新しいiPhoneに機種変更して、いつも通り物理SIMを差し替えるつもりで電源を入れたら、画面には「SIMがありません」の文字。よく見ると契約しているのはeSIMだった——。物理SIMなら差し替えるだけの機種変更が、eSIMでは同じようにいかないことに、切り替えの当日になって気づくケースは少なくありません。

この記事の要点

  • eSIMは「差し替え」では機種変更できません。進み方は、旧端末が動くか、新旧の端末の組み合わせ、認証のSMSが届くかで、端末内の転送かキャリアでの再発行かに分かれます
  • 旧端末が動いているうちにオンラインで済ませれば、ドコモ・ソフトバンクは0円、ahamo・povoも無料です。旧端末を先に消して窓口に回ると、ドコモ・ソフトバンクは4,950円(税込)の窓口手数料がかかる場合があります(2026年10月時点・各社公式)
  • 旧端末を手放すなら、先に下取り・買取の査定条件と対象機種を確かめて売る先を決め、新端末で通信できると確認してから初期化します。買取の条件を比べたい人は、買取サービスを比べたいときへ(契約先の下取りで済ませるなら読み飛ばして構いません)
  • 転送が使えるかは、OSやキャリアの条件で割れます。Apple公式の転送条件(iOS 18.4以降)とドコモ公式の条件(iOS 16.4以降)のように、案内が食い違うこともあります

eSIMそのものの仕組みや物理SIMとの違いは、eSIMとは? — 仕組み・物理SIMとの違い・メリットとデメリットを整理で解説しています。ここでは「すでにeSIMを契約している状態で、機種変更するとき」に絞って、自分の状況ではどこへ進めばよいかを分岐でまとめます。機種変更後に「SIMがありません」と表示されたときの確認順は機種変更後「SIMがありません」と出たらにまとめています。

核心: 「差し替え」では移らない。移す手段は3つある

物理SIMの機種変更は、カードを新しい端末に挿し替えるだけで完了します。一方eSIMは、契約情報が古い端末の中にデータ(プロファイル)として書き込まれているため、新しい端末側であらためてプロファイルを用意する手続きが必要です。この前提を知らずに進めると、「新しい端末の電源を入れたら圏外のまま」という状況に直面しやすくなります。

移す手段は、次の3つです。

  1. 端末内の転送(自動で移るように見える方法): iPhoneのeSIMクイック転送、AndroidのeSIM転送機能。旧端末と新端末の両方が手元にあり、条件が合うときだけ使えます。Pixelでは、初期設定の中で移行が行われる場合もあります
  2. キャリアでの再発行: 契約先のWebやアプリ、または店舗で、新しい端末向けにプロファイルを発行し直します
  3. 新端末の購入と同時の手続き: ドコモオンラインショップなど、端末の購入と合わせてeSIMを申し込む形です(ドコモはドコモのeSIM機種変更に入口別でまとめています)

状況別の分岐: 旧端末が動くか、組み合わせは何か

あなたの状況 進み方 くわしい記事
旧iPhone・新iPhoneとも手元にあり、条件が合う eSIMクイック転送(端末内の操作) クイック転送の条件
旧Android・新Androidとも手元にある AndroidのeSIM転送。契約先と機種の条件を満たす場合だけ AndroidのeSIM機種変更
iPhoneとAndroidをまたぐ 契約先で分かれる(転送の手順を用意する会社、再発行が必要な会社がある) AndroidのeSIM機種変更
旧端末は動くが、転送の条件が合わない 契約先での再発行(旧端末が動くうちにオンラインで) 下の「手数料」の表
旧端末が初期化済み・紛失・故障 契約先での再発行。認証のSMSが受け取れるかで窓口が分かれる eSIMの再発行(紛失・故障・誤削除)
物理SIMからeSIMに変える(端末はそのまま) 同じ端末で切り替え 物理SIMからeSIMへ切り替え

iPhone同士: eSIMクイック転送

Apple公式サポートは、iPhoneの設定アプリから「モバイル通信」→「モバイル通信を設定」と進み、「近くのiPhoneから転送」を選ぶことで、以前使っていたiPhoneのeSIMを新しいiPhoneに転送できる手順を案内しています(2026年10月時点・Apple公式サポート「iPhoneでeSIMを設定する」)。転送には両方の端末がApple Accountにサインインし、Bluetoothを有効にしている必要があり、同ページでは両方の端末にiOS 18.4以降がインストールされていることを条件として挙げています(2026年10月時点・Apple公式)。

