24時間365日、休むことなく稼働し続ける冷蔵庫。エアコンのようにスイッチを切ることもできないため、「うちの電気代のうち、冷蔵庫はどのくらいを占めているのだろう」と気になっても、月々の検針票からは切り分けようがありません。年間の消費電力量というカタログの数字から、実額を計算してみます。
この記事の要点
- 冷蔵庫の電気代は「年間消費電力量(kWh/年)×31円/kWh」で計算できます。資源エネルギー庁の容積帯別データ(2024年)では、201〜250Lで305kWh/年(約9,455円)、501L以上で279kWh/年(約8,649円)でした(2026年8月時点・同庁公式)
- 資源エネルギー庁は「冷蔵庫は、容積に比例して年間消費電力が必ずしも大きくなるわけではありません」と公式に説明しています。2024年データでも、最も大きい501L以上のグループが最も年間消費電力量が小さいという逆転が確認できます(同庁公式)
- 同じ容積帯でも、年間消費電力量は2016年と2024年を比べると下がっています(年によっては前年より増えています)。401〜450Lクラスは2016年の353kWh/年から2024年には292kWh/年まで減少しましたが、電気代にすると差は年1,891円前後。本体価格÷この差額が損益分岐で、計算例はこちら(2026年8月時点・同庁公式)
- 電気の単価側の見直しを考える方は契約の比較候補(広告)へ。買い替え判断には環境省「しんきゅうさん」も使えます(環境省公式)
年間の電気代はどう計算する? — 年間消費電力量×31円/kWh
冷蔵庫のカタログや本体の表示ラベルには「年間消費電力量」という数字が記載されています。これは日本工業規格JIS C 9801:2015にもとづき測定された、1年間の消費電力量の目安(kWh/年)です(2026年8月時点・資源エネルギー庁公式)。ここに、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価31円/kWh(税込・令和4年7月22日改定)を掛けると、年間の電気代の目安が計算できます(2026年10月時点・同協議会公式)。
年間消費電力量(kWh/年) × 31円/kWh = 年間の電気代の目安
資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」に掲載されている、容積帯別の年間消費電力量(2024年の平均値)で計算すると、次のようになります。
| 定格内容積 | 年間消費電力量(2024年) | 年間の電気代(目安) |
|---|---|---|
| 201〜250L | 305kWh/年 | 約9,455円 |
| 301〜350L | 338kWh/年 | 約10,478円 |
| 401〜450L | 292kWh/年 | 約9,052円 |
| 501L以上 | 279kWh/年 | 約8,649円 |
(出典: 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」電気冷蔵庫・容積別年間消費電力量の推移。2026年8月時点)
この記事で使った容積帯は201Lからで、一人暮らし向けの150L前後といった小型クラスの数値は取れていません。小型機の電気代がこの表より小さくなるかどうかは、この記事では判断できません。手元の機種の年間消費電力量は、本体の表示ラベルかメーカーのカタログで型番ごとに確認し、31円/kWhを掛けてください。なお、表の数値は容積帯の平均で、個々の機種の値ではありません。
容量が大きいほど高い、とは限らない — 逆転現象を公式データで確認
上の表を見ると、意外なことに気づきます。最も容量の大きい「501L以上」のグループが、201〜250Lや301〜350Lのグループより年間消費電力量が小さいのです。
これは偶然ではありません。資源エネルギー庁は同カタログで「冷蔵庫は、容積に比例して年間消費電力が必ずしも大きくなるわけではありません。詰め込み過ぎと感じるようならば、大きいサイズの冷蔵庫も検討してみましょう」と公式に説明しています(2026年8月時点・同庁公式)。そのうえで「一般的に、容積が大きいほど年間消費電力量は大きくなりますが、インバータ制御や真空断熱材を導入した製品は、省エネ性が高くなっています」とも述べており、大容量帯の製品ほど新しい省エネ技術が積極的に搭載されている傾向が、この逆転を生んでいると説明されています(同庁公式)。容量だけで電気代を判断せず、年間消費電力量の実数を確認することが重要だとわかります。
容量を上げる買い替えで、電気代はどれだけ変わるか
2024年の容積帯平均どうしで差を出すと、次のようになります(31円/kWhで計算した目安)。
- 201〜250L(305kWh/年)→ 501L以上(279kWh/年): 26kWh/年の差で約806円/年
- 301〜350L(338kWh/年)→ 501L以上(279kWh/年): 59kWh/年の差で約1,829円/年
容量を上げても電気代が増えない場合はありますが、電気代が下がる額は平均値の比較では年に数百〜2,000円弱です。「詰め込みすぎて冷えにくい」「容量が足りない」といった使い勝手の理由があるときに、電気代が増えにくいという裏づけとして使う数字で、電気代の削減だけを目的に容量を上げる根拠としては小さい額です。個々の機種では帯の平均と異なるため、候補機種の年間消費電力量で再計算してください。
