「ウォーターサーバーは電気代が高い」「月数百円で済む」——検索するとどちらの声も見かける。実際に各社の公式サイトを確認すると、月の電気代の目安そのものは公表されているが、その前提となる電気料金単価は会社によって27円/kWh・29.80円/kWhとまちまちで、単価を公表していない会社もある。単価がそろっていない数字を並べても、どの機種が高い・安いかは正しく比較できない。本記事では各社公式が公表する月の電気代とその算定条件をそのまま記録し、電気料金の目安単価31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会)にそろえて再計算する(2026年10月時点)。

思い込み 公表条件での換算例(公式公表値を31円/kWhにそろえた計算)
ウォーターサーバーは電気代が高い エコモード利用なら月400円台〜700円台の機種が多い(公式公表値にもとづく計算例)
電気代は月数百円で済む(どの機種でも同じ) 通常モードや床置き型では月900円台〜1,000円を超える例もあり、条件次第で変わる

この記事の要点

  • 各社公式が公表する電気料金単価は27円/kWh〜29.80円/kWhとばらばらで、単価を明記していない会社もあります。単価をそろえずに比べると、実際より安く見えたり高く見えたりします(2026年10月時点・プレミアムウォーター/コスモウォーター公式)
  • 31円/kWhにそろえて再計算すると、エコモード利用時は約399円〜約723円、通常モードでは約700円〜約907円、床置き型の一部機種では消費電力量の公表値から計算すると約1,073円になる例もあります(公式公表値にもとづく当サイトの計算例)
  • 月36L・JDSA基準(1804)で条件がそろうのはプレミアムウォーターの3機種だけです。この3機種では、エコモードを1日6時間使う差は31円/kWh換算で月約138〜184円(年約1,650〜2,200円)。ショートタイプ×エコモードとロングタイプ×通常は、どちらも約723円で同額です(公式公表値にもとづく計算例)
  • ウォーターサーバーは電源を常時入れたまま、冷水・温水を一定温度に保っています。コスモウォーター公式は冷却・加熱にかかる消費電力を冷水100W・温水350W(合計450W)としていますが、これはサーモスタットで作動する加熱・冷却の目安で、450Wが常に流れ続けるわけではありません。使うときだけ電力を使うケトルとは電気の使われ方が異なります(2026年10月時点・コスモウォーター公式)

各社公式が公表する月の電気代 — 単価も条件もバラバラ

各社の公式サイト・公式FAQで確認できた、月の電気代の目安とその算定条件を、公表されているままの形で並べる。以下は各社が独自に設定した条件(水の使用量・使用モード・室温など)ごとの参考値であり、同じ条件で比較した性能順位ではない。使用水量は会社によって異なり、プレミアムウォーターは温水・冷水各600cc/日で月36L、コスモウォーターは月24L(12L×2本)が前提になっている。室温についてはいずれの公式資料にも記載がなく、未確認である。

会社・機種(状態) 公表額 公表単価 使用条件 31円/kWhで再計算
プレミアムウォーター amadanaグランデサーバー(通常) 610円 27円/kWh 温水・冷水各600cc/日・36L/月、JDSA基準(1804) 約700円
プレミアムウォーター amadanaグランデサーバー(エコモード) 490円 27円/kWh 同上条件+エコモード1日6時間使用(通常比約2割減) 約563円
プレミアムウォーター スリムサーバーⅢ ロングタイプ(通常) 630円 27円/kWh 同上条件 約723円
プレミアムウォーター スリムサーバーⅢ ロングタイプ(エコモード) 500円 27円/kWh 同上条件+エコモード6時間/日 約574円
プレミアムウォーター スリムサーバーⅢ ショートタイプ(通常) 790円 27円/kWh 同上条件 約907円
プレミアムウォーター スリムサーバーⅢ ショートタイプ(エコモード) 630円 27円/kWh 同上条件+エコモード6時間/日 約723円
コスモウォーター smartプラスNext(エコモード・冷水温水弱モード) 384円 29.80円/kWh(2025年5月時点・東京電力従量電灯B最低料金基準) 月24L(12L×2本)使用、エコモード1日2回使用 約399円
クリクラ Fit(床置き型) 円建ての公表なし(消費電力量 月34.6kWh) 公表なし ボトル3本利用時の平均値、JDSA基準(1804) 約1,073円
フレシャス デュオ/スラット/デュオミニ(省エネモード搭載機) 約480円/約390円/約600円 公表なし 金額の算定条件(使用量・モード使用の有無)は記載なし。別に「省エネモードで最大約70%カット」「一般的なボトルタイプの平均は約1,200円」との記載あり 換算不可(単価・条件不明)
アクアクララ(機種の特定なし) 「一般的なウォーターサーバーの電気代は月1,000円程度」という言及のみ 公表なし 記載なし 換算不可(条件の記載なし)