この機能はキャリア側の対応も前提になります。NTTドコモは対応機種(iPhone 11以降)とOS条件(iOS 16.4以降)を案内しており、ahamo公式もiOS 16以降・iPhone 11以降を条件としています(2026年10月時点・NTTドコモ公式/ahamo公式)。povo2.0と楽天モバイルもそれぞれ公式サイトで同様の転送方法を案内しています。auとソフトバンクを含む各社の条件の比較はeSIMクイック転送の条件にまとめています(ソフトバンクの現行条件は未確認です)。キャリアの案内とApple公式の記載でOSバージョンの条件が食い違うため、実施前に両方を見ておくと安心です。

iPhoneとAndroidをまたぐ場合

Apple公式サポートは、Apple製以外の端末(Androidなど)からの転送は通信事業者に相談するのが基本とし、iOS 26以降では一部の組み合わせで転送に対応していると案内しています(2026年10月時点・Apple公式)。契約先ごとの可否はAndroidのeSIM機種変更・転送に並べています。使えない組み合わせは、方法2の再発行になります。

Androidの機種変更

Google Pixelについては、新旧どちらの端末もAndroid 12以降で最新のGoogle Play開発者サービスがインストールされ、画面ロックを設定していれば、初期設定の中で移行が行われる場合があるとGoogle公式が案内しています。ただし、携帯通信会社によって手順が異なる場合があるとも書かれています(2026年10月時点・Google Pixel ヘルプ公式)。条件を満たさない場合や自動移行が失敗した場合は、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→「SIMを追加」→「他のデバイスからSIMを移行する」からの手動移行、またはキャリアでの再発行に進みます。メニューの名称は機種で異なるため、QRコードを読み取ってください、で止まったらも参考になります。

順番で手数料が変わる: 旧端末が動くうちに済ませる

再発行は、旧端末が動いていて認証のSMSやアプリが使えるうちにオンラインで済ませるか、旧端末を先に消したあとで窓口に回るかで、手数料と手間が変わります。公式が示している金額を並べると、次のとおりです(税込・2026年10月時点・各社公式)。

キャリア オンライン(旧端末が使える) 店舗窓口 受付時間・所要
NTTドコモ 無料(Webの各種手続きは2025年9月5日の手数料改定の対象外) 4,950円(店頭・コールセンター。「必要になる場合がある」と公式に記載) 電話窓口のドコモオンラインショップセンターは9:00〜20:00(年中無休)
ahamo eSIM再発行は無料(キャンペーン中・終了時期未定) ドコモショップ/d garden: 誤削除は無料(キャンペーン中)、システム障害は無料、端末紛失・確認コード不明などは4,950円 ドコモオンラインショップセンター 9:00〜20:00
au 0:05〜23:55に手続き可能(メンテナンス等で変わる場合あり)。My au(Web)での再発行・転送は無料(au公式FAQ) 店舗手数料は4,950円。故障・紛失・誤削除が原因と確認できれば無料(ID-06)(2026年10月時点・au公式) 紛失・故障・誤削除のeKYCによるオンライン手続きは、2026年9月時点でメンテナンス停止中(au公式。auのeSIM再発行)
ソフトバンク My SoftBankの再発行は0円。別端末への持ち込み機種変更は、オンラインショップでSIM単体なら2026年1月21日以降eSIM無料。対応端末間の転送は端末設定で事務手数料なし 4,950円 記載なし(手続き画面で要確認)
楽天モバイル 0円 窓口手数料の記載なし 受付時間の記載なし。手続きに2時間前後
povo2.0 無料(通常440円・当面の間無料) — 通話+データ 9:30〜20:00/データ専用 24時間

読み取れる分かれ目は次のとおりです。ドコモとソフトバンクは、オンラインで済めば0円、店舗に回ると4,950円です。差額は1回あたり4,950円です。ahamoは、端末紛失や確認コード不明が理由の店舗手続きで4,950円がかかります。ahamoの公式FAQは、確認コードのSMSが届かない場合をオンラインでは手続きできないケースとして挙げ、ドコモオンラインショップセンターへの電話を案内しています。

楽天モバイルは公式FAQで、手続きの前にeSIMのプロファイルを削除すると、本人確認のワンタイムパスワードが受け取れず、my 楽天モバイルから再発行できなくなると注意しています。また、現在回線を使っている端末で操作するよう案内されています(2026年10月時点・楽天モバイル公式)。povoは、通話+データプランでは再発行後にeKYC(運転免許証・在留カード・マイナンバーカードのいずれか)が必要です。データ専用はSMS認証のみで、書類は不要です。

ドコモは確認コードが取得できないなど一部のケースがオンラインで完結せず、ドコモショップやドコモオンラインショップセンター(0120-131-067)への連絡が必要になります(2026年10月時点・ahamo公式)。

