「Wi-Fiルーターは24時間つけっぱなしだから、それなりに電気代がかかっているはず」——ルーターのランプが光り続けているのを見て、そう感じたことはないだろうか。実際にバッファロー・NEC Atermの公式仕様にある最大消費電力で試算すると、1か月の電気代は上限でも300円台にとどまる。仮に「夜は電源を切って節約しよう」としても、別置きのWi-Fiルーターだけなら浮く金額は上限でも月100円台の試算にとどまる。しかも、自宅にNTTのホームゲートウェイ(ひかり電話ルータ)があるかどうかで「切ってよい範囲」が変わるので、先に自分の構成を確かめたい。
| 思い込み | 公式値での試算(各社公式仕様の最大消費電力が続いたと仮定した上限の計算例。実際の金額は未確認) |
|---|---|
| Wi-Fiルーターは24時間つけっぱなしだから電気代が高い | 最大消費電力が続いたと仮定した上限試算でも1か月約321〜357円(バッファロー・NEC Aterm) |
| 夜だけ電源を切れば節約になる | 8時間オフを仮定した上限試算でも1か月の節約額は約107〜186円。再接続の手間との天秤 |
この記事の要点
- バッファロー「WSR-3000AX4P-BK」(最大消費電力14.4W)・NEC Aterm「WX3000HP」(同16.0W)が24時間つけっぱなしで最大消費電力のまま続いたと仮定すると、31円/kWhで計算した上限試算は1か月約321〜357円です(2026年10月時点・各社公式仕様にもとづく計算例)
- TP-Link「Archer AX73」は公式データシート(JP&TW版)に消費電力の記載がなく、金額は試算できません(公表なし)
- コンセントに挿すだけで使うホームルーターは、公式値がある機種(home 5G HR02・Speed Wi-Fi HOME 5G L13)だけ、最大消費電力が24時間続いたと仮定した上限試算をすると18〜25Wで1か月約402〜558円と、Wi-Fiルーターよりやや高めです。SoftBank Airは公式仕様に消費電力の記載がなく公表なしです
- NTT東日本・西日本のホームゲートウェイ(PR-600KI/MI・RX-600KI/MI)は取扱説明書の仕様欄が最大35W以下(電源アダプタ含む)です。この35Wは指定ホームゲートウェイの仕様でONU一般の値ではなく、ONU+ルーターの構成ではONU分が未確認のためルーター分のみ算出できます。ひかり電話を使っているなら夜に切る対象は別置きのWi-Fiルーターだけに絞るのが現実的です。切れる範囲ごとの上限試算は本文の表で確認できます
公式仕様に見る最大消費電力 — バッファロー・NEC Aterm・TP-Link
今回確認したのは、バッファローのWi-Fi 6対応Wi-Fiルーター「WSR-3000AX4P-BK」、NECプラットフォームズのAterm「WX3000HP」(生産終了品・既存利用者向けの参考例)、TP-Linkの「Archer AX73」の3機種。いずれも光回線に接続して使う、コンセントに挿しっぱなしで24時間稼働させる前提の機器である。
| 機種 | 消費電力(公式仕様) |
|---|---|
| バッファロー WSR-3000AX4P-BK | 14.4W(最大) |
| NEC Aterm WX3000HP(生産終了品) | 16.0W(最大) |
| TP-Link Archer AX73 | 公表なし(公式データシートJP&TW版に記載なし) |
(バッファロー・NEC Aterm公式仕様、TP-Link公式データシートより。2026年10月時点)
バッファロー・NEC Atermとも、今回確認した公式仕様ページに記載があるのは「最大消費電力」のみで、通信していない待機時や、接続台数が少ないときの標準的な消費電力は、今回確認した公式仕様ページには記載がない。そのため本記事の試算は、いずれも「常に最大出力で動いていた場合の上限値」であり、実際の電気代はこれより低い可能性がある。
TP-Link「Archer AX73」は、日本向け公式データシート(JP&TW版・2022年発行)を確認したが、ワイヤレス性能やハードウェア仕様は詳細に記載されているのに対し、消費電力の項目自体が存在しなかった。日本の製品ページ(仕様セクション)にも同様に記載がなく、公表なしとして扱う。
24時間つけっぱなし・1か月の電気代 — バッファロー・NEC Aterm
計算式は「消費電力(kW)×使用時間(h)×31円/kWh」。目安単価31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会・税込)で、1時間・24時間(つけっぱなし)・1か月(30日)の電気代を計算した。