(各社公式サイト・公式FAQに掲載の数値をそのまま転記。2026年10月時点)

31円/kWhにそろえるとどうなるか — 計算方法と例外

再計算の考え方はシンプルで、「消費電力量(kWh) = 公表額(円) ÷ 公表単価(円/kWh)」を求め、それに31円/kWhを掛け直すだけである。たとえばプレミアムウォーターのamadanaグランデサーバー(通常)は、610円 ÷ 27円/kWh ≒ 22.6kWh/月。これに31円/kWhを掛けると約700円になる。27円/kWhより単価が高い31円/kWhで計算し直すため、公表額よりも再計算額の方が大きくなる。

ただし、そのまま計算できない例外が2種類ある。

1つ目はクリクラで、公式が公表しているのは電気代(円)ではなく消費電力量そのもの(Fitサーバーで月34.6kWh、ボトル3本利用時の平均値)である。単価で割る必要がないため、34.6kWh × 31円/kWh = 約1,073円とそのまま計算した。他社の「再計算」とは、元になる数字の性質が違う点に注意してほしい。

2つ目はフレシャスとアクアクララで、どちらも電気料金単価(円/kWh)を公表していない。フレシャス公式が示す約480円(デュオ)・約390円(スラット)・約600円(デュオミニ)という金額は、単価が分からない以上、31円/kWhへの再計算はできず、参考値として扱うしかない。アクアクララ公式にいたっては機種別の金額そのものが見当たらず、「一般的なウォーターサーバーの電気代は月1,000円程度」という言及があるだけで、単価も使用条件も記載がなかった。算定条件が書かれていない公表値は、無理に換算せず「条件の記載なし」としている。

同じ条件で比べられるのは3機種だけ — エコモードと契約単価の分かれ目

ここまでの表で、水量・測定基準・単価の前提が公式に明記され、そろえて比べられるのは、プレミアムウォーターの3機種(amadanaグランデサーバー・スリムサーバーⅢのロング/ショート)だけである。いずれも温水・冷水各600cc/日(月36L)・JDSA基準(1804)・27円/kWhで、エコモードは1日6時間使用の場合と公式に書かれている(2026年10月時点・プレミアムウォーター公式)。コスモウォーターは月24L・29.80円/kWh、クリクラは月34.6kWh(ボトル3本利用の平均)で前提が異なり、この3機種の表には混ぜない。

条件がそろう3機種を31円/kWhで並べる

公表額を27円/kWhで割って消費電力量を出し、31円/kWhを掛けた計算例である(月の電気代・円)。

機種 通常 エコモード エコモードの差(月) 差(年・12倍)
amadanaグランデサーバー 約700円 約563円 約138円 約1,650円
スリムサーバーⅢ ロング 約723円 約574円 約149円 約1,790円
スリムサーバーⅢ ショート 約907円 約723円 約184円 約2,200円

(グランデの差は、公式が「月約120円・年間約1,440円」と書く削減額を27円/kWhで割って31円/kWhを掛けた値。ロング・ショートの差は公表額の引き算を同様に換算したもの。2026年10月時点)

この表から読み取れる分かれ目は2つある。

  • ショートタイプをエコモードで使うと、ロングタイプを通常で使うのと同額(どちらも約723円)になる。 同じプレミアムウォーターの中では、タイプの違いによる差(通常同士で約184円)が、エコモードの差(約138〜184円)と同じ大きさである。エコモードを使い続けられるかどうかと、機種タイプの選択は、電気代への効き方がほぼ同じ
  • エコモードの差は、公式の想定(1日6時間使用)の場合の値である。 1日6時間以外の削減額は公式に記載がなく、この差額は当てはめられない。そのため本記事では6時間以外の場合は計算しない

契約している電気の単価が違う場合

31円/kWhは比較用の目安単価で、検針票の単価は人によって違う。同じ消費電力量で単価だけを変えた計算例を示す(35円/kWhは「仮に単価が高い場合」の仮定で、公式の数値ではない)。

機種(通常/エコモード) 27円/kWh(公式の算定単価) 31円/kWh(目安単価) 35円/kWh(仮定)
グランデ 610円/490円 700円/563円 791円/635円
スリムⅢ ロング 630円/500円 723円/574円 817円/648円
スリムⅢ ショート 790円/630円 907円/723円 1,024円/817円

