段ボールの山に囲まれた引越し前夜。契約書一式を確認していた手が、ふと止まる。──電気、ガス、あの手続きはもう済ませただろうか。新居の初日、スイッチを入れても明かりがつかない。そんな場面を想像したことはありませんか。

この記事の要点

  • 電気・ガスの引越し手続きは「旧居を止める」「新居を始める」の2つの申し込みに整理できます。同じ事業者であれば、この2つをまとめて1回で申し込める場合もあります
  • 電気の使用開始・停止は、多くの場合立会い不要です。一方、ガスの使用開始(開栓)は安全確認のため、原則として立会いが必要です(2026年8月時点・東京電力エナジーパートナー/東京ガス公式)
  • 申し込みの目安は、引越しの約1週間前まで。新生活が重なる時期は手続きが集中しやすいため、日程が決まったら早めに連絡しておくと安心です(2026年8月時点・東京ガス公式)

引越しの電気・ガス手続き、何をすればいい? — 実は2つの動きだけ

やることが多く感じますが、整理すると動きはシンプルです。

  1. 旧居を止める — 退去日にあわせて、電気とガスの使用停止を申し込む
  2. 新居を始める — 入居日にあわせて、電気とガスの使用開始を申し込む

これに「電気」と「ガス」の2種類がかけ合わさるため、手続き自体は最大4件になります。ただし、同じ事業者であれば、停止と開始をまとめて1回の申し込みで済ませられる場合もあります(2026年8月時点・東京電力エナジーパートナー公式)。

対象 手続き 立会いの目安
旧居の電気 使用停止(解約) 不要な場合が多い
旧居のガス 使用停止(閉栓) オートロック等でメーターに立ち入れない場合のみ必要
新居の電気 使用開始 不要な場合が多い
新居のガス 使用開始(開栓) 原則必要

契約する電気・ガスの事業者によって申し込み先の窓口は変わりますが、「今の住まいで契約している事業者」と「引越し先で契約したい事業者」のそれぞれに連絡する、という基本の流れは共通しています。

なお、住む場所は変えずに契約者だけを切り替えたい場合(結婚・相続・世帯主の変更など)は、ここで扱う引越しの手続きとは別の「名義変更」という手続きになります。違いや申し込み方法は電気の名義変更をしたいと思ったら — 引越しの手続きとの違い、申し込み方法、注意点で整理しています。

いつまでに連絡すればいい? — 目安は1週間前

引越し前後のタイムライン(日程確定→約1週間前までに申込→退去日は旧居停止→入居日は新居開始・ガス開栓立会い)の図解

東京ガスは、ガス・電気の使用開始・停止の手続きについて「約1週間前までにはお申し込みをいただくことをおすすめしております」と案内しています(2026年8月時点・東京ガス公式)。

一方、東京電力エナジーパートナーのWeb申し込みは、当日から31日先までの日程を受け付けています(2026年8月時点・東京電力エナジーパートナー公式)。ただし設備や手続き内容によっては当日・翌日の日程を指定できない場合があり、進学・転勤が重なる時期は予約も集中しやすくなります。引越し日が決まった時点で早めに連絡しておくと、当日になって慌てずに済みます。

電気の使用開始手続き — 多くの場合、立会い不要

スマートメーター(記録型計量器)は、毎月の検針業務の自動化を可能にする電力量計です(2026年8月時点・資源エネルギー庁公式)。この仕組みにより、電気の使用開始・停止の多くは、担当者が現地を訪れなくても遠隔で完了します。

東京電力エナジーパートナー・東京ガスはいずれも、電気の使用開始・停止について「立会いは不要」(東京電力エナジーパートナーは「原則」)としています(2026年8月時点・各社公式)。ただし、送電作業が必要な場合など、例外的に立会いを求められることがあります。退去時は、分電盤のアンペアブレーカーを「切」にしておくとよいでしょう(2026年8月時点・東京ガス公式)。

申し込みから完了までの間、担当者を家で待つ必要がない。それだけで、引越し当日の予定はずいぶん組みやすくなります。

ガスの開栓 — なぜ立会いが必要なのか

電気とは対照的に、ガスの使用開始(開栓)には立会いが必要です。東京ガスの説明によると、開栓時には宅内でガス機器の点火確認と安全に関する説明が行われるため、契約者本人か、了承を得た代理人の立会いが必須とされています(2026年8月時点・東京ガス公式)。

