石油ファンヒーターの「電気代」を調べると、数円という数字が出てきて拍子抜けする。ところが暖房の費用の大半は、電気ではなく灯油のほうに出る。ダイニチ公式の10畳目安の機種で、最大燃焼が続くと仮定した上限試算では、電気は1時間あたり約4.0円、灯油は1L=120円の仮定で約43円と、1桁違う。

この記事の要点

  • 石油ファンヒーターは、電気代と灯油代の2つを分けて考えます。ダイニチ公式のFW-3725SGXは、大火力時の消費電力が129W、最大の燃料消費量が0.360L/hです(2026年10月時点・ダイニチ公式仕様)
  • 電気31円/kWh、灯油は1L=120円と仮定し、最大燃焼が続くと仮定した上限試算では、FW-3725SGXは電気が1時間約4.0円、灯油が約43円、合わせて約47円です。灯油が1L=140円なら合計約54円です
  • 最大燃焼が続かない場合の計算は灯油の運転費を、燃焼量と時間から出すの節にあります。FW-3725SGXで最大1時間・最小7時間と仮定した1日8時間の計算例は、合計約121円〜約138円です。電気の部分を見直す場合の比較先(広告枠)はその直後の節です
  • 灯油の価格は店や時期で変わるため、120円・140円はあくまで仮定です。現在の店頭価格は、資源エネルギー庁が毎週公表している石油製品価格調査などで確認できます
  • エアコンとの比較は、暖房能力と条件をそろえた範囲に限ります。使うときの換気と、給油時の消火は、NITE公式の案内どおりに行います

電気代と灯油代の2つに分けて考える

石油ファンヒーターは、灯油を燃やして温風をつくり、送風と制御に電気を使う器具です。そのため、費用は「電気代」と「灯油代」の2つに分かれます。電気は消費電力(W)÷1,000×時間(h)×31円/kWh、灯油は燃料消費量(L/h)×時間×灯油1Lの価格で見積もれます。

ダイニチ工業公式の「SGX TYPE【2025年モデル】」の仕様表には、暖房出力、燃料消費量、消費電力が公表されています。次の表は、その3機種のうち、最大の暖房出力で燃焼したときの数値です。

機種 暖房のめやす(木造/コンクリート) 暖房出力(最大) 燃料消費量(最大) 消費電力(大火力時) 点火時の最大消費電力
FW-3725SGX 10畳/13畳 3.70kW 0.360L/h 129W 370W
FW-4725SGX 12畳/17畳 4.70kW 0.457L/h 153W 370W
FW-5725SGX 15畳/20畳 5.70kW 0.554L/h 191W 410W

(ダイニチ工業公式の仕様表より。消費電力は50Hz/60Hz共通の値。2026年10月時点)

1時間・1日8時間の上限試算

下の表は、各機種が最大燃焼で連続して運転すると仮定し、電気は31円/kWh、灯油は1Lあたり120円と140円の2通りに仮定した上限試算です。1日8時間は、1時間分を8倍したものです。

機種 1時間の電気(31円/kWh) 1時間の灯油(120円/L仮定) 1時間の合計(120円/L仮定) 1時間の合計(140円/L仮定) 1日8時間の合計(120円/L仮定) 1日8時間の合計(140円/L仮定)
FW-3725SGX 約4.0円 約43円 約47円 約54円 約378円 約435円
FW-4725SGX 約4.7円 約55円 約60円 約69円 約477円 約550円
FW-5725SGX 約5.9円 約67円 約72円 約84円 約579円 約668円

(ダイニチ工業公式の最大燃料消費量・大火力時の消費電力に、31円/kWhと灯油1Lの仮定値(120円・140円)を掛けた当サイトの上限試算で、実額ではありません。点火時の消費電力は含めていません。2026年10月時点・ダイニチ公式仕様にもとづく)

どの機種でも、1時間の合計のうち電気は1割に満たず、大半は灯油代の仮定値で決まります。灯油の価格が10円動くと、FW-3725SGXの1時間の試算は約3.6円変わります。電気の単価を見直すより、灯油をどこで買うかのほうが試算への影響は大きい、という見方もできます。