10年前の冷蔵庫と比べると? — 買い替え判断の軸
同じ容積帯でも、年間消費電力量は2016年と2024年を比べると下がっています(年によっては前年より増えています)。資源エネルギー庁の公式データ(401〜450Lクラス)を見ると、2016年は353kWh/年でしたが、2024年には292kWh/年まで下がりました。201〜250Lクラスも2016年365kWh/年から2024年305kWh/年、501L以上クラスも2016年339kWh/年から2024年279kWh/年へと、いずれの容積帯でも2016年より2024年のほうが少なくなっています(2026年8月時点・同庁公式)。
同カタログには、2010〜11年度モデルと2020〜21年度モデルの機能比較表も掲載されており、主流の容量が「400Lクラス以上」から「500L以上(600L以上クラスも)」へ拡大したこと、冷蔵室・野菜室の鮮度保持機能、製氷機能、収納性、デザインまで幅広く進化したことが紹介されています(出典: 一般社団法人日本電機工業会。2026年8月時点・資源エネルギー庁公式カタログより引用)。数字としての「何%省エネになったか」は機種の組み合わせによって変わるため、本記事では一律の割合は示さず、年式ごとの平均データと公的ツールでの確認を優先しています。
買い替えの損益分岐 — 電気代の差で元は取れるか
2016年と2024年の容積帯平均の差を、31円/kWhで年間の電気代に直します(平均どうしの目安で、手元の機種の差ではありません)。
| 容積帯 | 2016年 | 2024年 | 差 | 年間の差額(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 201〜250L | 365kWh/年 | 305kWh/年 | 60kWh | 約1,860円 |
| 401〜450L | 353kWh/年 | 292kWh/年 | 61kWh | 約1,891円 |
| 501L以上 | 339kWh/年 | 279kWh/年 | 60kWh | 約1,860円 |
(出典: 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」。2026年8月時点)
損益分岐は「本体価格 ÷ 年間の差額 = 電気代で元が取れるまでの年数」で考えます。401〜450Lの差額1,891円/年で計算すると、次のとおりです(本体価格は計算例の仮定で、実際の価格ではありません)。
- 差額の10年分は約18,910円。電気代の差だけで元が取れるのは、買い替え費用がこれ以内の場合です
- 本体価格を10万円と仮定すると、10万円 ÷ 1,891円 ≒ 約53年
つまり、2016年前後以降の冷蔵庫が正常に動いているなら、電気代の差だけでは買い替えの元は取りにくい計算になります。一方で、より古い年式の機種や、実測の消費電力が大きい機種では差が広がるため、型番を入力して比べる価値があります(このカタログの範囲では、2016年より前の年式の数値は取れていません)。故障して買い替えが決まっている場合は、候補機種の年間消費電力量を見比べ、差額が年間いくらになるかを同じ式で確認すれば足ります。
買い替えず使い方を直した場合との比較
この後の節で示す資源エネルギー庁の公表値と並べると、使い方の見直しは買い替え1回分の年式差に近い効果が出ます。設定温度を「強」から「中」にする(61.72kWh、約1,913円/年)は、上の年式差(約1,860〜1,891円/年)と同程度です。詰め込みを半分にする(43.84kWh)と壁から適切な間隔を空けて設置する(45.08kWh)を加えた3つの合計は150.64kWh、約4,670円/年になります。ただしこれらは試算の前提が別々で、足し合わせは目安にとどまります。条件が当てはまるなら、費用をかけずに試せる順に、使い方の見直しから始める考え方もできます。
結論が分かれる条件
- 年式が2016年前後以降で正常に動いている: 電気代の差だけでは買い替えの元は取りにくい。使い方の見直しを先に
- 故障・容量不足・詰め込みで買い替えが決まっている: 候補機種の年間消費電力量×31円で比べる。容量を上げても帯の平均では電気代が増えにくい
- 年式が古い、または設置条件(壁との間隔・周囲温度)が悪い: 型番を入力して比べる価値がある
手元の機種と最新機種を具体的な数字で比べたい場合は、環境省が運営する「しんきゅうさん」が使えます。購入年やメーカー・型番を入力すると、買い替えた場合の目安の消費電力量やCO2排出量を比較できる公式ツールです(2026年8月時点・環境省公式)。エアコンの買い替えを検討する際の消費電力の考え方は、エアコンの電気代は1時間いくら? — 消費電力×時間×31円の計算式で確かめるで整理しています。冷蔵庫は年間で計算しましたが、洗濯機のように使うたびの1回あたりで電気代を計算する家電もあります。同じ家電の電気代シリーズとして洗濯機の電気代は1回いくら? — 「洗濯のみ」と「乾燥あり」で電気代はここまで変わるで整理しています。
冷蔵庫の消費電力量とは別に、電気の単価も見直せる
