「海外はチップが必要」と聞いても、いくら渡せばいいのかは国によってまちまちで、調べるほど情報が割れていきます。この記事では、政府観光局や政府のサイトなど、公的・公式の記載がある国だけを表にしました。パーセントの数字は、公式に書いてある場合だけ載せています。公式の目安が見当たらない国は「見当たらない」と書きました。
この記事の要点
- チップの相場を公式の案内で確認できたのは、ハワイ・グアム・英国・スイス・豪州・台湾など一部の国・地域です(2026年10月時点)
- 米国本土・フランス・タイ・ドイツ・イタリア・シンガポールは、今回調べた範囲では公的な%の目安が見当たりませんでした
- 相場より先に、請求書にサービス料が入っているかを確認するのが基本です。入っている国では、追加のチップは任意と案内されていることがあります
なぜ「公式の案内がある国だけ」にしたのか
チップの相場は、ブログや動画でさまざまな数字が紹介されています。ただ、それらは書いた人の経験や時期によって差があり、どれが現在も通用する数字なのかを、読む側が確かめるのは大変です。そこでこの記事は、各国の政府観光局や政府系サイトに実際に書いてあることだけを拾いました。
公式の記載は国によって濃淡があります。ハワイのように金額まで書いてある地域もあれば、「義務ではない」としか書いていない国、そもそもチップの項目自体が見つからない国もあります。見つからなかった国を「チップ不要」と読み替えることはしていません。見つからなかっただけで、慣習がないと分かったわけではないからです。
国・地域別のチップ — 公式の記載の一覧
| 国・地域 | 公式の記載(要約) | 出典 |
|---|---|---|
| ハワイ(米国) | 「米国の標準が適用される」として、レストラン15〜20%(大人数の場合は「gratuity」が含まれていないか確認)、バー1杯につき0.5〜1ドル、ハウスキーピングはベッド1台・1泊につき1ドル、荷物を運ぶポーターは1個につき1ドル、ルームサービスは10〜15%、タクシーは運賃の15% | ハワイ州観光局(gohawaii.com) |
| 米国本土 | 公的な目安は見当たらない(今回確認できなかった) | — |
| グアム | レストランとタクシーは料金の10〜15%、ポーター(荷物)は1個につき1ドル、ルームメイドは1人1泊につき1ドル。請求書に「Service Charge」の項目と金額があればサービス料が含まれており、その場合はチップを渡す必要はない | グアム政府観光局 |
| 英国 | 「英国ではチップは期待されない」。従業員は最低賃金が保証されている。レストランでは任意のサービス料が請求書に加算されることがあり、払うかどうかは選べる。加算がなく満足したなら10〜15%が喜ばれる。タクシーは運賃を切り上げるのが通例で、チップにするなら10〜15%。ホテルのポーターは約2ポンド | VisitBritain(英国政府観光庁) |
| スイス | 「チップを払う義務はない」。多くのレストランでは約10%か、切りのいい金額への切り上げが慣例 | スイス政府観光局 |
| オーストラリア | ホテルやレストランは請求書にサービス料を加算せず、チップは常に任意。高級レストランでは、ウェイターに請求額の10%を渡すのが一般的 | Tourism Australia |
| 台湾 | ホテルやレストランでは、10%のサービス料を取るのが通例。チップそのものの目安は確認できなかった | 台湾 交通部観光署 |
| 韓国 | 一般のタクシーはメーター制で、チップは求められない。レストランやホテルのチップの目安は確認できなかった | 韓国観光公社 |
| シンガポール | 公的な目安は見当たらない(今回確認できなかった。旅行会社向けページのサービス料の注記は、観光局が作成・承認した内容ではないと免責されているため、根拠にしていない) | — |
| フランス | 事業者向けの公式案内に「価格にサービス料が含まれる場合は『prix service compris(サービス料込み)』と表示する」とある。チップの%の目安は見当たらない | Service-Public(仏政府) |
| タイ・ドイツ・イタリア | 公的な目安は見当たらない(今回確認できなかった) | — |
数字は、いずれも2026年10月時点で各公式サイトに掲載されていた内容です。ハワイ州観光局のページには更新日の記載がなく、いつ時点の数字かは確認できませんでした。各ページとも、直近で改定が決まっているといった案内は確認できませんでした。
表の読み方で気をつけたいこと
- ハワイの数字は、観光局が「米国の標準」として紹介しているものです。米国本土について、同じ数字を公式に確認できたわけではありません。グアムは、観光局の数字がハワイと異なります(レストラン10〜15%)
- 「任意」「義務ではない」と書いてあっても、渡さなくてよいとは限りません。慣習としては渡す人が多い、という趣旨の記載(スイスの「多くのレストランでは慣例」など)もあります
