電気代の支払い方法を、契約したときのまま一度も見直していない、という人は多いのではないでしょうか。口座振替・クレジットカード・払込票(振込用紙)・スマホ決済と選択肢はありますが、請求書の発行手数料(年2,640円)が減るのは対象の契約の人だけです。ただし実質負担は、カード還元や口座振替割引でも変わります。この記事では、東京電力エナジーパートナー公式の情報をもとに、「自分の契約で年いくら違うのか」の分かれ目と、期限に遅れたときの延滞利息、変更手続きを整理します。
この記事の要点
- 払込票・スマホ決済の手数料(220円(税込)/月=年2,640円)がかかるのは、電気とガスのセットプランと従量電灯Bなどの規制料金プラン以外の契約です。かかる契約なら、口座振替かクレジットカードへの変更でこの手数料が不要になります。かからない契約では手数料は減りません。実質負担は、カード還元や口座振替割引でも変わります(2026年10月時点・東京電力エナジーパートナー公式)
- 東京電力に口座振替割引はなく、差が出るのはカードの還元だけです。中部電力ミライズの対象プランでは口座振替が月55円引きなので、「月額×カードの還元率」が55円を超えるかどうかが分かれ目になります(例:還元率1%なら月5,500円超)
- 支払期限(検針日の翌日から30日目)に遅れても、期日の翌日から10日以内に払えば延滞利息は発生しません。10日を超えると年10%の延滞利息がかかります(2026年10月時点・同社の電気需給約款[低圧])
電気代の支払い方法は主に4種類
東京電力エナジーパートナーの場合、電気代の支払い方法は次の4種類です。変更を希望する方法によって、申し込みの経路が異なります(2026年10月時点・同社公式)。
| 支払い方法 | 変更の申込み | 手数料 |
|---|---|---|
| 口座振替 | Web(24時間)/チャット・電話(申込書を郵送) | かからない(約款の定め) |
| クレジットカード | Web(24時間)/チャット・電話(申込書を郵送) | かからない(約款の定め) |
| 払込票(振込用紙) | チャット・電話のみ(Web不可) | 発行手数料220円(税込)/月 |
| スマホ決済(SMS選択払い) | 電話/チャット(払込票払いの方のみ)(Web不可) | 請求手数料220円(税込)/月 |
手数料は、電気需給約款[低圧]が「口座振替・クレジットカード以外で支払う場合は、請求書の発行に要する費用に相当する金額を原則として申し受ける」と定めていることに対応しています。ただし払込票・スマホ決済でも、電気とガスのセットプランや従量電灯Bなどの規制料金プランでは手数料がかかりません。
自分の契約で年いくら違うか — 損益の分かれ目
支払い方法を変えて得をするかどうかは、お客さま番号の桁数(検針票や振込用紙で確認できます)と今の支払い方法で決まります。東京電力エナジーパートナーの場合は次のとおりです。
| 今の契約 | 今の支払い方法 | 変えると |
|---|---|---|
| 規制料金プラン(お客さま番号13桁・従量電灯Bなど)またはガスとのセットプラン | 払込票・スマホ決済 | 手数料はもともと0円なので、手数料は減りません。変える理由は「払い忘れを防ぐ」「カードの還元がほしい」「割引のある会社なら口座振替割引を受ける」です |
| 自由料金プラン(お客さま番号10桁)で、セットプランではない | 払込票・スマホ決済 | 手数料220円×12か月=年2,640円が不要になります(口座振替またはカードへ変更) |
| 上記のどちらでも | 口座振替 | 東京電力には口座振替割引がないため、カードに変えると還元の分だけ実質負担が下がる可能性があります。ただし請求書・領収証は出ません |
注意したいのは、変更完了までの時間です。変更は申込みから1〜2か月程度かかる場合があり、変更月も指定できません。手数料がかかる契約でも、年2,640円が丸ごと浮くわけではなく、手続き完了後の月から不要になります(2026年10月時点・同社公式)。
