「パソコンの電気代は1時間いくら?」に、公式値の一点で答えるのは難しい。仕様表には「標準時 約6W」と「最大時 約65W〜351W」の両方が載っていて、実際の作業中の消費電力は載っていないからだ。NECの注記によると、「標準時」は出荷構成のまま周辺機器をつながずOSを起動した状態の測定値で、作業中の測定値ではない。そこでこの記事は、1点の「実額」ではなく、幅と、その幅のどこに来るかを決める条件を示す。
この記事の要点
- NEC LAVIE公式仕様の消費電力は、ノートPC「LAVIE N13 Slim」が標準時約6.2W・最大時約65W・スリープ時約0.3W、デスクトップPC「LAVIE Direct DT」(Core i5構成)が標準時約6W・最大時約280.4W・スリープ時約0.9W。実作業中の値は載っていません(2026年10月時点)
- 31円/kWhで1時間の計算例は、標準時が約0.19円、最大時が続くと仮定するとノート約2.0円・デスクトップ(Core i5)約8.7円。実作業の値は公式に載っておらず、標準時は最低消費電力でもないため、幅のどこに入るかは言えません
- 1日8時間・30日使う場合、消費電力1W増えるごとに月約7.4円増えます。この「1Wあたり月7.4円」で、機種差・モニター・スリープの差を読めます
公式に分かること・分からないこと
NEC LAVIE公式サイトのノートPC「LAVIE N13 Slim」(カタログモデル・2025年秋冬モデル)は、Ryzen 7搭載モデル(N1375/LAS等)が標準時約6.2W・最大時約65W・スリープ時約0.3W、Ryzen 5搭載モデル(N1355/LAS等)が標準時約6.1W・最大時約65W・スリープ時約0.3Wと公表されている(2026年10月時点・N13 Slimのページを再確認)。デスクトップPC「LAVIE Direct DT」(2025年春モデル・タワー型)は次のとおり(2026年9月時点・NEC LAVIE公式仕様)。
| 構成 | 標準時 | 最大時 | スリープ時 |
|---|---|---|---|
| Core i9 | 約5.9W | 約351.3W | 約0.9W |
| Core i7 | 約5.8W | 約341.2W | 約0.9W |
| Core i5 | 約6W | 約280.4W | 約0.9W |
NECの注記(*32)によると、「標準時」は出荷時の構成のまま周辺機器を接続せずOSを起動させた状態での測定値で、ブラウジングや文書作成の最中を測ったものではない。「最大時」はCPUやグラフィックスに高い負荷がかかったときの値で、この値がずっと続くわけではない。実際の作業中の消費電力は公式に載っておらず、標準時は最低消費電力でも、最大時はつねに上限でもない(測定条件が異なる別々の値)。したがって「この幅のどこかに入る」とは言えない。
1時間いくらか — 消費電力別の早見表
計算式は「消費電力(kW)×時間(h)×31円/kWh」。自分のパソコンの消費電力(ワットチェッカーなどで測れば分かる)に合わせて読めるよう、W数別の表にした。
| 消費電力 | 1時間 | 1日8時間 | 1か月(8時間×30日) | 目安になる公式値 |
|---|---|---|---|---|
| 6W | 約0.19円 | 約1.5円 | 約45円 | 標準時(ノート6.2W・デスクトップ6W) |
| 30W | 約0.93円 | 約7.4円 | 約223円 | (公式値なし) |
| 65W | 約2.0円 | 約16.1円 | 約484円 | ノート最大時65W |
| 100W | 約3.1円 | 約24.8円 | 約744円 | (公式値なし) |
| 200W | 約6.2円 | 約49.6円 | 約1,488円 | (公式値なし) |
| 280.4W | 約8.7円 | 約69.5円 | 約2,086円 | デスクトップ(Core i5)最大時 |
| 351.3W | 約10.9円 | 約87.1円 | 約2,614円 | デスクトップ(Core i9)最大時 |
(当サイトの計算例。最大時の行は、最大時の消費電力が表の時間続くと仮定した上限の試算。2026年10月時点)
覚えやすい換算は1Wあたり1時間0.031円、1日8時間・30日で月約7.4円。たとえば作業中の平均が30Wなら月223円、100Wなら月744円、という読み方になる。
