネルギー庁公式、データは一般財団法人省エネルギーセンターの実測値)。

このほか、最近の機種には部屋の明るさに合わせて画面の明るさを自動調整する「明るさセンサー」、一定時間信号がないと電源を切る「無信号自動OFF」、一定時間操作がないと電源を切る「無操作自動OFF」といった省エネ機能が搭載されています。節電機能の名称や設定方法はメーカーによって異なるため、取扱説明書で確認するとよいでしょう(2026年8月時点・資源エネルギー庁公式)。家庭全体の電気代の中でテレビがどのくらいの割合を占めるかを確かめたい場合は、家族が増えて電気代がぐっと上がった気がしたら — 世帯人数別の電気代平均と比べ方で紹介している世帯人数別の平均額と照らし合わせると目安がつかめます。

よくある疑問

テレビの電気代は年間いくらですか?

計算式は「年間消費電力量(kWh/年)×31円/kWh」です(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価。2026年8月時点・同協議会公式)。資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」に掲載されている機種の年間消費電力量をサイズ別に集計すると、32V型(液晶)で61kWh/年(約1,891円)、43V型(液晶)で124kWh/年(約3,844円)、55V型で液晶157kWh/年(約4,867円)・有機EL186kWh/年(約5,766円)、65V型で液晶198kWh/年(約6,138円)・有機EL229kWh/年(約7,099円)でした(2026年8月時点・同庁公式カタログ掲載機種にもとづく本記事集計)。

液晶と有機ELではどちらが電気代が高いですか?

同カタログに掲載されている機種で比べると、同じサイズでは有機ELの方が年間消費電力量が大きい傾向があります。55V型では液晶157kWh/年に対し有機EL186kWh/年、65V型では液晶198kWh/年に対し有機EL229kWh/年と、いずれも約1.2倍でした。有機ELは画素ごとに自発光する構造上、明るい映像で消費電力が増えやすいことが背景と考えられますが、本記事の数値は掲載機種の単純平均であり、個別機種の省エネ性能によって差があります(2026年8月時点・資源エネルギー庁公式カタログにもとづく本記事集計)。

テレビをつけっぱなしにすると1時間いくらかかりますか?

資源エネルギー庁のカタログに記載された年間消費電力量は「1日5.1時間視聴」を基準に算出されているため、これをもとに1時間あたりの目安を計算すると、32V型(液晶)で約1.0円、43V型(液晶)で約2.1円、55V型で液晶約2.6円・有機EL約3.1円、65V型で液晶約3.3円・有機EL約3.8円でした(2026年8月時点・同庁公式カタログの算出基準にもとづく試算)。電源を切ったあとの待機電力については、主電源をOFFにすることが基本の対策として案内されています(2026年8月時点・資源エネルギー庁公式)。

まとめ

テレビの電気代は「年間消費電力量×31円/kWh」で目安を計算でき、資源エネルギー庁のカタログ掲載機種を集計すると32V型で年間約1,900円、65V型(有機EL)で年間約7,100円という幅がありました。同じサイズでは有機ELが液晶より1.2倍前後高くなる傾向もデータから確認できます。年間消費電力量は「1日5.1時間視聴」基準のため、つけっぱなし1時間あたりに換算すると1円台〜4円弱が目安です。画面の輝度を最大から中間にするだけでも年間800円台の節約になるため、買い替えを待たずにできる対策として試す価値があります。