ポストに「電力メーターの取替のお知らせ」というチラシが入っていた。契約を変更した覚えもないのに交換するという。立会いは要るのか、停電するのか、お金はかかるのか——実は、この答えは交換のきっかけと、お住まいの地域の送配電事業者で変わります。この記事では、交換の案内が来たときの読者の状況別に、立会い・停電・費用がどう分かれるかを、送配電事業者の公式案内で整理します(2026年10月時点)。

この記事の要点

  • 取替工事の費用は原則かかりませんが、取付位置の変更(移設)、標準と異なる通信方式・標準容量を超えるメーターへの取替、お客さま起因の損傷などは費用が生じる場合があります(北陸電力送配電・中国電力ネットワーク公式)
  • 工事は取付場所で行われ、宅内には立ち入らないため、不在でも工事される場合があります。停電は事業者で異なり、東京電力パワーグリッド・九州電力送配電は原則なし、中国電力ネットワークは原則あり(15分程度)です(各社公式)
  • 通信機能を外したい場合、オプトアウト制度(44,000円)は2028年4月1日開始ですが、制度開始前の現在は旧型メーターへの取替えができず、通信機能の取り外しで対応する方針です(資源エネルギー庁公式)
  • 交換をきっかけに料金プランを見直したい人は、交換のあとに料金プランを見直すならへ(見直す予定がなければ読み飛ばして構いません)

まず確認 — 通知は「どのきっかけ」の交換?

交換の案内が届く理由は、主に3つあります(2026年10月時点・九州電力送配電、資源エネルギー庁公式)。

きっかけ 内容 読者の側の動き
① 検定有効期間の満了に伴う定期取替 契約した覚えがなくても届く。計量法で使える期間が定められているため 申込み不要。工事日の案内(チラシ等)が届く
② 電気の供給者変更(切り替え)の申込み スマートメーター未設置の家庭のみ、交換が必要になる 切り替え先への申込み後、地域の電力会社から工事予定日の連絡が入る
③ 新築、Bルートサービスの利用申込み 設置が伴う 申込みをした本人は把握済みのはず

「契約した覚えがない」のに届くのは①です。電力メーターには計量法にもとづく有効期間があり、東京電力パワーグリッドは「有効期間(計器の種類により5〜10年)が定められているので、公正な料金取引のため、有効期間が満了する前に取り替えさせていただきます」と案内しています。九州電力送配電も「メーターは、計量法に基づき使用できる期間(低圧メーターのほとんどは10年)が定められており、取替を実施する必要があります」と説明しています。利用者が申し込むものではなく、事業者が計画的に進める法令順守のための作業です(2026年10月時点・両社公式)。

立会いは必要? — 不在でも工事される場合がある

各社の案内を並べると、次のとおりです(2026年10月時点・各送配電事業者公式)。

送配電事業者 立会い・宅内 事前の案内
東京電力パワーグリッド 工事はメーターの取付場所で行い、室内に立ち入らない。不在時でも工事をする場合がある 工事日をチラシ配布などで工事会社が事前連絡
九州電力送配電 同上 同上
中国電力ネットワーク 取付場所によっては敷地内に立ち入るが、宅内には立ち入らない。不在時でも取替工事をする場合がある 事前にチラシを配付。お客さま側で特に準備することはない

公式の案内には、「立会いが必要になる条件」を具体的に示した記載は見つかりませんでした。不在でも工事される場合がある、という表現にとどまります。工事日の都合が悪い、または不在で心配なときは、チラシに書かれた連絡先に問い合わせるのが確実です。なお、東京電力エナジーパートナーの契約アンペア変更の案内では、スマートメーターが設置されている場合は原則立会い不要としながら、設備状況によっては必要になる場合があるとされています(別の手続きの案内です)。

停電は? — 事業者で答えが逆になる

停電の扱いは、事業者によって違います(2026年10月時点・各公式)。

送配電事業者 停電の扱い
東京電力パワーグリッド 原則として停電せずに交換。やむを得ず停電工事となる場合は事前に案内し、停電時間は5分程度
九州電力送配電 停電をせずに取替。やむをえず停電工事となる場合は事前に知らせる
中国電力ネットワーク 原則として停電して取替工事を行う。停電時間は15分程度(メーターの種類で異なることがある)

資源エネルギー庁も、交換時には停電(目安:1軒あたり約15分)が伴う場合があるとしています。つまり「スマートメーターの交換は停電しない」とは言い切れず、停電の有無と時間は地域で決まると考えるのが安全です。

