「スマートメーター デメリット」と検索すると、電磁波や個人情報、検針票がなくなるといった不安の声が目に入ります。ここでは、そうした「デメリットとして語られる点」を、総務省・資源エネルギー庁・一般送配電事業者の公式の説明だけで一つずつ確かめ、公式に書かれていること、公式の説明が見つからなかったことを分けて整理します。交換の手順や費用はスマートメーターの交換 — 費用・立会い・タイミングを公式情報で整理にまとめているので、ここでは触れません。
この記事の要点
- 電磁波: 総務省は十分な安全率を考慮した「電波防護指針」を定めており、九州電力送配電は自社のスマートメーターが準拠していて健康への明らかな重大な影響はないと考えられると説明しています(2026年10月時点)
- 個人情報: 東北電力ネットワークが、暗号化などで漏洩・不正利用を防ぐ取り組みを説明しています。通信の不具合については、公式の説明は見つかりませんでした
- 検針票と停電: 訪問検針はなくなり、お知らせは郵送などに変わります。取替時は原則停電なしで、やむを得ず停電する場合は事前に案内があります(九州電力送配電公式の例)
- 拒否: 交換を断れるかを明示した記述は見つからず、通信機器を外すオプトアウト制度が2028年4月から始まります
確認の前提 — 「デメリット」は人によって違う
以下は、検索でよく見かける論点を公式ページの記載と照らした結果です。公式の説明は事業者ごとに書き方が違うため、引用するのは実際に確認できた事業者の表現に限り、他の地域の事業者が同じだと決めつけません。お住まいの地域の一般送配電事業者の案内も合わせてご確認ください。
電磁波 — 公式はどう説明しているか
総務省は、基地局や放送局、携帯電話端末などの無線設備から発射される電波について、これまでの科学的知見に基づき、十分な安全率を考慮した安全基準として「電波防護指針」を定めています(2026年10月時点・総務省公式)。
そのうえで九州電力送配電は、スマートメーターの通信は総務省が示す指針等に基づき人体や電気機器類に影響を及ぼさないよう配慮しており、電波防護指針で人体にばく露される電波の強さに指針値が設定されていること、自社のスマートメーターはこの指針に準拠していることから、電波による健康への明らかな重大な影響はないと考えられると説明しています(2026年10月時点・同社公式)。
東北電力ネットワークのページでは、WHO(世界保健機関)の見解として「国際的なガイドラインを下回る強さの電波により、健康に悪影響が発生する証拠はない」との記述が紹介されています(2026年10月時点・同社公式)。
ここまでが公式に書かれている範囲です。不安があるために通信機器の取り外しを希望する人向けには、オプトアウト制度が用意されています(後述)。
個人情報 — 何が書かれていて、何が見つからないか
東北電力ネットワークは、国際標準に準拠した高度な暗号化などのセキュリティ技術を採用し、新たに発生する脅威にも継続的に対応できるよう運用面の体制を整えて、スマートメーターに保存される電力使用量データなどが漏洩したり不正に利用されたりすることのないよう取り組んでいる、と説明しています(2026年10月時点・同社公式)。
なお資源エネルギー庁は、スマートメーターが30分ごとに消費電力量を計測できる通信機能付きの計量器であること、今後は個別機器の電気の利用状況などより多くのデータが取得できる第二世代スマートメーターを2025年度から順次導入する方針であることを示しています(2026年10月時点・同庁公式)。30分ごとの使用量が電力会社に送られる点が気になる場合は、この仕組みを理解したうえで各社の個人情報の取扱いを確認するとよいでしょう。
一方で、「データが外部に漏れることはない」と保証する記述や、具体的な漏洩事例の有無を示す記述は、確認した公式ページには見つかりませんでした。
通信の不具合 — 公式の説明は見つからなかった
「通信が不安定になるのでは」「家電に電波障害が出るのでは」という声もあります。九州電力送配電のよくある質問には電波障害の影響について「人体や電気機器類に影響を及ぼすことのないよう配慮しています」との記述がありますが、実際に通信不具合が起きた場合の頻度や対処を示した公式の説明は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。この点は根拠のある情報が得られなかったため、断定は避けます。気になる場合は、契約先ではなくお住まいの地域の一般送配電事業者の窓口に問い合わせてください。
検針票 — 「なくなる」のではなく、届き方が変わる
九州電力送配電の説明では、スマートメーターを設置したお客さまには検針のための訪問がなくなり、「電気ご使用量・請求金額のお知らせ」は郵送で届けられます。口座振替・クレジットカード払いの場合は検針日の2営業日後を目途にハガキで、振込票払いの場合は振込票の上部に検針結果を記載して封書で発送されます。また、様式の見直しがあるほか、口座振替前の「電気料金口座振替のお知らせ」は重複するため発送されなくなります(2026年10月時点・同社公式)。