| 機種 | 消費電力(最大) | 1時間の上限試算 | 24時間の上限試算 | 1か月の上限試算 |
|---|---|---|---|---|
| バッファロー WSR-3000AX4P-BK | 14.4W | 約0.45円 | 約10.7円 | 約321円 |
| NEC Aterm WX3000HP | 16.0W | 約0.50円 | 約11.9円 | 約357円 |
(消費電力(kW)×使用時間(h)×31円/kWhで算出した当サイトの計算例です。2026年10月時点)
「24時間つけっぱなしは電気代が高い」という思い込みに対して、公式の最大消費電力で試算しても、1か月の電気代は上限で321〜357円にとどまる。ホットプレート(定格1,200〜1,300W)のような千W台の家電と比べると、Wi-Fiルーターの消費電力(14.4〜16W)は一桁以上小さい。
「夜は電源を切ると節約になる」を計算で確認
深夜は使わないからと、就寝前にWi-Fiルーターの電源を切る人もいる。仮に0時〜朝8時の8時間だけ電源をオフにすると仮定して、節約額を計算した。
| 機種 | 8時間オフの節約額の上限試算(1日) | 1か月の節約額の上限試算(30日換算) |
|---|---|---|
| バッファロー WSR-3000AX4P-BK | 約3.57円 | 約107円 |
| NEC Aterm WX3000HP | 約3.97円 | 約119円 |
(8時間オフを仮定した当サイトの試算です。消費電力(kW)×8h×31円/kWhで算出。2026年10月時点)
最大消費電力(つまり最も差が大きく出る条件)で計算しても、8時間の電源オフによる節約額は1か月100円台にとどまる。夜間だけ電源を切る運用は、再接続後にネットワーク機器の同期待ちが発生したり、スマートホーム機器・ネットワークカメラなど夜間も通信が必要な機器がある家庭では通信断のリスクがあったりする。節約額と手間・リスクを天秤にかけて判断したい。
ルーターの消費電力の「どこまで」を切るか — 自宅の構成で3通りに分かれる
ここまでの数字は、別置きのWi-Fiルーター1台分である。実際の家では、光回線の終端装置(ONU)やNTTのホームゲートウェイ(ひかり電話ルータ)も常時つながっており、「夜に電源を切る」と言ったときに何を切るかで、浮く金額も影響も変わる。NTT東日本・西日本のホームゲートウェイ(PR-600KI/PR-600MI/RX-600KI/RX-600MI)の取扱説明書では、消費電力が「最大35W以下(電源アダプタ含む)」で、RXは小型ONUを含む消費電力と注記されている。この35Wは指定ホームゲートウェイの仕様で、ONU一般の値ではない(2026年10月時点・NTT東日本・西日本公式。最大値のみで、実運転時の値の記載は確認できなかった)。
| 自宅の構成 | 夜に切れる範囲 | 8時間オフの節約額の上限試算(1か月・30日換算) | 切ったときの影響 |
|---|---|---|---|
| A. ホームゲートウェイの内蔵Wi-Fiだけで使っている(別置きルーターなし) | ホームゲートウェイ全体(最大35Wの前提) | 約260円 | ひかり電話・インターネットとも止まる |
| B. ホームゲートウェイ+別置きのWi-Fiルーター(ルーターはアクセスポイントとして接続) | 別置きルーターだけ(14.4〜16Wの前提) | 約107〜119円 | ホームゲートウェイ側のひかり電話は使える。別置きルーター経由のWi-Fi機器は止まる |
| C. ひかり電話なし・ONU+Wi-Fiルーター | 別置きルーターだけ | 約107〜119円(ONUは別に残る) | Wi-Fi機器は止まる。ONU単体の消費電力は今回確認できず(つけっぱなしの合計はルーター分のみ算出可) |
(消費電力(kW)×8h×31円/kWh×30日で算出した当サイトの計算例。各社公式の最大消費電力が8時間続いたと仮定した上限試算で、実際の節約額は未確認。2026年10月時点)
つけっぱなしの合計も構成で変わる。Aは最大35Wが24時間続いたと仮定すると1か月約781円、Bのみ、ホームゲートウェイ(35W)にバッファロー(14.4W)を足すと約1,103円、NEC Aterm(16.0W)を足すと約1,138円の上限試算になる。Cは、ONU単体の消費電力を確認できていないため算出できるのはルーター分(約321〜357円)のみで、ONUの分は含まれない。「Wi-Fiルーターの電気代」を調べているつもりでも、Bの構成では通信機器全体の上限が月1,000円台になりうる点は押さえておきたい。ただしこれはどれも最大値が続いたと仮定した上限で、ホームゲートウェイの実運転時の消費電力は公式資料で確認できていない。