公式の案内には、停電中に止められない機器(在宅で使う機器など)への個別の対応までは書かれていません。停電時間中に止められない機器がある場合は、チラシの連絡先に事前に相談してください。

費用は? — 原則無料、例外は3種類

取替工事の費用は、原則かかりません(東京電力パワーグリッド・九州電力送配電・北陸電力送配電・中国電力ネットワーク・資源エネルギー庁の各公式)。例外として、次の場合に費用が生じることが各社の案内にあります(2026年10月時点)。

  • 取付位置を変更する場合: 外壁改修等で計器の取付位置を変更する場合の移設費用など、個別の費用負担が生じる可能性があります(北陸電力送配電)
  • 標準と異なるメーターを求めた場合: 電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)で、お客さま要望により標準的な通信方式と異なるメーターに取り替える場合、太陽光発電等の理由で標準的な容量を超えたメーターに取り替える場合(中国電力ネットワーク)
  • お客さまの責任で損傷した場合: お客さまに起因する事由でメーターを損傷された場合(中国電力ネットワーク)

東京電力パワーグリッドと中国電力ネットワークは、社員や工事会社を装った詐欺・窃盗・不審電話への注意も呼びかけています。工事の担当者は、事業者が発行した身分証明書(委託従事者証等)を携行しています。取替工事の費用は原則かからないため、現地で費用を求められたときは、その場で支払わず、通知に書かれた送配電事業者に確認してください。

電力会社を切り替えるときの交換 — 期間が2週間と4日に分かれる

電力会社を切り替える場合、スマートメーターへの交換工事が必要かどうかで、切り替えに要する標準的な期間が変わります。資源エネルギー庁によると、スマートメーターへの交換工事が必要な場合はおよそ2週間程度、交換工事が不要な場合はおよそ4日程度です(2026年10月時点・同庁公式)。すでにスマートメーターが設置されていれば交換は不要です。電力会社の切り替え手順全体は電力会社の切り替え方法とデメリット — 賃貸でもできる?で、引越しにともなう電気・ガスの手続きは段ボールの山の中で「電気、手続きしたっけ」と青ざめていませんか — 引越しの電気・ガス手続きガイドで整理しています。

交換後は検針方法も変わります。遠隔検針に切り替わるため、検針時の立会いや敷地内への立入りが減ります(九州電力送配電公式)。検針票の内訳の読み方は検針票の「燃料費調整額」に目が留まったら — 電気代の内訳と再エネ賦課金の読み方で解説しています。契約アンペアの変更をあわせて考えている場合は、契約アンペアの変更 — 立会い・工事・費用が分かれる4パターンも参照してください。

交換のあとに料金プランを見直すなら

交換後は遠隔検針に切り替わります(九州電力送配電公式)。電力会社を切り替えるなら、すでにスマートメーターなら交換工事は不要でおよそ4日、未設置なら交換が必要でおよそ2週間です(資源エネルギー庁公式)。次の一歩は、手元の検針票で直近の使用量を確かめてから、複数社の料金を並べて見比べることです(検針票の読み方は上のリンクの記事にあります)。今の契約で困っていない人や、見直す予定がない人は、この枠は読み飛ばして構いません。

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複数社の料金を横断的に比較する候補として、電気チョイスの公式サイトで内容を確認できます。

【電気チョイス】

通信機能を外したい場合 — いま何ができるか

健康面などの理由で通信機能を外したい場合、制度は開始前の現在と2028年4月以降で分かれます(2026年10月時点・資源エネルギー庁公式)。

現在(2028年3月まで) 2028年4月1日から
旧型メーター(誘導型等)への取替え できない。主要メーカーで新規生産が終了しているため できない
通信機能の取り外し スマートメーターの通信機能の取り外しで対応する、と同庁は説明(具体的な手続きは一般送配電事業者へ) オプトアウト制度。事務手数料は計量器ごとに44,000円(税込)
取り外し後に検定期間が満了したとき 同Q&Aでは確認できませんでした 取替後も継続したい場合は、再度44,000円が必要

オプトアウト制度は、需要家の申出にもとづき、一般送配電事業者が小売電気事業者に受付の可否を確認したうえで通信機器を取り外す制度です。取り外しに必要な工事や毎月の検針員による検針などの追加対応が生じるため、事務手数料の負担が求められます。取り外した場合は、通信機能を前提にしたサービス(個別機器を活用したデマンド・レスポンスなど)が受けられなくなる等の影響が生じることがあります。取り外しても電気料金は安くなりません(スマートメーターの通信用の電力は計量されないため。東京電力パワーグリッド公式)。

2028年4月1日時点ですでに取り外し状態にある人は、制度開始後に事務手数料の負担が必要になる点も、同庁のQ&Aに書かれています。電磁波・個人情報・交換を断れるかといった不安を公式の説明で確認した記事はスマートメーターのデメリットは本当? 電磁波・個人情報・検針票・停電を公式の説明で事実確認です。

よくある疑問

スマートメーターへの交換に、費用はかかりますか?