灯油の運転費を、燃焼量と時間から出す

上の表は、最大燃焼が続くと仮定した上限の試算です。ただ、仕様表には最大だけでなく最小の値も載っています。ダイニチ公式のFW-3725SGXは、燃料消費量が最大0.360L/h~最小0.072L/h、消費電力が大火力時129W・小火力時62Wです(FW-4725SGXは最大0.457L/h~最小0.088L/h、大火力時153W・小火力時70W。2026年10月時点・ダイニチ公式仕様)。燃焼量は最大の5分の1まで下がるので、運転費の見積もりも「最大」と「最小」の2点で挟めます。

まず1時間あたりを、最大燃焼と最小燃焼で比べます(FW-3725SGX・電気31円/kWh・灯油は仮定値)。

燃焼の段階 1時間の灯油量 1時間の灯油代(120円/L仮定) 1時間の電気代 1時間の合計(120円/L仮定) 1時間の合計(140円/L仮定) 合計に占める電気の割合(120円/L仮定)
最大燃焼(上限試算) 0.360L 約43円 約4.0円 約47円 約54円 約8%(8.5%)
最小燃焼(計算例) 0.072L 約8.6円 約1.9円 約10.6円 約12.0円 約18%(18.2%)

(ダイニチ公式の最大・最小の燃料消費量と、大火力時・小火力時の消費電力に、31円/kWhと灯油1Lの仮定値を掛けた当サイトの計算。最大燃焼の行は最大燃焼が続くと仮定した上限試算、最小燃焼の行は最小燃焼が続くと仮定した計算例で、実額ではありません。点火時の消費電力は含めていません。2026年10月時点)

灯油代は燃焼量にほぼ比例して下がりますが、電気は大火力時129Wから小火力時62Wまでしか下がりません。そのため、弱く燃やすほど、合計に占める電気の割合は大きくなります(最大で約8%、最小で約18%)。それでも、どちらの段階でも費用の大半は灯油代です。

次に、1日8時間の運転費を、運転パターンを置いて計算します。ここでは「8時間のうち、最大燃焼が1時間、最小燃焼が7時間」と当サイトが仮定したパターンを使います(実測ではなく、部屋の広さ・外気温・設定温度で実際の燃焼量は変わります)。中間の燃焼量の消費電力は仕様表に載っていないため、大火力時と小火力時の2点だけを使います。

  • 灯油量: 0.360L×1時間+0.072L×7時間=0.864L
  • 灯油代: 0.864L×120円=約104円(140円なら約121円)
  • 電気量: 0.129kW×1時間+0.062kW×7時間=0.563kWh
  • 電気代: 0.563kWh×31円=約17.5円
  • 合計: 約121円(灯油1L=120円)、約138円(同140円)

最大燃焼が8時間続くと仮定した上限試算(約378円・約435円)の3分の1ほどです。同じ条件でFW-4725SGXを計算すると、灯油1.073L(0.457L+0.088L×7)、電気0.643kWh(0.153kW+0.070kW×7)で、合計は約149円(120円/L)・約170円(140円/L)です。

自分の使い方に当てはめるときは、「最大燃焼の時間」と「最小燃焼の時間」を入れ替えて、灯油量と電気量を出し、灯油量に購入価格を掛けて電気代を足します。灯油の価格が10円動くと、この計算例(0.864L)では1日あたり約8.6円変わります。

灯油の補充の目安は、タンク容量と燃焼量から出せます。FW-3725SGXのタンク容量は9.0Lで、公式の燃焼継続時間は大火力で25.0時間、小火力で125.0時間です。上の計算例(1日0.864L)なら、タンク1杯は約10.4日分で、9.0L×120円=約1,080円(140円なら約1,260円)の灯油に当たります。

電気の部分を見直す場合の比較先

上の計算のとおり、電気は運転費の1割前後から2割弱にとどまります。灯油代の仮定値が動く影響のほうが大きく、電力会社を変えても運転費が大きく変わるとは限りません。それでも、電気代全体を見直したい場合の比較先として、次の2つの公式サイトで内容を確認できます。現在の契約に不満がなければ、読み飛ばして構いません。

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灯油の価格は、資源エネルギー庁の週次調査で確認する

資源エネルギー庁は「石油製品価格調査」で、灯油の店頭価格を含む給油所の小売価格を毎週公表しています。公式ページによると、調査は原則として毎週月曜日、公表は水曜日で、同ページは2026年9月30日に更新されています(2026年10月時点・資源エネルギー庁公式)。