カード還元と口座振替割引はどちらが得か
カードで電気代を払うと、何円分の還元になるかは「月額×カードの還元率」で決まります。計算例として、31円/kWh(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価)で月300kWh使った場合は9,300円です。
| 月の電気代 | 還元率0.5% | 還元率1% | 還元率2% |
|---|---|---|---|
| 5,000円 | 25円 | 50円 | 100円 |
| 10,000円 | 50円 | 100円 | 200円 |
| 20,000円 | 100円 | 200円 | 400円 |
中部電力ミライズの対象プランで口座振替を使うと、月55円の割引になります。この55円をカード還元が上回るのは、月の電気代が「55円÷還元率」を超えるときです。還元率0.5%なら11,000円、1%なら5,500円、2%なら2,750円が分かれ目になります(計算例です)。東京電力エナジーパートナーには口座振替割引がないため、口座振替と比べたカードの得は、還元の分がそのまま差になります。
ここで使った還元率は仮定です。電気料金の支払いがポイント付与の対象になるか、還元率がいくらになるかはカード会社の規約によって決まり、公式情報では確認できません。契約中のカード会社でご確認ください。
向かない人もいます。クレジットカード払いは、東京電力エナジーパートナーが請求書・領収証を発行せず、支払い状況はカード会社の明細書で確認します。一部の国内専用カードでは利用できないこともあります(2026年10月時点・同社公式)。
口座振替 — 割引の有無は電力会社次第
口座振替は、Webページから約5分で新規申し込みや口座変更ができ、登録完了までの目安は1〜2週間です(郵送での申し込みの場合は1〜2か月程度)(2026年10月時点・東京電力エナジーパートナー公式)。
かつては口座振替の利用者に対する割引を設けている電力会社も多くありましたが、現在は会社によって扱いが分かれています。東京電力エナジーパートナーは、支払い方法の多様化を理由に、2024年10月分の支払いから口座振替割引(月55円)を廃止しました(同社公式)。一方、中部電力ミライズは、対象プランの口座振替のお客さまを対象に、前月分の電気料金が検針日から約2週間後の初回振替日に引き落とされた場合、当月の電気料金から55円(税込)を割り引く「口座振替初回引落とし割引」を続けています(同社公式)。対象は従量電灯、ポイントプラン、おとくプラン、スマートライフプランなど、公式が列挙したプランです。同じ「口座振替」でも、割引の有無は契約先の電力会社の公式サイトで確認する必要があります。
口座振替には、約款上の注意点があります。約款では、料金が1回目の振替日に引き落とされなかった場合、原則として払込票による支払いになります(電気需給約款[低圧]第23条(1))。ただしこれは約款の原則で、実際の運用(残高不足のときに再度振替されるか、払込票が届くか)は、振替日の指定の有無などの条件で分かれる場合があります。条件ごとの扱いは、同社の「口座振替で引き落とされなかった場合」のFAQで確認してください(本記事では約款の原則のみを根拠としており、運用の細かな条件は断定しません)。残高不足が続いたときの扱いは、電気が止まったら — 入金連絡と再送電の申込は別(東京電力)で整理しています。
クレジットカード払い — ポイントは「契約カード次第」
クレジットカード払いへの変更や、登録済みカード情報の更新もWebページから約5分で申し込めます(2026年10月時点・東京電力エナジーパートナー公式)。留意点として、次の2点が案内されています。
- 東京電力エナジーパートナーは請求書・領収証を発行しないため、支払い状況はクレジットカード会社が発行する明細書で確認する
- 一部の国内専用クレジットカードでは利用できない場合がある
