実家の片付けをしていたら、2年前まで使っていたスマートフォンが引き出しの奥から出てきた。バッテリーはまだ生きている。子どもの初めてのスマホにしようか、それとも格安SIMを挿してサブ機にしようか——。そう思った次の瞬間、ふと手が止まる。このスマホ、そのまま格安SIMを挿して使えるのでしょうか。
この記事の要点
- 総務省の携帯電話ポータルサイトによれば、2021年10月以降に発売されたスマートフォンは原則SIMロックなしで販売されています。それより前(2021年9月30日以前)に発売された端末は、解除手続きが必要な場合があります(2026年8月時点・総務省公式)
- SIMロック解除の手続きは、Webでの手続きなら無料が原則です。NTTドコモ・ソフトバンクは2023年に、店舗での手続きも無料にしたと公式に案内しています(2026年8月時点・総務省/NTTドコモ/ソフトバンク公式)
- SIMロックが解除されていても、対応する周波数帯(バンド)が違う、eSIMに対応していない、ネットワーク利用制限がかかっているといった理由で使えないことがあります
SIMロックとは? — 「原則禁止」になったのはいつから
SIMロックとは、購入した携帯会社以外のSIMカードを挿しても通信できないように、端末側にかけられている制限のことです。
総務省の携帯電話ポータルサイトでは、「2021年10月以降に『発売』されたスマートフォンには原則SIMロックは禁止になりました」と説明されています(2026年8月時点・総務省公式)。これは、総務省が2021年8月に「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」を改正したことによる制度変更です。
注意したいのは、基準になっているのが「発売日」であるという点です。総務省の説明では、2021年10月以降も、それ以前に発売されたスマートフォンが引き続き販売されていることがあり、購入した時期ではなく「その機種がいつ発売されたか」を確認する必要があるとされています(2026年8月時点・総務省公式)。
手持ちの端末は解除が必要? — 発売時期で見分ける
総務省の携帯電話ポータルサイトによれば、大手携帯会社3社(NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク)から購入した端末のうち、「2021年9月30日以前に発売されている」機種は、SIMロック解除の手続きが必要な場合があるとされています(2026年8月時点・総務省公式)。
自分のスマホがSIMロックされているかどうかは、端末の設定画面から確認できます。ソフトバンク公式サイトの案内では、iOS 14以降のiPhoneであれば「設定」→「一般」→「情報」と進み、「SIMロック」欄が「SIMロックなし」と表示されていれば解除済みです(2026年8月時点・ソフトバンク公式)。契約中の端末であれば、契約している会社のマイページに製造番号(IMEI)を入力して確認する方法もあります。
製造番号(IMEI)は、端末ごとに割り当てられた15桁の番号です。ソフトバンク公式サイトによると、電話アプリで「*#06#」と入力するか、設定アプリの端末情報(iPhoneは「一般」→「情報」、Androidは「デバイス情報」など)から確認できます(2026年8月時点・ソフトバンク公式)。
解除の手続き方法は? — オンラインと店舗、費用の違い
総務省の携帯電話ポータルサイトでは、SIMロック解除の手続きについて、「ウェブでの実施は無料」である一方、「電話や店舗では3,300円かかる場合が多くなっています」と説明されています(2026年8月時点・総務省公式)。
ただし、NTTドコモ・ソフトバンクでは近年、店舗での手数料も無料にする動きが進んでいます。NTTドコモは公式サイトで、2023年10月1日より「すべてのお申込み方法にてSIMロック解除手数料を無料といたします」と案内しています(2026年8月時点・NTTドコモ公式)。ソフトバンクも公式サイトで、2023年9月13日以降はSIMロック解除の手数料が無料になったと案内しています(2026年8月時点・ソフトバンク公式)。手数料の扱いは会社によって案内内容が異なるため、手続き前に契約している会社の最新の案内を確認することをおすすめします。
手続き自体は、契約している会社のマイページから、対象の端末を選び、製造番号(IMEI)を入力するだけで完了する場合がほとんどです。NTTドコモの例では、My docomoでの手続きは24時間対応(システムメンテナンス時を除く)で、dアカウントと製造番号があれば手続きできると案内されています(2026年8月時点・NTTドコモ公式)。au公式サイトでも、My auでの手続きはau IDでログインし、暗証番号の入力、端末の選択または製造番号の入力、理由や連絡先の選択という流れで進むと案内されています(2026年8月時点・au公式)。解約済みの端末や、譲り受けた中古端末でも、製造番号などの情報があれば手続きできる場合があります。
SIMロックを解除しても使えないことがある? — バンドの違い
SIMロックが解除されていても、その端末が必ず使えるとは限りません。理由のひとつが、対応する周波数帯(バンド)の違いです。
スマートフォンは、機種ごとに対応している周波数帯(バンド)が決まっています。契約する回線が使っている主要な周波数帯に端末が対応していないと、SIMロックが解除されていても、電波をつかみにくくなったり、そもそも通信できなかったりすることがあります。