この記事では、公式ページから価格の数値を確認できなかったため、灯油の単価を数値として引用していません。表の120円・140円は、読者が自分の購入価格に置き換えやすいように置いた仮定値です。計算は「最大燃料消費量(L/h)×灯油の価格(円/L)」なので、たとえばFW-3725SGXなら、0.360に自分の購入価格を掛けると、1時間あたりの灯油代の上限の目安が出ます。配達で買う場合と店頭で買う場合で価格は異なることがあるため、契約や購入の条件を見ながら置き換えてください。

点火時の消費電力と、低消費電力のモデル

仕様表には、点火時の最大消費電力(FW-3725SGXは370W)も載っています。これは点火のときだけの値で、点火にかかる時間はFW-3725SGXで着火時間35秒とされています。上の表では、燃焼中の消費電力だけを使い、点火時は含めていません。

消費電力は、メーカーや機種で大きく違います。コロナ公式の「FH-VX3626BY」は、低消費電力を特長とし、弱燃焼時4W・強燃焼時9.5Wと案内されています。一方、同じ公式ページには、秒速点火ONの状態では平均約80Wの電力を消費するとも書かれています(2026年10月時点・コロナ公式)。電気の費用は灯油代に比べて小さい一方、機種によって消費電力に差があることが公式仕様から読み取れます。

エアコン暖房との比べ方 — 条件をそろえた範囲で

石油ファンヒーターとエアコンの費用は、暖房の出力の条件をそろえないと比べられません。エアコン暖房の電気代は1時間いくら?で整理したパナソニック公式仕様では、10畳向け(CS-284DFL)の暖房消費電力(定格)は870W、暖房能力の定格は3.6kWです。定格消費電力が1時間続くと仮定した計算例は約27.0円で、実運転の上限ではなく、この額を上回る場合もあります(同記事では最大消費電力も別に示しています)。

暖房の出力が近いのは、最大3.70kWのFW-3725SGXです。灯油1L=120円〜140円の仮定で、電気代と灯油代を合わせると約47円〜54円(最大燃焼が続くと仮定した上限試算)になります。この計算例の条件では、エアコンの数字のほうが低くなります。ただし、次の点は割り引いて見る必要があります。

  • エアコンの暖房能力は外気温で変わります。同じ表のCS-284DFLは、外気温2℃のときの暖房能力が3.4kWとされています
  • 石油ファンヒーターは、部屋が暖まると燃焼量を下げる運転になるため、最大燃焼が1時間続くとは限りません
  • 灯油の価格は仮定で、エアコンの約27.0円も定格消費電力が1時間続くと仮定した計算例で、上回る場合もあります。どちらも実額ではありません

エアコンを含む暖房器具どうしの電気代の整理は暖房器具の電気代を比べる — エアコン・オイルヒーター・こたつなど7種を既存記事の数字で1表にで、ガスのファンヒーターはガスファンヒーターのガス代は1時間いくら?で扱っています。

向く人・向かない人、換気と給油の注意

石油ファンヒーターは、電気の量が小さく、灯油を買って使う器具です。灯油の購入や保管、給油の手間を負担に感じない人には向きます。一方、タンクへの給油や灯油の保管を避けたい人、換気が難しい部屋で使いたい人には向きません。

NITE(製品評価技術基盤機構)は、ファンヒーターを使うときは定期的に換気をするよう案内しています。換気が不十分だと、酸素が不足して不完全燃焼となり、一酸化炭素濃度が上昇して中毒に至るおそれがあるとしています(2026年10月時点・NITE公式)。給油についても、NITEは、必ず消火してからにすること、給油口キャップを閉めてしっかり締まっていることを確認してから本体にセットすることを案内しています。使い方の詳細は、お使いの機種の取扱説明書に従ってください。

電気代そのものを見直したい場合は、電気代はなぜ冬に上がる? — 使用量と単価、2つの要因を公式情報で整理で冬に電気代が増える要因を、電力会社の切り替え方法とデメリットで切り替えの手順を、「夜間は電気代がおトク」のチラシを見かけたらで時間帯別プランの向き不向きを確認できます。

よくある疑問

石油ファンヒーターの電気代は1時間いくらですか?