つまり同社の例では、お知らせそのものがなくなるわけではありません。ただし、紙の書類の種類が減ったり様式が変わったりするため、戸惑う方はいるでしょう。検針票に並ぶ項目の読み方は検針票の「燃料費調整額」に目が留まったら — 電気代の内訳と再エネ賦課金の読み方で、電気代の水準の目安は電気代の平均は?で整理しています。なお他の一般送配電事業者の届け方は地域によって異なる場合があるため、お住まいの地域の案内をご確認ください。
交換時の停電 — 原則なし、やむを得ない場合は事前案内
九州電力送配電は、取替は停電をせずに行うこと、メーターの設置状況等によりやむを得ず停電工事となる場合は事前に知らせることを案内しています。工事費は取らないとも説明しています(2026年10月時点・同社公式)。交換の流れや立会いの要否はスマートメーターの交換を参照してください。
拒否できるのか — 公式の表現どおりに
九州電力送配電は「スマートメーターの設置は必要ですか?」という質問に、計量法および電気事業法に基づく適正な電力量の計量のために電力メーターを取り付ける必要があるとして、設置工事への理解を求めています(2026年10月時点・同社公式)。交換を断れるかどうかを明示した記述は、今回確認した公式ページには見つかりませんでした。
取り外しの制度としては、2028年4月1日から有料の「オプトアウト制度」が始まります。なお、制度開始前の現在についても、資源エネルギー庁のQ&Aは、旧型計量器への取替えはできず、スマートメーターの通信機能の取り外しにより対応することになると説明しています。現在の対応は、お住まいの地域の一般送配電事業者に相談してください。需要家の申出により、一般送配電事業者が小売電気事業者に受付の可否を確認したうえで、スマートメーターの通信機器を取り外す制度で、事務手数料は計量器ごとに44,000円(税込)です(以下は2028年4月開始の制度の内容です)。取り外しに必要な工事や、検針員による毎月の検針などの追加対応が必要になるためです。原則として希望するすべての需要家が対象で、オプトアウトをすると、通信機能を前提としたサービス(個別機器を使ったデマンド・レスポンスなど)が受けられなくなることがあります。また旧型計量器(誘導型等)への取替えはできません(2026年10月時点・資源エネルギー庁公式)。44,000円は一度払えば将来ずっと有効というわけではありません。計量器の有効期間(検定期間)が満了して取り替える際に、取り外しの継続を希望する場合は、取替工事の前にあらためて44,000円の負担が必要と案内されています。また、制度開始時点(2028年4月1日)で既に通信機器の取り外しなどの対応を受けている人も、その時期にかかわらず手数料の負担対象です(制度開始までに通信機器付きのスマートメーターに変更した場合は負担不要)。手数料を支払わない場合、最終的には通信機能付きのスマートメーターに原状回復するなどの対応になると案内されています。
この制度は健康面や通信への不安を理由に希望する人向けに用意されたものですが、手数料が発生し、便利さの一部も使えなくなります。現在の対応は今すぐ一般送配電事業者に相談でき、2028年4月開始の有料制度の申込み方法は、公表された時点でお住まいの地域の一般送配電事業者のサイトで確認してください。
公式の説明で分かったことの整理
| 論点 | 公式に書かれていること | 公式の説明が見つからなかったこと |
|---|---|---|
| 電磁波 | 総務省の電波防護指針、九州電力送配電の「健康への明らかな重大な影響はないと考えられる」との説明 | 影響が全くないと断言する記述 |
| 個人情報 | 東北電力ネットワークの暗号化等の取り組み | 漏洩しないという保証、事例の有無 |
| 通信の不具合 | 電波障害への配慮(九州電力送配電) | 不具合の頻度・対処 |
| 検針票 | 訪問検針がなくなり、お知らせは郵送(九州電力送配電の例) | 全地域共通の取扱い |
| 停電 | 原則なし、やむを得ない場合は事前案内 | 個別の設置状況ごとの判断 |
| 拒否 | 現在は通信機能の取り外しで対応(一般送配電事業者に相談)、2028年4月からオプトアウト制度(44,000円・検定期間満了時は再負担・既存利用者も対象) | 交換そのものを断れるかの明示 |
スマートメーターを機に、電気の契約を見直すなら
スマートメーターの話とは別に、電力会社やプランを見直す方法もあります。今の契約に困っていない方は、この節を読み飛ばして問題ありません。見直しを考える場合の比較の候補です。
まとめ
「デメリット」として語られる点のうち、電磁波と個人情報については、公的機関・事業者が一定の説明をしています。一方で、通信の不具合や、交換を断れるかについては、確認できる公式の説明が限られていました。不安が強い場合は、現在の対応をお住まいの地域の一般送配電事業者に相談し、2028年4月に始まる有料のオプトアウト制度(再負担や既存利用者への適用を含む)の内容も確認するのが確実です。
本記事は公開情報に基づく解説であり、最新の内容は各公式サイトでご確認ください。