差が出る条件その1 — 負荷(ノートとデスクトップの分かれ目)
標準時どうしなら、ノート(約6.2W)とデスクトップ(約6W)はほぼ同じで、本体だけなら月約45〜46円で差がほとんどない。最大時はノート65Wに対しデスクトップ(Core i5)約280.4Wで、差は約215W。両機種が最大時のままだと仮定した換算で、1時間あたり約6.7円の差になる。これは各機種の最大値どうしの換算差で、同じ作業をしたときの差ではない。
省エネ法にもとづく「エネルギー消費効率」(JIS C 62623:2014の測定方法で算出した、規定の使用パターンでの年間消費電力量)も、この傾向と合う。
| 機種 | エネルギー消費効率(省エネ法) | 31円/kWh換算 |
|---|---|---|
| ノートPC(Ryzen7構成) | 12区分 17.2kWh/年(AA) | 約533円/年 |
| ノートPC(Ryzen5構成) | 12区分 17.0kWh/年(AA) | 約527円/年 |
| デスクトップPC(Core i9構成) | 16区分 27.6kWh/年(AAA) | 約856円/年 |
| デスクトップPC(Core i7構成) | 16区分 28.5kWh/年(AAA) | 約884円/年 |
| デスクトップPC(Core i5構成) | 16区分 29.8kWh/年(AAA) | 約924円/年 |
(JIS C 62623:2014にもとづく公式値。使用時間・使い方が規定と異なれば実際の電気代は変わる。2026年9月時点・NEC LAVIE公式仕様。N13 Slimの値は2026年10月に再確認)
規定の使用パターンで見ると、ノートとデスクトップの差は年に約10〜13kWh、約320〜400円。「パソコンの電気代」の全体像を、公式に公表された年間値の水準で言えば、ノートで年500円台、デスクトップで年800〜900円台だ。ただしこれは規定のパターン(オフ・スリープ・アイドルなど各モードの規定比率)での値で、長時間の高負荷作業をする人には当てはまらない。
差が出る条件その2 — 外部モニター
ノートPCは画面一体型のため、上の消費電力に画面分も含まれている。デスクトップは本体とは別にモニターの電気代がかかる。アイ・オー・データ機器公式仕様の液晶モニター「EX-LD321DB」(31.5型)は、消費電力が標準(オンモード)20.0W・最大41W・スタンバイ0.3Wで、国際エネルギースタープログラムの算定式にもとづく年間消費電力量は62.72kWhと公表されている(2026年9月時点・アイ・オー・データ公式仕様)。
1日8時間・30日使うと仮定すると、モニター単体で月約149円(20.0W×8時間×30日×31円/kWh)。これは「1Wあたり月7.4円」の20W分にあたる。デスクトップ本体(標準時・月約45円)と合わせて月約193円で、ノート単体(月約46円)との差のほとんどがモニター分になる。年間消費電力量62.72kWh(約1,944円)は、本体のエネルギー消費効率29.8kWh/年の約2倍で、モニターの電気代は本体に匹敵するか上回る。画面サイズ・機種で数値は変わる。
スリープ・シャットダウン
スリープが24時間続くと仮定した計算例は、ノート約7円、デスクトップ(Core i5)約20円/月(0.3W・0.9W×24時間×30日×31円/kWh)。シャットダウン(電源オフ・コンセントは挿したまま)の消費電力は、今回確認した仕様表に個別の記載がなく不明。家庭全体の待機電力の目安は待機電力は電気代の何%?で確認できる。ゲーム機との比較はPS5の電気代は1時間いくらか、テレビとの比較はテレビの電気代は年間いくら?で。
この記事の数値が当てはまらない条件
- 動画編集・高負荷なゲームを長時間する人:最大時に近い消費電力が続くことがあり、表の下の行(65W〜280W)が現実に近くなる
- 24時間つけっぱなしにする人:表は「1日8時間」。時間が3倍なら金額も3倍
- 周辺機器を多くつなぐ人:標準時の測定値は周辺機器なし。外付けドライブなどで実際の消費電力は増える
- 別機種:本記事の値はNEC LAVIEの2機種系統とモニター1機種のもの。他機種で同じ差になるとは限らない
よくある疑問
パソコンの電気代は1時間いくらですか?