メーターの取替工事自体の費用は、原則かかりません。ただし、外壁改修などにあわせてメーターの取付位置を変更する場合の移設費用(北陸電力送配電)、通信方式が標準と異なるメーターへの取替や標準容量を超えるメーターへの取替、お客さまの責任での損傷(中国電力ネットワーク)など、個別の事情で費用が発生する場合があります(2026年10月時点・各送配電事業者公式)。現地で費用を求められたら、その場で支払わず、通知に書かれた送配電事業者に確認してください。

交換の際に立会いは必要ですか?停電しますか?

各社の案内では、工事はメーターの取付場所で行い宅内には立ち入らないため、不在時でも工事が行われる場合があります。停電は事業者で異なり、東京電力パワーグリッドと九州電力送配電は原則停電なしで、やむを得ない場合は事前に案内(東京電力パワーグリッドは停電時間5分程度)、中国電力ネットワークは原則停電で15分程度です。資源エネルギー庁も、交換時には1軒あたり約15分の停電が伴う場合があるとしています(2026年10月時点・各公式)。

契約した覚えがないのに交換の通知が来たのはなぜですか?

電力メーターには計量法にもとづく有効期間(計器の種類により5〜10年、低圧メーターの多くは10年)が定められており、一般送配電事業者はこの有効期間が満了する前に、順次メーターを取り替えます。利用者からの申込みによるものではなく、法令にもとづいて事業者側が計画的に進めている作業です(2026年10月時点・東京電力パワーグリッド/九州電力送配電公式)。工事の担当者は身分証明書(委託従事者証等)を携行しています。

スマートメーターの通信機能を外したいときは、いま何ができますか?

2028年4月1日から、事務手数料44,000円(税込・計量器ごと)で通信機器を取り外すオプトアウト制度が始まります。制度開始前の現在も、旧型計量器への取替えは行えず、スマートメーターの通信機能の取り外しで対応することになると資源エネルギー庁は説明しています。具体的な手続きは一般送配電事業者に確認します。取り外しても電気料金は安くなりません(2026年10月時点・資源エネルギー庁、東京電力パワーグリッド公式)。

契約の見直しを考えるなら

スマートメーターへの交換そのものは、原則として手続きは不要で、取替工事の費用もかかりません。交換をきっかけに電力会社やプランを変える必要はなく、今の契約のままで問題ありません。そのうえで、この機会に契約を見直してみたい方に向けて、比較の候補を挙げておきます。見直す予定がない方は、読み飛ばして構いません。電力会社を切り替えるときは、上で見たとおり、交換工事が必要かどうかで期間が2週間と4日に分かれます。複数社の料金を比べてから決めたい場合は、交換のあとに料金プランを見直すならの節にある枠で見比べられます。

まとめ

スマートメーターの交換は、多くの場合、費用は原則かからず、宅内に入らない工事です。ただし停電の有無と時間は事業者で異なり(東京電力パワーグリッド・九州電力送配電は原則なし、中国電力ネットワークは原則あり15分程度)、取付位置の変更や標準と異なるメーターの場合は費用が生じることがあります。契約した覚えがないのに通知が届くのは、計量法の有効期間(多くは10年)の満了前に事業者が計画的に交換を進めているためです。通信機能を外したい場合は、2028年4月のオプトアウト制度(44,000円)の開始前も、旧型への取替えはできず、通信機能の取り外しで対応する方針です。個別の条件は、通知に書かれた送配電事業者に確認してください。交換を機に料金プランを見直す人は、交換のあとに料金プランを見直すならに戻って、複数社の料金を見比べられます。

本記事は公開情報に基づく解説であり、最新の料金・条件は各公式サイトでご確認ください。

料金プランの仕組みを知りたい場合は従量電灯Bとは — 3段階料金と11月改定の増額を計算で、電力会社を切り替える場合の手順は電力会社の切り替え方法とデメリット — 賃貸でもできる?で整理しています。