単価が1円動くと、月の電気代は3機種で約18〜29円動く(消費電力量は月約18〜29kWh)。エコモード6時間の効果は「約2割減」なので、単価で言えば31円を約25円に下げたのと同じ大きさである。つまり、エコモードを使わず、単価も高い(35円/kWh)場合は、ショートタイプで月1,000円を超える。一方、エコモードを使えば、単価が35円/kWhでもロングタイプは約648円にとどまる。

読者の状況別の目安

  • 検針票の単価がわかる:その単価を、上の表の消費電力量(グランデ通常約22.6kWh、ロング通常約23.3kWh、ショート通常約29.3kWh、エコモード時は各約18.1・約18.5・約23.3kWh)に掛ける。これが、プレミアムウォーターの公式条件(月36L)での目安になる
  • 月36Lより飲む量が多い・少ない:水量が違う場合の公式の電気代は、各社とも公表を確認できなかった。上の金額から単純に増減させない。実際の使用量を知るには、サーバー単体の積算電力量をワットチェッカー等で測り、「積算kWh ÷ 測定日数 × 30日 × 単価」で月の電気代を求める。家庭全体の検針票の前後比較では、他の家電や季節の変化が混ざるため、サーバー分だけを取り出せない
  • プレミアムウォーター以外を検討している:コスモウォーター(月384円・29.80円/kWh・月24L・エコモード1日2回・冷温水弱モード)、クリクラ(月34.6kWh・ボトル3本利用の平均)、フレシャス(金額のみ)は前提がそろわない。電気代だけで3機種と順位をつけず、公表条件を各社に確認する

節約の手段ごとの公表値

電気代を下げる手段として公式が示している数字を、前提つきで整理する。いずれも自社比較・自社測定の値で、他社と横並びにはできない。

手段 公式の公表値 前提
エコモード(プレミアムウォーター) 通常時の約2割減(グランデは月約120円・年約1,440円) 1日6時間使用、27円/kWh、月36L
新型ヒーター採用機(クリクラ Fit) 電気代を最大約34.9%削減 従来のクリクラサーバー比(当社比)
省エネモード(アクアクララ アクアレグノ) 従来品(アクアスリム)より消費電力を約31%削減 JDSA基準(1804)の省エネモード8時間での測定

エコモードの削減額は機種や時間で変わるため、「必ず何円安くなる」とは言えない(2026年10月時点・各社公式)。

常時通電の理由とエコモードの効果

ウォーターサーバーの電気代が「かかり続ける」のは、使うときだけ電源が入るケトルと違い、冷水・温水をあらかじめ設定温度に保つために電源を常時入れたままにしているからである。ただし、これは450Wが常に流れ続けるという意味ではない。コスモウォーター公式は、冷却・加熱にかかる消費電力を冷水100W・温水350W(合計450W)としているが、これはサーモスタットで温度を保つために加熱・冷却が入れ替わり作動する際の目安であり、常にこの出力が連続稼働しているわけではない(2026年10月時点・コスモウォーター公式)。使うたびに沸かすタイプの家電との違いは電気ケトルの電気代は1回いくら?で確認できる。同じく設定温度を保つために電源を常時入れたままにする家電としては冷蔵庫の電気代は年間いくら?がある。同じく温水を保つ家電である電気ポットの保温については電気ポットは何ワット?電気代は沸とうと保温で別を参照してください。

エコモードは、常時電源が入った状態にかかる電気代を抑える機能である。プレミアムウォーター公式は、エコモードを1日6時間使った場合の電気代が通常の約2割減になるとしている(amadanaグランデサーバー・スリムサーバーⅢの両方で確認)。なお、クリクラ公式が示す「電気代を最大約34.9%削減(従来のクリクラサーバー比・当社比)」は、エコモードの効果ではない。Fitサーバーが新型シーズヒーターを採用したことによる削減であり、エコモード自体の削減率を示した公表値は見当たらなかった。削減率そのものが機種・使用条件によって異なるため、「エコモードなら必ず何円安くなる」とは言えない。

注意点・向かない人

  • 電気代のみの比較であること:本記事はウォーターサーバーの電気代だけを扱っており、本体のレンタル料・水代などの月額費用は含まない。契約全体の費用は別途、各社の料金ページで確認する必要がある
  • 公表値はメーカーの測定条件での数値:JDSA基準(1804)など、各社が定めた条件下での目安であり、設置場所の室温・給水温度・使用頻度が変われば実際の電気代は上下する
  • 31円/kWhは比較のための統一単価:全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価であり、契約している電力会社・プランの実際の単価とは異なる場合がある。正確に知りたい場合は検針票に記載の単価で計算し直す必要がある
  • 単価非公表の会社もある:フレシャス・アクアクララのように電気料金単価を公表していない会社もあり、全社を同じ条件で横並びにはできない。公表条件がない数字は参考値にとどめて扱うのが実態に即している