作業の負荷で大きく変わり、公式値の一点では答えられません。NEC LAVIE公式の消費電力で計算すると(31円/kWh)、標準時(出荷構成のままOSを起動しただけの状態の測定値)はノートPC約6.2W・デスクトップ約6Wで1時間約0.19円、最大時が続くと仮定した計算例はノートPC(65W)で約2.0円、デスクトップ(Core i5構成・約280.4W)で約8.7円です。ブラウザや文書作成など実作業中の消費電力は公式仕様に載っておらず、公式には、標準時より低い値や最大時の間に収まる保証はなく、実作業の金額はこの記事では示せません(2026年10月時点)。
ノートPCとデスクトップPCで、電気代はどれくらい違いますか?
差が出る条件は2つあります。1つは負荷で、標準時はほぼ同じ(約6W)ですが、最大時はノート65Wに対しデスクトップ約280〜351Wの差が約215Wあり、両機種が最大時のままだと仮定した換算で1時間あたり約6.7円(Core i5構成)の差です。これは同じ作業をしたときの差ではありません。もう1つは外部モニターで、デスクトップに標準20.0Wのモニターを足すと、1日8時間・30日で月約149円が加わります。省エネ法のエネルギー消費効率(規定の使用パターンでの年間消費電力量)は、ノート約17kWh/年、デスクトップ約28〜30kWh/年で、年に換算すると約320〜400円の差です(今回確認した機種の例。2026年10月時点)。
スリープやシャットダウンで、電気代はどれくらい変わりますか?
NEC LAVIE公式仕様のスリープ時は、ノートPCで約0.3W、デスクトップPCで約0.9Wです。24時間続いたと仮定した計算例は、1か月でノートPC約7円、デスクトップPC約20円です。シャットダウン(電源オフ・コンセントは挿したまま)の消費電力は、今回確認した仕様表に個別の記載がなく不明です(2026年10月時点)。
パソコンの電気代から、電気の契約を見直す余地を考える
パソコン本体の電気代は、規定の使用パターンで年500〜900円台の水準です。一方、家庭の電気代は、使う家電の合計と契約の単価で決まります。たとえば月300kWh使う家庭なら、単価が1円/kWh違うだけで月300円、年3,600円の差になり、これはデスクトップ本体の年間値(約924円)の約4倍に相当します(当サイトの計算例)。パソコンの使い方を工夫するより、契約の単価を一度比べるほうが差が大きい場合があります。いまの契約に不満がなければ、この節は読み飛ばして構いません。
まとめ
パソコンの電気代は1時間約0.19円(OS起動のみの標準時)から、最大時が続くと仮定した計算例の約2.0円(ノート65W)・約8.7円(デスクトップ・Core i5構成)まで幅があり、実作業中の値は公式に載っていないため、実際の金額は示せない。目安は「1Wあたり、1日8時間・30日で月約7.4円」。ノートとデスクトップの差は、標準時ではほぼなく、最大値どうしの換算では1時間約6.7円(同じ作業の差ではない)。規定の使用パターンでの年間値(省エネ法)はノート約17kWh、デスクトップ約28〜30kWhで、外部モニター(標準20W)を足すと、本体に匹敵するか上回る電力が加わる。
ほかの家電の電気代も比べたい場合は、家電の電気代 早見表でまとめて確認できます。