ここまでの計算は、冷蔵庫の年間消費電力量を減らす話でした。年間の電気代は「消費電力量×単価」なので、単価側は契約で変わります。今の契約で納得している方や、使い方の見直しで十分な方は、読み飛ばして問題ありません。契約の比較先を探す方に向けて、候補を挙げておきます。
設置・使い方で節電できること — 資源エネルギー庁の公表値
買い替え以外にも、設置場所や使い方で節電できる余地があります。資源エネルギー庁が公表している年間の削減電力量に、31円/kWhを掛けて目安の節約額をまとめました(2026年8月時点・同庁公式にもとづく計算)。
| 行動 | 年間の削減電力量 | 目安の節約額 |
|---|---|---|
| ものを詰め込みすぎない(半分にする) | 43.84kWh | 約1,359円 |
| 無駄な開閉をしない | 10.40kWh | 約322円 |
| 開けている時間を短くする(20秒→10秒) | 6.10kWh | 約189円 |
| 設定温度を「強」→「中」にする | 61.72kWh | 約1,913円 |
| 壁から適切な間隔を空けて設置する | 45.08kWh | 約1,397円 |
設定温度の効果は周囲温度22℃時の試算、設置間隔の効果は上と両側が壁に接している場合との比較にもとづく数値です(2026年8月時点・資源エネルギー庁公式)。検針票に並ぶ電力量料金や燃料費調整額の内訳まで含めて見直したい場合は、検針票の「燃料費調整額」に目が留まったら — 電気代の内訳と再エネ賦課金の読み方もあわせてご覧ください。
よくある疑問
冷蔵庫の電気代は年間いくらですか?
計算式は「年間消費電力量(kWh/年)×31円/kWh」です(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価。2026年8月時点・同協議会公式)。資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」の容積帯別データ(2024年)では、201〜250Lで305kWh/年(約9,455円)、301〜350Lで338kWh/年(約10,478円)、401〜450Lで292kWh/年(約9,052円)、501L以上で279kWh/年(約8,649円)でした(2026年8月時点・同庁公式)。
冷蔵庫は容量が大きいほど電気代が高くなりますか?
必ずしもそうとは限りません。資源エネルギー庁は「冷蔵庫は、容積に比例して年間消費電力が必ずしも大きくなるわけではありません」と公式に説明しています。2024年の容積帯別データでも、最も容量の大きい501L以上のグループ(279kWh/年)が、201〜250L(305kWh/年)や301〜350L(338kWh/年)より年間消費電力量が小さくなっています。インバータ制御や真空断熱材など省エネ技術の搭載状況が容量以上に影響するためです(2026年8月時点・同庁公式)。
冷蔵庫の買い替えは何を基準に判断すればいいですか?
資源エネルギー庁の公式データでは、同じ容積帯でも年間消費電力量は2016年と2024年を比べると下がっており(年によっては前年より増えている)、たとえば401〜450Lクラスは2016年の353kWh/年から2024年には292kWh/年まで減少しています(2026年8月時点・同庁公式)。手元の機種と最新機種を具体的に比べたい場合は、環境省の「しんきゅうさん」で型番を入力すると、買い替えた場合の目安の消費電力量を確認できます。電気代の差だけで見ると、401〜450Lクラスの2016年と2024年の平均差は61kWh/年(約1,891円/年)で、「本体価格÷年間差額」が元を取るまでの年数の目安です(31円/kWh、2026年10月時点・公取協。カタログ数値は2026年8月時点)。故障や容量不足で買い替えが決まっている場合は、候補機種の年間消費電力量で同じ式を使います。使い方の見直しも効果があり、設定温度「強」→「中」は約1,913円/年の削減です(2026年8月時点・資源エネルギー庁公式)。
まとめ
冷蔵庫の電気代は「年間消費電力量×31円/kWh」で目安を計算でき、容積帯によって年間8,600円台〜10,500円台という幅があります。ただし容量が大きいほど高くなるとは限らず、資源エネルギー庁の公式データでは最も大きい501L以上のグループが最も年間消費電力量の小さい年もあります。省エネ技術の進化により、同じ容積帯でも年式が新しいほど年間消費電力量は下がる傾向が続いているため、ただし電気代にした年式差は年1,900円前後で、本体価格÷年間差額が損益分岐のため、正常に動いている2016年前後以降の機種なら電気代だけでは元を取りにくい計算です(計算例)。買い替えを検討する際は「しんきゅうさん」のような公的ツールで具体的な数字を確認するのが確実で、電気の単価側を見直したい方は契約の比較候補もあります。エアコンの電気代の計算方法はエアコンの電気代は1時間いくら? — 消費電力×時間×31円の計算式で確かめるで整理しています。同じく設定温度を保つために常時通電するキッチン家電として、ウォーターサーバーの電気代はウォーターサーバーの電気代は月いくらかで確認できます。
ほかの家電の電気代も比べたい場合は、家電の電気代 早見表でまとめて確認できます。