夜に切る前に、次の2点を確認したい。
- ひかり電話を使っているか: 使っているなら、ホームゲートウェイの電源は切らない前提で考える(構成Aでは切ると電話も止まる)。別置きルーターがあるBの形なら、そのルーターだけが切る対象になる
- 自動更新の時間帯と重ならないか: ホームゲートウェイの取扱説明書には、最新のファームウェアが提供されると午前1時〜5時台のあらかじめ設定された時間に自動で更新(再起動)する旨の記載がある(更新中は1分程度ひかり電話もインターネットも使えない)。夜間に電源を切ると、機器が動いていない時間帯はこの更新が行われないと考えられるが、電源オフ時の挙動は取扱説明書では確認できていない。更新時間は機能詳細ガイドの手順で変更できる
別置きルーターだけを切るBの形でも、年換算(30日×12か月)で約1,286〜1,428円の上限試算にとどまる。時刻指定タップなどの追加投資が回収できるか、毎晩の再接続の手間に見合うかは、各家庭の判断になる。
ホームルーターは公式値がある機種だけ別枠で
ホームルーターは、SIMカードを挿した専用端末で4G・5G回線を受信し、Wi-Fi環境をつくる据え置き型の端末で、光回線用のWi-Fiルーターとは仕組みが異なる。公式仕様に消費電力の記載がある機種を確認した。
| 機種 | 消費電力(公式仕様・最大) | 1か月の上限試算(30日・常時稼働) |
|---|---|---|
| NTTドコモ home 5G HR02 | 25W(最大) | 約558円 |
| UQ WiMAX Speed Wi-Fi HOME 5G L13 | 18W(最大) | 約402円 |
| SoftBank Air(Airターミナル) | 公表なし(公式仕様一覧に記載なし) | 試算不可 |
(NTTドコモ公式・UQ WiMAXオンラインショップ公式仕様、ソフトバンク公式仕様一覧より。2026年10月時点)
home 5G HR02(25W)・Speed Wi-Fi HOME 5G L13(18W)とも、今回確認したWi-Fiルーター(14.4〜16W)より最大消費電力が高い。この差の理由は公式資料で確認できていないため、あくまで数値の比較にとどめる。SoftBank Airは、公式の仕様一覧ページ(Airターミナル各機種の一覧)を確認したが、消費電力の記載がある機種は見当たらなかった。
実運転の電気代は自宅で測れる — ワットチェッカーでの出し方
ここまでの金額は最大消費電力が続いたと仮定した上限で、実運転との差は公式資料からは分からない。自宅の実際の値は、ワットチェッカーなどの電力量計(コンセントとルーターのACアダプタの間に挟むタイプ)で積算電力量を測れば出せる。
- ルーターのACアダプタを電力量計経由で接続し、普段どおりの使い方で数日〜1週間そのままにする(測定を始めた日時を控える)
- 積算電力量(kWh)を、測定した日数で割って1日あたりの電力量を出す
- 1日あたりの電力量×30日×31円/kWhで、自宅の1か月の電気代の目安になる
例(架空の数値)として、7日間で積算0.9kWhなら、0.9÷7×30×31=約120円になる。夜間オフの効果を知りたいときは、同じ日数ずつ「つけっぱなし」と「夜8時間オフ」で測って1日あたりの差を比べ、同じ式で30日分にする。単価は契約中の電力会社の明細にある値に置き換えるとより正確になる。電力量計の精度や機種によって、ごく小さな消費電力は表示が丸められることがある点には注意したい。
向かない人・注意
公式仕様の「最大消費電力」は、あくまで上限値の試算に使える数値であり、通信量や接続台数が少ないときの実際の消費電力(標準時・待機時)は、今回確認した機種の公式仕様ページには、いずれも記載がない。「うちのルーターは実際もっと安いはずだ」という感覚は、公式データの裏付けとしては確認できない。また、夜間の電源オフで得られる節約額は、別置きルーターだけなら上限で月100円台程度、ホームゲートウェイごと切る構成でも上限で月約260円程度であり、時刻指定タップなどの追加投資をしてまで自動化するほどの金額かどうかは、各家庭の判断になる。ひかり電話を使っていてホームゲートウェイを切る構成、見守りカメラやスマート家電を夜間も動かしたい家庭は、切らない方が安全である。
他の家電の電気代と比べるには
パソコンの電気代はパソコンの電気代は1時間いくらか、家庭全体の待機電力の実額は待機電力は電気代の何%?で確認できる。ホームルーターの仕組みや光回線との違いをより詳しく知りたい場合はホームルーターとは — 仕組み・光回線との違い・デメリットを正直に整理を参照してほしい。
よくある疑問
Wi-Fiルーターを24時間つけっぱなしにすると電気代はいくらですか?
