搭乗案内のアナウンスが流れた瞬間、スマホの設定を何も終えていないことに気づく。機内モードは今オンにすればいいのか、eSIMは今入れて大丈夫なのか、到着したら何を触ればいいのか——検索すると断片的な情報がいくつも出てきて、結局どれが正解か分からないままゲートをくぐる。そんな経験はありませんか。
この記事の要点
- スマホの設定は「出発前」「機内」「到着後」「帰国後」の4つのタイミングに分けると迷いません
- 出発前に済ませるのは、自宅のWi-Fi環境でのeSIMインストールと、自国SIMのデータローミングをオフにしておくことです(2026年9月時点・Apple/Google公式)
- 到着後にモバイル通信を使うなら、渡航用回線側のデータローミングをオンにし、自国SIMのデータローミングはオフのままにしてから機内モードをオフにする順番にすると、高額請求のリスクを抑えられます(自国SIMの回線自体をオンに残す場合、音声・SMSは現地キャリアに接続されます)
海外でスマホを使う方法そのものの選び方は海外旅行の通信はeSIM・レンタルWiFi・ローミングのどれ? — 3つの違いと選び方で、eSIMの実際のQRコード読み取り手順はeSIMのQRコード読み取り方 — iPhone・Androidの設定手順とつまずき対処で、機内モードとデータローミングの仕組みの違いは海外で機内モードにしたらWi-Fiまで使えなくなった — 正しいオン・オフの使い方と高額請求を防ぐ設定で、日本の番号宛のSMS受信については海外にいても、日本の番号宛のSMSは受け取れる?で、それぞれ詳しく解説しています。この記事では、それらを出発前・機内・到着後・帰国後という時系列でまとめ、迷わず順番どおりに進められるように整理します。
4つのタイミングで考えると迷わない
海外旅行のスマホ設定に関する情報は、機内モード・データローミング・eSIM・SMSと項目ごとにバラバラに出てきます。しかし、実際に手を動かすタイミングで整理すると、次の4つしかありません。
- 出発前 — 自宅で、落ち着いて済ませておくこと
- 機内 — 搭乗中、電波を発しない状態を保つこと
- 到着後 — 現地の電波(またはWi-Fi)に安全に切り替えること
- 帰国後 — 元の状態に戻し、意図しない通信を防ぐこと
出発前 — eSIMのインストールとデータローミングの確認
出発前にやるべきことは2つです。
- 渡航用eSIMのインストール — eSIMのインストールには安定したインターネット接続が必要なため、自宅などのWi-Fi環境で済ませておきます(2026年9月時点・Apple公式)。実際のQRコード読み取り手順はeSIMのQRコード読み取り方で画面ごとに解説しています
- 自国SIMのデータローミングをオフにする — 到着後に意図せず現地の提携キャリアへ接続し、高額請求につながる主な原因が、自国SIMのデータローミングがオンになったままの状態です。渡航用eSIM側は逆にオンにしておく必要があるため、「自国SIMはオフ、渡航用回線はオン」という組み合わせを事前に確認しておきます
機内 — 機内モードはオン、Wi-Fiだけ個別にオンにできる
搭乗前後は、航空会社の案内に従って機内モードをオンにします。ここで押さえておきたいのは、機内モードをオンにしたあとでも、Wi-FiやBluetoothだけを個別にもう一度オンにできるという仕組みです。Apple公式サポートは「航空会社で許可されている場合は、機内モードにしている間にWi-FiやBluetoothを使用できます」と案内しています(2026年9月時点・Apple公式)。Androidも同様で、Google Pixel ヘルプは、機内モードをオンにするとWi-FiとBluetoothは一度オフになるものの、設定を変えればワイヤレス接続をオンのままにしておけると案内しています(2026年9月時点・Google Pixel ヘルプ公式)。一度オンにした状態は端末に記憶されるため、次回以降は機内モードをオンにしてもWi-Fiがオフに戻らない、という挙動になります。
「機内モード=すべての通信が使えなくなる」のではなく、「モバイル回線だけを止めて、Wi-Fiは選んで使える」という理解にしておくと、空港の無料Wi-Fiにも迷わず接続できます。
到着後 — モバイル通信を使うなら、回線を確認してから機内モードをオフに
到着後の操作は、Wi-Fiだけで過ごすか、モバイル通信も使うかで分かれます。
- Wi-Fiだけで足りる場合 — 機内モードはオンのまま、Wi-Fiだけを個別にオンにすれば、自国SIMのモバイル回線が動かないため、意図しないデータ通信の心配がありません
- 渡航用eSIMでモバイル通信も使う場合 — 先にモバイルデータの優先回線が渡航用eSIM側になっているか、自国SIMのデータローミングがオフのままかを確認し、そのうえで機内モードをオフにします。ここで防げるのは自国SIM経由のデータ通信であり、自国SIMの回線自体をオンのまま残している場合、音声・SMSは現地の提携キャリアに接続されます(日本の番号宛のSMSを受け取るためにはむしろこの接続が必要になります。詳しくは後述)
具体的な操作パスは次のとおりです(2026年9月時点・Apple/Google公式)。
| 操作 | iPhone | Android(Google Pixelの例) |
|---|---|---|