- 台湾のように「サービス料」を請求書に加算する国では、チップの前に、サービス料がすでに入っているかが先に分かれ目になります
サービス料込みの請求書を見分けるには
チップの額を考える前に、請求書の内訳を見て、サービス料が加算されていないかを確かめるのが基本です。今回、公式の案内で確認できたのは次のとおりです。
- 英国: レストランでは、任意のサービス料が請求書に記載されることがあり、払うかどうかを選べる(VisitBritain)
- フランス: 価格にサービス料が含まれる場合、メニューや料金表に「prix service compris」と表示する決まりがある(事業者向けの公式案内)
- 台湾: 10%のサービス料を加算するのが通例(台湾 交通部観光署)
- グアム: 請求書に「Service Charge」の項目と金額があれば、サービス料が含まれており、チップを渡す必要はない(グアム政府観光局)
- オーストラリア: ホテルやレストランはサービス料を加算しない(Tourism Australia)
加算されているサービス料の分まで、さらにチップを足すべきかについては、公式の案内が国によって異なり、一律には言えません。迷ったときは、会計のときに「サービス料は含まれていますか」と店の人に聞くのが確実です。
カード払いでのチップの書き方は、確認できませんでした
クレジットカードで払うときに、伝票のどこにチップを書くのかといった方法は、今回確認した公的な情報の範囲には見つかりませんでした。店によって扱いが違うと思われるため、その場で店の人に聞いてください。
現金を持ち歩くときの注意
チップ用に小銭や小額紙幣を持ちたい場合も、外務省の海外安全ホームページは「多額の現金、貴重品は持ち歩かないこと」と案内しています。日本人観光客を狙ったスリや置き引きが各地で発生している、という注意です(2026年10月時点)。チップ用の小額紙幣は必要な分だけ分けて持ち、財布に全額を入れないようにするのが安全です。
この記事が向かない人
- 現地の特定の店・サービスで、いくら渡すのが失礼にならないかをピンポイントで知りたい人(公式の案内は、そこまで細かくありません)
- 公式に目安が見当たらない国へ行く人(タイ・ドイツ・イタリア・シンガポールなど)。この記事では「見当たらない」としか書けません。現地の請求書の内訳と、泊まるホテルや旅行会社の案内を優先してください
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よくある不安
チップの相場は、どこの公式情報を見れば確認できますか?
国によっては、政府観光局や政府系サイトにチップの目安が載っています(この記事の表に出典を付けました)。一方、米国本土・フランス・タイ・ドイツ・イタリア・シンガポールなどは、今回調べた範囲では公的な目安の記載を確認できませんでした(2026年10月時点)。目安が見当たらない国では、請求書にサービス料が含まれているかを先に確認するのが現実的です。
請求書にサービス料が入っているときも、チップは必要ですか?
国によって扱いが違います。英国の観光庁(VisitBritain)は、レストランの任意のサービス料は請求書に記載され、払うかどうかを選べると案内しています。スイス政府観光局は、チップの支払い義務はないとしています(2026年10月時点)。どの国でも、請求書の内訳を見て、すでに加算されている項目があるかを確かめるのが基本です。
クレジットカードで払うとき、チップはどう書けばいいですか?
今回確認した公的な情報の範囲では、カード払いでのチップの渡し方(伝票への記入方法など)を説明した記載は確認できませんでした(2026年10月時点)。レストランによって扱いが異なる可能性があるため、会計のときに店の人へ「チップを含めた金額でお願いしたい」と口頭で伝えるか、現金で渡すかを、その場で確認してください。
ここまでのチップの話とは別に — 海外の通信の備え(広告)
ここから先は、チップの説明とは別の話です。チップの扱いを知るために必須の手続きや契約はなく、今のままの準備で足りている方は、この節は読み飛ばしてかまいません。海外でスマホを使う手段のひとつとして、海外eSIMのサービスを例に挙げておきます。
まとめ
チップの相場は、公式に数字が書いてある国は一部だけです。ハワイ(レストラン15〜20%など)、英国(加算がなければ10〜15%)、スイス(義務はなく、約10%か切り上げが慣例)、豪州(高級レストランで10%が一般的)、台湾(10%のサービス料が通例)、グアム(レストラン・タクシー10〜15%)のように確認できた国は表のとおりで、それ以外は「公的な目安は見当たらない」としか言えません。相場の数字を覚えるより、請求書の内訳でサービス料が入っているかを見て、迷ったら会計のときに店の人に聞く、という順番のほうが、国を問わず使えます。現金をどのくらい持つかは海外旅行の現金はいくら持つ? — 決め方と、持ち出し・持ち込みの申告基準で整理しています(2026年10月時点)。