機種変更前にやってはいけないこと

  • 旧端末のeSIMプロファイル・SIMカードを、手続き完了前に削除・取り外さない: 楽天モバイル公式は、手続き完了前にeSIMのプロファイルを削除すると、本人確認のワンタイムパスワードが受け取れなくなると注意しています。誤って削除してしまった場合の対処はeSIMを削除してしまった — まずやること・やってはいけないことで解説しています
  • 新端末側の手続きが終わるまで、旧端末を初期化しない: 確認コードやSMSでの認証が旧端末・旧回線宛てに届く場合があるため、先に初期化すると、上の表の「店舗窓口」の側に回ることがあります
  • 端末を譲渡・下取りに出す前は、SIM情報のダウンロードと初期化の順番に注意する: NTTドコモ公式は、譲渡や中古販売の前にSIM情報(プロファイル)を一度ダウンロードしたうえで初期化するよう案内しています。順番を誤って解約すると、解約後の端末に前の契約者の電話番号が表示される可能性があるとしています(2026年10月時点・NTTドコモ公式)

機種変更前にSIMロックの解除状況を確認しておく必要がある点も物理SIMと共通です。確認方法は実家の片付けで出てきた2年前のスマホ、格安SIMを挿せば使えますか — SIMロック解除の今と確認しておきたいことで整理しています。

旧端末をこのあと手放すなら、旧端末をどうするかの節に、下取りと買取の選び方があります。

よくある不安

iPhoneのeSIMクイック転送を使えば、キャリアへの連絡は一切不要になりますか?

対応する組み合わせであれば、端末内の操作だけで完結する場合があります。ただし対応機種・必要なiOSバージョンは情報源によって案内が異なることがあります(例: Apple公式サポート「iPhoneでeSIMを設定する」はiOS 18.4以降を条件として挙げていますが、ドコモ公式はiOS 16.4以降と案内しています。いずれも2026年10月時点)。実施前に、Apple公式と契約先キャリア公式の両方で最新の条件を確認するのが確実です。

旧端末を先に初期化してしまったら、もうeSIMは使えませんか?

契約しているキャリアで再発行の手続きをすれば、再び使えるようになる場合が多いです。ただし、旧端末や旧回線宛てに届く確認コードが受け取れずオンライン手続きが完結しないと、店舗窓口に回ることになります。窓口の手数料はドコモ・ソフトバンクが4,950円(税込)、ahamoは端末紛失・確認コード不明などの場合に4,950円で、誤削除・システム障害は無料です(2026年10月時点・各社公式)。旧端末を先に消した場合の流れは、場面別にまとめたeSIMの再発行(紛失・故障・誤削除)で確認してください。

Androidでも機種変更のときにeSIMは自動的に移りますか?

端末・OS・契約先の組み合わせによります。Google Pixelの場合、新旧どちらの端末もAndroid 12以降で最新のGoogle Play開発者サービスがインストールされ、画面ロックを設定していれば、初期設定の中で移行できる場合があるとGoogle公式が案内していますが、携帯通信会社によって手順が異なる場合があるとも書かれています(2026年10月時点・Google Pixel ヘルプ公式)。契約先の条件を満たさないと転送は使えず、その場合は設定アプリからの手動移行や、契約先キャリアでの再発行手続きが必要です。

Android端末どうし、またAndroidとiPhoneの間でeSIMを移せるかは、AndroidのeSIM機種変更・転送で組み合わせ別に整理しています。ドコモの回線については、旧端末の状況別の手順をドコモのeSIM機種変更でまとめています。ソフトバンクと楽天モバイルの個別手順はソフトバンクのeSIM再発行と機種変更・楽天モバイルのeSIM再発行に、端末を変えずに物理SIMからeSIMへ切り替えたい場合は物理SIMからeSIMへ切り替え — 6社の手数料・受付時間を比較にあります。

旧端末をどうするか — 下取り・買取・手元に残す

機種変更が済むと、手元には旧端末が残ります。ここでは、ドコモ公式の案内を例に、手放す前に確認したいことを整理します。他社の回線でも、下取りや買取の条件・手順は各社の公式ページで確認してください(2026年10月時点)。選択肢は大きく3つです。

  • ドコモの下取りプログラム: ドコモの公式ページでは「下取りプログラム」として案内されています。店頭で申し込む場合は機種の購入代金から割引され、オンラインで申し込む場合はdポイントが進呈される形です(受け取りにはdポイントクラブへの加入が必要で、旧端末の到着からポイント進呈までは2〜3週間と案内されています)。新しい端末の購入と合わせて手続きしたい人に向きます。
  • 買取サービス: ドコモ公式サイトには「買取プログラム」のページがあり、運営はBelong株式会社で、ドコモ以外の機種も受け付けると案内されています。価格や対象機種は運営会社が決めるため、下取りプログラムとは異なる場合があります。現金(銀行振込)で受け取りたい人や、下取りの対象外の端末を手放したい人は、比べる余地があります。家電量販店や中古端末の買取店など、ほかにも提供元は複数あります。
  • 手元に残す: 予備機として置いておく、Wi-Fi につないでカメラや音楽プレーヤー、地図などに使う、といった使い方です。売る手間がなく、個人情報が手元から離れない点が利点です。ただし、eSIM を新端末に転送した後は、旧端末のSIMは無効になる(ドコモ公式の転送機能のページの記載)ため、転送した回線での音声通話・モバイルデータ通信は旧端末では使えなくなります(Wi-Fi は引き続き使えます)。