この試算が当てはまらない利用者・条件もある。契約中の電力会社・プランの単価が31円/kWhから大きく離れている場合(オール電化プランや深夜電力プランなど)、設置場所の室温が公式の測定条件と異なる場合(各社とも室温を公表条件として明記しておらず、当サイトでは未確認)、家族の人数や飲用・調理での使用量が公式の想定量(月24L〜36L程度)から大きく外れる場合は、ここに挙げた金額どおりにはならない。本記事は各社公式の公表値を単価だけそろえて比較した参考情報であり、特定の会社・機種を推奨するものではない。

よくある疑問

ウォーターサーバーの電気代は月いくらですか?

各社公式が公表する電気料金単価は27円/kWh〜29.80円/kWhとばらばらで、単価を明記していない会社もあります。単価を31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価)にそろえて再計算すると、エコモード利用時で約399円〜約723円、通常モードでは約700円〜約907円という機種が多く、床置き型の一部機種では消費電力量の公表値から計算すると約1,073円になる例もあります(2026年10月時点・各社公式にもとづく計算例)。単価・使用条件が公表されていない会社の数字は、そのままでは他社と比較できません。

エコモードを使うとどれくらい安くなりますか?

プレミアムウォーター公式は、エコモードを1日6時間使った場合の電気代が通常の約2割減になるとしています(amadanaグランデサーバー・スリムサーバーⅢで確認)。なお、クリクラ公式が示す「電気代を最大約34.9%削減(従来のクリクラサーバー比・当社比)」は、エコモードの効果ではなく、Fitサーバーが新型シーズヒーターを採用したことによる削減です。エコモード自体の削減額・削減率を示した公表値は確認できませんでした(2026年10月時点・各社公式)。削減率は機種や使用条件によって異なるため、一律には言えません。

エコモードを使うと年いくら変わりますか?

条件がそろうプレミアムウォーターの3機種(月36L・JDSA基準・エコモード1日6時間)では、31円/kWhに換算した差は月約138円(グランデ)、約149円(スリムサーバーⅢ ロング)、約184円(同ショート)で、年にすると約1,650円〜約2,200円の計算例です。ショートタイプをエコモードで使うとロングタイプの通常使用と同じ約723円になります。1日6時間以外の削減額は公式に記載がなく、この差額は当てはめられません(2026年10月時点・各社公式にもとづく計算例)。

なぜ会社によって公表される電気代の前提条件が違うのですか?

電気代の計算に使う電気料金単価が、会社によって27円/kWh(プレミアムウォーター)、29.80円/kWh(コスモウォーター・2025年5月時点)などまちまちだからです。フレシャスやアクアクララのように単価そのものを公表していない会社もあります。前提がそろっていない金額をそのまま比べると、単価が高い会社の方が実際より高く(または安く)見えてしまうため、本記事では31円/kWhに統一して再計算しています(2026年10月時点・各社公式)。

ウォーターサーバーの電気代のあとに — 電力会社を比べてみるなら

ウォーターサーバーの使い方は今のままでも、電力会社やプランを比べてみる方法はあります。現在の契約に不満がなければ、この節は読み飛ばして問題ありません。見直しを考える場合の比較の候補です。上の表のとおり、契約単価が1円違うとウォーターサーバーだけでも月約18〜29円動くため、単価そのものを確かめたい人向けの節です。

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まとめ

ウォーターサーバーの電気代は「高い」「安い」のどちらか一方が正しいわけではない。各社公式が公表する数字は電気料金単価の前提からしてばらばらで、27円/kWhの会社もあれば29.80円/kWhの会社もあり、単価を公表していない会社もある。単価を31円/kWhにそろえて再計算すると、各社公表値をもとにした月の電気代は約399円〜約1,073円(各社条件)まで幅があり、エコモード利用時は月400円台〜700円台、通常モードや床置き型の一部機種では900円台〜1,000円超えという結果になる。冷水・温水を保つための常時通電が電気代の土台にあり、エコモードはそれを削る機能である。単価や使用条件が公表されていない会社の数字は、無理に換算せず「条件の記載なし」として扱うのが実態に即している。

ほかの家電の電気代も比べたい場合は、家電の電気代 早見表でまとめて確認できます。