クレジットカードで支払うことで得られるポイント還元率や条件は、電力会社ではなく契約しているカード会社・カードの契約内容によって決まります。公式サイトにも還元に関する言及はなく、どのカードが得かは一概に言えません。損益の目安は、前の節の「月額×還元率」で確認してください。
払込票(振込用紙)— 手数料と支払期限
払込票(振込用紙)は、銀行・郵便局・コンビニエンスストアなどで支払う方法です。発行手数料は220円(税込)/月ですが、電気とガスのセットプランや、従量電灯Bなどの規制料金プランで契約している場合は、発行手数料はかかりません(2026年10月時点・東京電力エナジーパートナー公式)。中部電力ミライズでも、ポイントプラン・スマートライフプランなど対象の料金メニューでは、振込用紙の発行手数料が月220円(税込)かかります(同社公式)。
支払期限に遅れたときの延滞利息
電気料金等の支払い義務は検針日(請求日)に発生し、支払期日は支払義務発生日の翌日から30日目です。支払期日が日曜日や銀行法の定める休日にあたる場合は、翌日に延伸されます(電気需給約款[低圧]第22条)。
遅れた場合の延滞利息は、次のとおりです(同約款第24条・2026年10月時点)。
- 支払期日の翌日から起算して10日以内に支払えば、延滞利息は発生しません
- 10日を超えると、支払期日の翌日から支払いの日までの日数に応じて、年10%(365日割り)の延滞利息がかかります。計算の対象は、料金から消費税等相当額と再エネ賦課金を除いた金額です
- 延滞利息は、原則として、支払った直後に発生する電気料金とあわせて請求されます
- 口座振替で、会社側の都合により引き落としが期日を過ぎた場合は、延滞利息はかかりません
計算例として、対象額が9,000円(請求額から税相当額と再エネ賦課金を除いた額を仮定)で、期日の20日後に払った場合は、9,000円×10%×20日÷365日で約49円です。11日後なら約27円、10日以内なら0円です。つまり延滞利息だけを見れば、払込票の手数料(年2,640円)より小さくなりやすい金額です。
ただし、10日以内は利息がかからないというだけで、期日を過ぎた未払いが続くと、解約や送電停止の通知の対象になりえます。猶予期間として使うのはおすすめできません。止まるまでの流れは、電気が止まったら — 入金連絡と再送電の申込は別(東京電力)で整理しています。期限切れの払込票でも、東京電力ではコンビニエンスストアで支払えると案内されています(同社公式)。検針票の内訳の読み方は検針票の「燃料費調整額」に目が留まったら — 電気代の内訳と再エネ賦課金の読み方で解説しています。
なお、2026年11月1日から約款の支払義務発生日の定め方が「検針の結果等を受領した日」から「30分ごとの接続供給電力量を受領した日」に変わりますが、同社は見直し前後で実質的な差はないとしています(同社公式)。
スマホ決済(SMS選択払い)
スマホ決済(SMS選択払い)は、紙の払込票の代わりに、スマートフォンでコンビニ払いなどができるサービスです。登録手続きの対象は、現在の支払い方法が払込票払いの方に限られます。請求手数料は220円(税込)/月で、払込票と同様、電気とガスのセットプランや規制料金プランでは手数料がかかりません(2026年10月時点・東京電力エナジーパートナー公式)。
支払い方法を変更する手続き
支払い方法を変更する際の共通の注意点として、次が案内されています(2026年10月時点・同社公式)。
- 申込みから手続き完了まで1〜2か月程度かかる場合がある
- 手続き完了までは、現在の支払い方法が継続される
- 支払い方法の変更月は指定できず、間に合う月からの変更となる
- 電気・ガスをまとめて請求している場合、支払い方法を別々にすることはできない
- 名義(契約者)の変更をともなう場合は、カスタマーセンターへの連絡が必要
結婚や相続などで契約者自体を変更したい場合の手続きは、支払い方法の変更とは別に案内されています。詳しくは電気の名義変更をしたいと思ったら — 引越しの手続きとの違い、申し込み方法、注意点で整理しています。
よくある疑問
電気代の支払い方法で、いちばん得なのはどれですか?