総務省の携帯電話ポータルサイトでも、「自分が契約をしている携帯会社以外が販売するスマートフォンを利用する場合には、各社が公表している動作確認済端末のページを確認しましょう」と案内されています(2026年8月時点・総務省公式)。SIMロックの解除はあくまで一つの条件であり、契約先が公開している動作確認済端末の情報もあわせて確認しておくと安心です。
eSIM対応・ネットワーク利用制限も確認しておく
近年は、物理的なSIMカードを使わない「eSIM」に対応した格安SIMプランも増えています。eSIMを使うには端末自体がeSIMに対応している必要があり、対応状況は機種によって異なります。契約前に、設定アプリにeSIM関連の項目があるかどうかを確認しておくと安心です。eSIMの具体的な設定手順は 「QRコードを読み取ってください」で止まったら — iPhone・AndroidのeSIM設定手順 でも紹介しています。なお、すでに契約しているeSIMを機種変更で別の端末に移す場合は、今回のSIMロック解除とは別に、キャリアでの再発行手続きが必要です。詳しくはeSIMは機種変更で自動的に移らない — キャリア別の再発行手順とやってはいけないことで解説しています。
もうひとつ確認しておきたいのが、ネットワーク利用制限です。総務省の携帯電話ポータルサイトでは、盗難など不正な入手により制限がかかった端末を「赤ロム」と呼び、通話やデータ通信ができなくなると説明しています(2026年8月時点・総務省公式)。UQ mobile公式サイトの説明では、各社の照会サイトに製造番号(IMEI)を入力すると、「○」(制限の対象外)「△」(現在は利用できるが、代金債務の不履行などにより将来制限される可能性がある)「×」(利用制限中)のいずれかが表示されるとされています(2026年8月時点・UQ mobile公式)。中古端末やフリマサイトで譲り受けた端末を使う場合は、SIMロックの状況とあわせて、このネットワーク利用制限の判定も確認しておくことをおすすめします。
使い始める前に、次の点を順番に確認しておくと、手続きの手戻りを防ぎやすくなります。
- 端末の発売時期(2021年9月30日以前かどうか)とSIMロックの状況
- 契約したい回線の周波数帯(バンド)に端末が対応しているか(各社の動作確認済端末ページで確認)
- eSIMを使う予定なら、端末がeSIMに対応しているか
- 中古・譲り受け端末の場合、ネットワーク利用制限が「○」になっているか
格安SIMへの乗り換え全体の流れは MNP乗り換えの手順と注意点 — MNPワンストップ対応の現在 でも整理していますので、あわせてご確認ください。格安SIMそのものの選び方は 格安SIMの選び方 5つの基準【2026年版】 で整理しています。
よくある不安
今持っているスマホにSIMロックがかかっているかどうか、どうやって確認すればいいですか?
iOS 14以降のiPhoneであれば、「設定」→「一般」→「情報」と進み、「SIMロック」欄が「SIMロックなし」と表示されていれば解除済みです(2026年8月時点・ソフトバンク公式)。契約中の端末であれば、契約している会社のマイページに製造番号(IMEI)を入力して確認する方法もあります。
SIMロックを解除すれば、どの格安SIMでも必ず使えますか?
いいえ、必ずしもそうとは限りません。SIMロックを解除しても、スマートフォンが対応している周波数帯(バンド)と契約する回線の主要な周波数帯が一致していないと、電波をつかみにくくなったり通信できなかったりする場合があります。総務省の携帯電話ポータルサイトでも、契約する会社以外が販売するスマートフォンを使う場合は、各社が公表している動作確認済端末のページを確認するよう案内されています(2026年8月時点・総務省公式)。
SIMロック解除の手続きに費用はかかりますか?
総務省の携帯電話ポータルサイトによると、Webでの手続きは無料で、電話や店舗では手数料がかかる場合があるとされています(2026年8月時点・総務省公式)。ただしNTTドコモは2023年10月1日以降、ソフトバンクは2023年9月13日以降、それぞれSIMロック解除の手数料をすべての申込み方法で無料にしていると公式に案内しており、ドコモ・ソフトバンクでは店舗での手続きも無料になっています(2026年8月時点・NTTドコモ公式/ソフトバンク公式)。
ネットワーク利用制限の「◯△×」とは何ですか?
端末代金の未払いや盗難など、不正な入手が疑われる端末に対して通話やデータ通信を利用できなくする仕組みのことです。各社の照会サイトに製造番号(IMEI)を入力すると、「○」(制限の対象外)「△」(現在は利用できるが、代金債務の不履行などにより将来制限される可能性がある)「×」(利用制限中、いわゆる「赤ロム」)のいずれかが表示されます(2026年8月時点・UQ mobile公式)。
まとめ
SIMロックは、2021年10月の制度改正によって、多くの新しい端末では気にする必要がなくなりました。一方で、それより前に発売された端末を手元に残している場合は、発売時期を確認し、必要であれば解除の手続きをしておくと安心です。そして、SIMロックが解除された後も、対応する周波数帯(バンド)やeSIMへの対応、ネットワーク利用制限といった確認事項が残っています。使い始める前にひとつずつ確認しておけば、「せっかく解除したのに使えなかった」という事態を避けやすくなります。
本記事は総務省・各社公式サイトの公開情報に基づく解説であり、最新の制度・手続き内容は総務省および契約先の公式サイトでご確認ください。