機種によりますが、公式仕様の最大消費電力が24時間ずっと続いたと仮定して31円/kWhで計算すると、バッファロー「WSR-3000AX4P-BK」(14.4W)は24時間で約10.7円、1か月で約321円という上限試算になります。NEC Aterm「WX3000HP」(16.0W)は24時間で約11.9円、1か月で約357円という上限試算です(2026年10月時点・各社公式仕様にもとづく計算例)。Wi-Fiルーターは常時通信のため24時間つけっぱなしが前提の機器です。
夜だけ電源を切ると電気代は節約になりますか?
上限としては試算できます。仮に深夜0時〜朝8時の8時間、最大消費電力が続いたと仮定すると、バッファロー「WSR-3000AX4P-BK」で1か月あたり最大約107円、NEC Aterm「WX3000HP」で最大約119円の節約という試算になります(当サイトの計算例。2026年10月時点。実際の節約額は未確認)。消費電力が高めのホームルーター「home 5G HR02」(25W)でも8時間オフの節約額は1か月約186円が上限です。再接続の手間やスマート家電・見守りカメラなど常時接続が必要な機器がある家庭では、電源を切るメリットと手間を天秤にかける必要があります。
TP-Linkのルーターやホームルーターも同じように計算できますか?
TP-Link「Archer AX73」は、公式の日本向けデータシート(JP&TW版)を確認しましたが、消費電力の記載がありませんでした。そのため金額の試算はできず「公表なし」としています。一方、コンセントに挿すだけで使う据え置き型のホームルーターは、公式値がある機種だけ試算できます。NTTドコモ「home 5G HR02」は最大消費電力25Wが24時間続いたと仮定した上限試算で1か月約558円、UQ WiMAX「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」は最大消費電力18Wが24時間続いたと仮定した上限試算で1か月約402円で、いずれも今回確認したWi-Fiルーター(14.4〜16W)よりやや高めです。SoftBank Airは公式の仕様一覧ページに消費電力の記載がなく、公表なしです(2026年10月時点・各社公式)。
ONUやホームゲートウェイ(ひかり電話ルータ)を含めると、通信機器全体の電気代はいくらですか?
NTT東日本・西日本のホームゲートウェイ(PR-600KI/MI・RX-600KI/MI)の取扱説明書には消費電力として最大35W以下(電源アダプタ含む。RXは小型ONUを含む)とあります。この35Wは指定ホームゲートウェイ(PR/RX-600系)の仕様で、ONU一般の値ではありません。最大35Wが24時間続いたと仮定した上限試算は1か月約781円です。ホームゲートウェイに別置きのルーターを足す構成Bのみ、バッファロー(14.4W)で約1,103円、NEC Aterm(16.0W)で約1,138円の上限試算になります。ONU+ルーターの構成Cは、ONU単体の消費電力を今回確認できていないため、算出できるのはルーター分(約321〜357円)のみです(2026年10月時点・31円/kWh・当サイトの計算例)。ホームゲートウェイ自体の実運転時の消費電力は公式資料で確認できていません。ひかり電話を使っている場合、ホームゲートウェイの電源を切るとひかり電話もインターネットも使えなくなるため、夜に切る対象は別置きのWi-Fiルーターだけに絞るのが現実的です。
Wi-Fiルーターの電気代が気になったら、電力会社の見直しも
ルーターの電源を切って浮くのは上限でも月100円台ですが、家全体の電気代は契約している電力会社やプランの単価でも変わります。今の契約に困っていない方は、この節を読み飛ばして問題ありません。契約を見直す選択肢を考える方に向けて、比較の候補を1つ挙げておきます。
まとめ
Wi-Fiルーターの電気代は、公式仕様にある最大消費電力(14.4〜16W)が続いたと仮定して試算しても、24時間つけっぱなしで上限は1か月約321〜357円にとどまる。夜だけ電源を切っても、別置きルーターだけなら節約額は上限で月100円台(約107〜119円)の試算にとどまり、再接続の手間との兼ね合いになる。NTTのホームゲートウェイ(最大35W以下)まで切る構成は上限で月約260円だが、ひかり電話も止まるため、ひかり電話を使うなら別置きルーターだけを切る対象にするのが現実的である。TP-Link「Archer AX73」は公式データシートに消費電力の記載がなく試算できない。コンセントに挿すだけで使うホームルーターは、公式値がある機種(home 5G HR02・Speed Wi-Fi HOME 5G L13)だけ、最大消費電力が続いたと仮定した上限試算で確認すると、Wi-Fiルーターよりやや高めの月402〜558円になり、SoftBank Airは公表なしだった。いずれも「公式に書かれている数値の範囲で」比較するのが確実である。
ほかの家電の電気代も比べたい場合は、家電の電気代 早見表でまとめて確認できます。