| データローミングの確認 | 「設定」→「モバイル通信」→ 対象の回線→「通信のオプション」→「データローミング」 | 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→ 対象の回線→ ローミング |
| モバイルデータの優先回線 | 「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」→ 使用する番号を選択 | 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→「プライマリSIM」→「モバイルデータ」→ 使用するSIMを選択 |
| Wi-Fiだけオンにする | コントロールセンターまたは「設定」→「Wi-Fi」 | 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「インターネット」 |
機種によってメニューの名称が異なる場合があります。迷ったときは、設定アプリ内の検索窓に「データローミング」や「eSIM」と入力すると、該当のメニューに早く到達できます。
日本の番号宛のSMSも受け取りたい場合
認証コードなど、日本の番号宛のSMSを海外でも受け取りたい場合は、自国SIMの回線自体は解約・停止せず「オン」のまま残しておく必要があります。データ通信は渡航用eSIM側に寄せても、自国SIMの回線が有効であれば、各キャリアの海外ローミング条件でSMSを受信できます。キャリアごとの受信料金や事前設定の要否は海外にいても、日本の番号宛のSMSは受け取れる? — 認証コードを受信する3つのパターンと料金で整理しています。
帰国後 — 元の設定に戻す
帰国後は、次の2点を確認しておくと、意図しない海外データ通信の発生を防げます。
- モバイルデータの優先回線を、渡航用eSIMから日本の回線に戻す
- 自国SIMのデータローミングをオフに戻す
渡航用のeSIMを削除すると、次回同じ地域へ行くときの再取得にサービス事業者への問い合わせが必要になる場合があります(2026年9月時点・Apple公式)。次回も使う予定があるなら削除せずそのまま残しておくほうが再設定の手間を避けられます。自動更新・自動チャージの有無はプランによって異なるため、削除する・しないにかかわらず契約先の規約で確認しておくと安心です。
出発前・機内・到着後・帰国後 — 4段階まとめ
| タイミング | やること |
|---|---|
| 出発前 | 自宅Wi-Fiで渡航用eSIMをインストール/自国SIMのデータローミングをオフに |
| 機内 | 機内モードをオン/Wi-Fiだけ個別にオンも可能 |
| 到着後 | モバイル通信を使うなら回線を確認してから機内モードをオフ/Wi-Fiだけなら機内モードはオンのまま |
| 帰国後 | 優先回線を日本の回線に戻す/自国SIMのデータローミングをオフに戻す |
この順番さえ覚えておけば、空港やホテルで設定画面とにらめっこする時間がなくなり、着陸してすぐ地図アプリを開く、という旅の続きに集中できます。
よくある不安
出発前に何をどの順番で設定すればいいですか?
自宅のWi-Fi環境で渡航用eSIMのインストールを終え、自国SIMのデータローミングをオフにしておくのが基本です。この2つは搭乗までに済ませておけば、空港で操作に迷う場面が減ります。機内モードのオン・オフ自体は、保安検査や搭乗のタイミングで航空会社の案内に従ってください。
到着後、機内モードはいつオフに戻せばいいですか?
Wi-Fiだけで過ごすなら、機内モードはオンのままWi-Fiだけを個別にオンにすれば、自国SIMのモバイル回線が動かないため、意図しないデータ通信の心配がありません。渡航用のeSIMでモバイル通信も使う場合は、モバイルデータの優先回線を渡航用に切り替え、自国SIMのデータローミングはオフのままにしてから機内モードをオフにするのが安全です。ただし自国SIMの回線自体をオンのまま残している場合、音声・SMSは現地の提携キャリアに接続されます(日本の番号宛のSMS受信にはこの接続が必要です)。
帰国後にやることはありますか?
モバイルデータの優先回線を日本の回線に戻し、自国SIMのデータローミングをオフに戻しておくと、帰国後に意図しない海外データ通信が発生するのを防げます。渡航用eSIMを削除すると、次回同じ地域へ行くときの再取得にサービス事業者への問い合わせが必要になる場合があります(2026年9月時点・Apple公式)。再利用の予定があるなら削除せず残しておき、自動更新・自動チャージの有無は契約先の規約で確認してください。
まとめ
海外旅行のスマホ設定は、出発前・機内・到着後・帰国後の4つのタイミングに分けると迷いません。出発前に自宅でeSIMのインストールとデータローミングの確認を終え、機内は機内モードをオンにしたままWi-Fiだけ個別にオン、到着後はモバイル通信を使うなら回線を確認してから機内モードをオフ、帰国後は設定を元に戻す——この順番を覚えておけば、現地で操作に手間取る場面はほとんどなくなります。各項目のより詳しい手順は、eSIMのQRコード読み取り方・機内モードとデータローミングの違い・日本の番号宛のSMSの受け取り方であわせて確認してください。
年末年始など出発時期が決まっている場合は、パスポートや電子渡航認証の期限とあわせて年末年始の海外旅行、パスポート・ESTA・K-ETAはいつまでに?で確認しておくと、直前に慌てずに済みます。