買取サービスを比べたいとき

契約先の下取りで足りる人は、この枠は読み飛ばして構いません。買取サービスが向くのは、現金(銀行振込)で受け取りたい人や、下取りの対象外の端末を手放したい人です。下取りと買取は、受け取り方(機種代金の割引・ポイントか、現金か)と時期を並べて比べられます。次の一歩は、まず各社の公式サイトで査定の条件と対象機種を確かめることです(買取額は機種や状態で変わります)。売る先を決めたら、新端末の通信確認、バックアップ、ロック解除、初期化を所定の順で進めます(順番は手放す前に済ませておくこと)。

広告

旧端末の買取を比べる候補として、ネットオフの公式サイトで買取の条件を確認できます。

【手数料・送料無料】携帯電話・スマートフォン売るならネットオフ♪

広告

もう1つの候補として、ノジマのスマホ買取の公式サイトで買取の条件を確認できます。

ノジマのスマホ買取

手放す前に済ませておくこと

  • 新端末で通信できることを確認する: 旧端末のeSIMや設定の削除、初期化は、新端末で通話とデータ通信ができると確認してからにしてください。
  • データのバックアップと消去: ドコモの下取りプログラムのページでは、データの消去・移行は利用者自身の責任で行うこと、機種を送付した後はデータの復元や閲覧ができないことが案内されています。買取プログラムのページでも、申込前のバックアップが案内されています。
  • アクティベーションロックの解除(iPhone・iPad): Apple の案内では、売却・譲渡・下取りの前に「探す」をオフにします。iPhone では「設定」で自分の名前を開き、「探す」からオフにする手順で、オフにするとアクティベーションロックも解除されます。そのうえで、設定から「すべてのコンテンツと設定を消去」で初期化します。ドコモの下取りプログラムでは、各種ロックを解除できない機種は受け付けられない場合があります。
  • SIMロックの確認: ドコモの案内では、2021年8月27日以降に発売された機種はSIMロックが設定されておらず、解除の手続きは不要です。それ以前の機種は、SIMロックの有無と解除への対応状況を確認してください。対応機種は無料で解除でき、受付窓口は機種によって異なります。他社のSIMで使われる可能性がある場合は、買取先や譲渡先の条件も確認してください。
  • 補償サービスと分割払いの確認: ドコモの下取りプログラムのページでは、対象機種を下取りに出した時点で補償サービスは終了するため、事前に解約して新機種へ登録を切り替える必要があると案内されています。分割払いが残っている場合は、下取りに出した後も支払いが続きます。「スマホおかえしプログラム」「いつでもカエドキプログラム」を利用中の場合は、買取プログラムへの申込み後におかえし・カエドキで端末の返却を申し込むと、違約金などが生じる場合があると買取プログラムのページに書かれているため、先に条件を確認してください。

旧端末を下取りに出すか買取に出すかの比べ方はスマホの下取りと買取、どっち?7社の公式条件を比較に、売る前に済ませる手順はスマホを売る前にやることにまとめています。

機種変更を機にプランを見直すなら

機種変更や再発行の手続きは、今契約しているキャリアのままで行えます。プランを変える必要はありません。そのうえで、この機会に料金プランそのものを見直したい方に向けて、比較の候補を挙げておきます。今のプランで困っていない方は、読み飛ばして問題ありません。

広告

比較検討の候補として、格安SIMのBB.exciteモバイルの公式サイトでFitプランの料金を確認できます。

格安SIMのBB.exciteモバイル

まとめ

eSIMの機種変更は、物理SIMのような「差し替え」では完結しません。旧端末と新端末が手元にあり条件が合えば端末内の転送で済み、そうでなければ契約先での再発行が必要です。再発行は、旧端末が動いていて認証が受け取れるうちにオンラインで済ませるのが基本で、先に旧端末を消して店舗に回ると、ドコモ・ソフトバンクでは4,950円(税込)がかかります。新しい端末側の手続きが終わるまで、旧端末のeSIM・SIMカードを削除したり初期化したりしない——これだけで多くのトラブルを避けられます。旧端末を買取に出すか迷う人は、買取サービスを比べたいときの節に、条件の確認先をまとめています。

本記事は各社公式サイトの公開情報に基づく解説であり、最新の手数料・受付時間・手続き条件は契約先の公式サイトでご確認ください。