ダイニチ公式のFW-3725SGXは大火力時の消費電力が129W、31円/kWhで計算すると1時間約4.0円(1日8時間で約32円)です。FW-4725SGX(153W)は1時間約4.7円、FW-5725SGX(191W)は約5.9円です。別に灯油代が発生し、点火時は最大370W〜410Wとされています(2026年10月時点・ダイニチ公式仕様にもとづく、最大燃焼が続くと仮定した上限の試算)。

石油ファンヒーターの灯油代は1時間いくらですか?

最大燃焼が続くと仮定した上限の試算では、ダイニチ公式のFW-3725SGX(最大0.360L/h)は灯油1Lを120円とすると1時間約43円、140円とすると約50円です。FW-4725SGX(最大0.457L/h)は約55円〜64円、FW-5725SGX(最大0.554L/h)は約67円〜78円です。灯油の価格は店や時期で変わるため、120円・140円は仮定です。実際の価格は資源エネルギー庁が毎週公表している石油製品価格調査などで確認してください(2026年10月時点・ダイニチ公式仕様にもとづく試算)。

最大燃焼にならない場合、石油ファンヒーターの運転費はどう計算しますか?

「燃料消費量(L/h)×時間×灯油1Lの価格」と「消費電力(W)÷1,000×時間×31円/kWh」を燃焼の段階ごとに足します。ダイニチ公式のFW-3725SGXは最小の燃料消費量が0.072L/h、小火力時の消費電力が62Wです。1日8時間のうち最大燃焼1時間・最小燃焼7時間と仮定した計算例では、灯油0.864L・電気0.563kWhで、灯油1L=120円なら合計約121円、140円なら約138円です(当サイトが置いた運転パターンの計算例で実測ではなく、最大燃焼が続くと仮定した上限試算とは別です。2026年10月時点・ダイニチ公式仕様にもとづく)。

石油ファンヒーターとエアコンは、どちらが安いですか?

一概には言えません。当サイトの既存記事のパナソニック公式仕様では、暖房能力の定格が3.6kWの10畳向けエアコンの暖房消費電力(定格)は870Wで、定格消費電力が1時間続くと仮定した計算例は約27.0円です(実運転の上限ではなく、この額を上回る場合もあります)。一方、最大の暖房出力が3.70kWのFW-3725SGXは、灯油1L=120円〜140円の仮定で電気代と灯油代を合わせて1時間約47円〜54円(最大燃焼が続くと仮定した上限試算)です。ただしエアコンの暖房能力は外気温で変わり、石油ファンヒーターの最大燃焼が続くとも限らないため、この比較は同じ畳数の目安どうしを並べたものです(2026年10月時点・各社公式仕様にもとづく試算)。

石油ファンヒーターを使うとき、換気は必要ですか?

必要です。NITE(製品評価技術基盤機構)は、ファンヒーターを使うときは定期的に換気をすること、換気が不十分だと酸素が不足して不完全燃焼となり、一酸化炭素濃度が上昇して中毒に至るおそれがあることを案内しています。給油するときは、必ず消火してからにするよう案内しています(2026年10月時点・NITE公式)。

まとめ

石油ファンヒーターの費用は、電気代と灯油代の2つに分かれます。ダイニチ公式の3機種(FW-3725SGX・4725SGX・5725SGX)で、最大燃焼が続くと仮定した上限試算では、電気は1時間あたり約4.0円〜約5.9円で、灯油が1L=120円〜140円の仮定なら、合計は約47円〜約84円です。1日8時間の合計は約378円〜約668円で、この仮定のもとでは、合計の大半は灯油代の仮定値で決まります。最大燃焼が続かない場合は、最小燃焼まで含めた運転パターンで計算でき、FW-3725SGXで最大1時間・最小7時間と仮定した計算例は合計約121円〜約138円です(詳しくは灯油の運転費を、燃焼量と時間から出すの節)。電気は運転費の1割前後から2割弱で、電気の部分を見直す場合の比較先は電気の部分を見直す場合の比較先の広告枠から確認できます。灯油の価格は資源エネルギー庁の石油製品価格調査などで確認し、自分の購入価格に置き換えて見積もってください。エアコンとの比較は、暖房出力と条件をそろえた範囲にとどまり、どちらも実額ではありません。使うときの換気と、給油時の消火は、NITE公式の案内どおりに行います。