契約によって答えが変わります。東京電力エナジーパートナーで払込票やスマホ決済の請求書発行手数料(220円(税込)/月、年2,640円)がかかる契約なら、口座振替かクレジットカードに変えると、その手数料が不要になります。電気とガスのセットプランや従量電灯Bなどの規制料金プランは手数料がかからないため、手数料の面では差が出ません。ただし実質負担は、カード還元や口座振替割引でも変わります。東京電力に口座振替割引はないので、手数料のかからない契約での差はカードの還元だけです。中部電力ミライズの対象プランでは、口座振替の月55円の割引とカード還元の比較になり、月額×還元率が55円を超えるかどうかが分かれ目です(2026年10月時点・各社公式)。
支払い期限に遅れると、延滞利息はいくらかかりますか?
東京電力エナジーパートナーの電気需給約款[低圧]では、支払期日の翌日から起算して10日以内に支払えば延滞利息は発生しません。10日を超えると、支払期日の翌日から支払いの日までの日数に応じて年10%の延滞利息がかかります(税相当額と再エネ賦課金を除いた料金が対象)。たとえば対象額9,000円を20日遅れで払うと約49円で、原則として支払い後に発生する電気料金に加算されます。ただし、期日を過ぎたままだと解約・送電停止の通知の対象になりうるため、猶予期間として使うのはおすすめできません(2026年10月時点・同社公式)。
支払い方法を変更すると、いつから新しい方法になりますか?
申込みから手続き完了まで1〜2か月程度かかる場合があります。手続き完了までは現在の支払い方法が継続され、変更月を指定することもできません(間に合う月から変更されます)。そのため、手数料がかかる契約でも、削減できるのは手続き完了後の月からです。電気・ガスをまとめて請求している場合、支払い方法を別々にすることもできません(2026年10月時点・東京電力エナジーパートナー公式)。
口座振替割引は、どの電力会社でも受けられますか?
いいえ、会社によって異なります。東京電力エナジーパートナーは、支払い方法の多様化を理由に、2024年10月分の支払いから口座振替割引(月55円)を廃止しています。一方、中部電力ミライズは、対象プランの口座振替のお客さまに、前月分が初回振替日に引き落とされた場合の口座振替初回引落とし割引(月55円(税込))を継続しています。割引の有無は、契約中の電力会社の公式サイトで確認するのが確実です(2026年10月時点・各社公式)。
払込票(振込用紙)での支払いには手数料がかかりますか?
東京電力エナジーパートナーの場合、発行手数料として220円(税込)/月がかかります。ただし、電気とガスのセットプランや、従量電灯Bなどの規制料金プランで契約している場合は、発行手数料はかかりません。中部電力ミライズでも、対象の料金メニューでは振込用紙の発行手数料が月220円(税込)かかります(2026年10月時点・各社公式)。
電気代そのものを下げたいなら
支払い方法の見直しとは別に、電気代そのものを下げたい場合は、契約している電力会社やプランを比べる方法もあります。現在の契約に不満がなければ、このまま読み飛ばして問題ありません。
まとめ
請求書の発行手数料(月220円、年2,640円)が減るのは、東京電力エナジーパートナーでは払込票・スマホ決済の手数料がかかる契約の人だけです。電気とガスのセットプランや規制料金プランの人は手数料がかからず、実質負担の差はカードの還元(や、会社によっては口座振替割引)で決まります。口座振替割引は東京電力が廃止し、中部電力ミライズは月55円を続けているため、契約先の公式サイトで確認しておくと安心です。支払い期限に遅れても、期日の翌日から10日以内なら延滞利息は発生しませんが、猶予として使わず、期限内に払うのが基本です。契約している電力会社そのものを見直す場合の手順は電力会社の切り替え方法とデメリット — 賃貸でもできる?で整理しています。
本記事は公開情報に基づく解説であり、最新の手数料・割引・条件は契約中の電力会社の公式サイトでご確認ください。
家電ごとの電気代の目安は、家電の電気代 早見表で確認できます。