立会いの時間帯は事業者によって異なります。東京ガスの場合は次のとおりです(2026年8月時点)。

時間帯 月〜土 日・祝
9:00〜12:00
13:00〜15:00
15:00〜17:00
17:00〜19:00 ×

なお、ガスの使用停止については、オートロック式の建物などでメーターの設置場所まで立ち入れない場合を除き、立会いは不要とされています(2026年8月時点・東京ガス公式)。開栓の予約は早めに済ませ、当日は作業員の到着に合わせて在宅の時間を確保しておくと、入居初日からお湯を使い始めやすくなります。

引越しは、電力会社を見直すタイミングでもある

新居での電気の契約は、「これまでと同じ事業者に新居分を申し込む」以外に、「この機会に別の電力会社に切り替える」という選択肢もあります。電力の小売は自由化されており、契約する電力会社を選べるのは引越しのタイミングに限った話ではありません。

多くの場合、今契約している事業者にそのまま新居分を申し込むだけでも手続きは完了します。切り替えは必須の作業ではなく、あくまで検討の余地がある選択肢のひとつです。どちらが自分に合っているかは料金プランや生活スタイル次第で、切り替えの仕組みやスマートメーター交換の要否、賃貸物件での可否については、電力会社の切り替え方法とデメリット — 賃貸でもできる?で詳しく整理しています。電気とガスを同じ事業者にまとめて契約する場合の比較ポイントは電気・ガスセット契約は本当にお得? 比較のポイントで解説しています。

広告

新居の電気料金プランを比較する際は、電気チョイスの公式サイトで複数社の内容をまとめて確認できます。

【電気チョイス】

広告

切り替え先の候補として、エルピオでんきの公式サイトで料金プランを確認できます。

「単純明快な安さ」でお客さまに還元します!

よくある疑問

電気の使用開始・停止に立会いは必要ですか?

多くの場合、立会いは不要です。東京電力エナジーパートナー・東京ガスはいずれも、電気の使用開始・停止について「原則立会い不要」としています(送電作業が必要な場合など、例外的に立会いを求められることがあります)。退去時は分電盤のアンペアブレーカーを「切」にしておくとよいでしょう(2026年8月時点・各社公式)。

ガスの開栓には、なぜ立会いが必要なのですか?

ガスの使用開始(開栓)では、宅内でガス機器の点火確認と安全に関する説明を行う必要があるため、立会いが必須とされています(代理人でも可)。東京ガスの場合、立会いの時間帯は月〜土曜が9時〜19時、日曜・祝日が9時〜17時です(2026年8月時点・東京ガス公式)。なお、ガスの使用停止は、オートロックなどでメーターの場所に立ち入れない場合のみ立会いが必要になります。

電気・ガスの手続きは、引越しの何日前までに済ませればいいですか?

東京ガスは「約1週間前までの申し込み」を目安として案内しています。一方、東京電力エナジーパートナーのWeb申し込みは当日から31日先まで受け付けており、直前でも手続き自体は可能です。ただし進学・転勤が重なる時期は手続きが集中しやすいため、日程が決まった時点で早めに連絡しておくと安心です(2026年8月時点・東京電力エナジーパートナー/東京ガス公式)。

まとめ

引越しの電気・ガス手続きは、「旧居を止める」「新居を始める」の2つの動きに、電気とガスで異なる立会いのルールを重ねるだけです。電気は手続きを済ませておけば、多くの場合そのまま使い始められる。ガスは、開栓の立会いさえ済ませておけば、入居初日からお湯が出る。

日程が決まったら、まずは1週間前を目安に連絡する。それだけで、引越し前夜に慌てて調べ始めずに済みます。

新居のインターネット回線の準備も、電気・ガスとあわせて済ませておきたい手続きのひとつです。「移転」「新規契約」「解約して乗り換え」のどのパターンに当てはまるか、いつまでに何をすればいいかは「電気とガスは手続きした。じゃあネットは?」— 引越しのインターネット手続き、いつ何をすればいい?で整理しています。開通工事の予約がすぐに埋まらない場合の選択肢は引越し先で「開通は来月です」と言われたら、それまでどうしますか? — 工事不要のポケット型WiFi・ホームルーターの選び方で整理しています。