一人暮らしから二人暮らしになって、初めて二人分の電気代の請求を見た日。単身のときの感覚のまま「倍くらいにはなるだろう」と身構えていたのに、明細を見ると、思ったほど増えていない気もする。この金額は、二人暮らしとして普通なのだろうか、それとも見直した方がいいのだろうか。

この記事の要点

  • 総務省統計局の家計調査(2025年平均)によると、電気代は単身世帯7,337円、2人世帯12,144円でした(2026年8月時点・総務省統計局公式)
  • 単身から2人になると4,807円増えますが、これは7,337円の2倍(14,674円)には届きません。契約容量に応じて決まる基本料金は世帯で1本の契約のため、人数が増えても単純に倍加はしないことが背景にあります
  • 電気代は気温の影響も受けます。総務省統計局の月次データでも、冬・夏に電気代が増加要因として挙げられています。季節による変動も踏まえたうえで、見直す順番は①契約アンペア→②料金プラン→③電力会社の切替が目安です

二人暮らしの電気代、平均はいくら?

総務省統計局「家計調査」は、全国の家計の収入・支出を毎月調査する統計です。2025年(令和7年)平均の結果によると、2人世帯の電気代(1世帯当たり1か月平均)は12,144円でした。単身世帯の7,337円と比べると、4,807円高い水準です(2026年8月時点・総務省統計局公式)。

世帯人員 電気代(月平均)
単身(1人) 7,337円
2人 12,144円
3人 13,915円
4人 13,928円

(出典: 総務省統計局 家計調査 家計収支編 2025年(令和7年)平均。単身世帯は総世帯及び単身世帯の結果、2人以上は二人以上の世帯・世帯人員別 第3-1表による。2026年8月時点)

なぜ「2倍」にはならないのか — 増分の読み方

単身世帯の電気代を単純に2倍すると14,674円になりますが、実際の2人世帯の平均は12,144円で、これより2,530円低い数字です。「人が増えれば電気代も倍」というイメージとは、少しずれがあります。

この理由は、電気代の内訳構造にあります。電気代は、契約容量(契約アンペアなど)に応じて決まり使用量にかかわらず発生する「基本料金」と、実際に使った電力量に応じて計算される「電力量料金」などの合計で決まります。基本料金は世帯で1本の契約にもとづく金額で、同居する人数が1人から2人に増えても、契約自体を変えない限り金額は変わりません。電気代の内訳全体の仕組みは検針票の「燃料費調整額」に目が留まったら — 電気代の内訳と再エネ賦課金の読み方でも詳しく解説しています。

つまり、単身から2人になったときに増える4,807円は、主に「電力量料金」側の増加分だと考えられます。同居人数が増えれば、照明の点灯時間、洗濯や調理の頻度、テレビや個人用の家電の稼働時間などが増えやすく、使用量に応じた部分が積み上がっていく一方、固定的な基本料金部分は共有されるため、人数の増え方と電気代の増え方が比例しないのです。

同じ考え方は3人・4人世帯にも当てはまります。世帯人数が増えるごとの電気代の増え幅の詳細は家族が増えて電気代がぐっと上がった気がしたら — 世帯人数別の電気代平均と比べ方で整理しています。

季節によっても電気代は変わる

平均額は年間を通した1か月あたりの数字であり、実際には季節によって上下します。総務省統計局が公表した「2025年(令和7年)家計の概要」によると、二人以上の世帯の消費支出を月別に見た場合、1月は前月の気温が低かったことなどにより「電気代」が増加要因の一つとなり、7月も前月の気温が高かったことなどにより「電気代」が増加要因の一つとなったと説明されています(2026年8月時点・総務省統計局公式)。

これは二人以上の世帯全体の動向であり、2人世帯に限定した四半期別の電気代そのものが公表されているわけではありません。ただし、暖房需要が高まる冬と、冷房需要が高まる夏に電気代が上がりやすいという方向性は、この公式データからも裏付けられます。年間平均の12,144円という数字は、こうした季節による波をならした金額だと捉えておくとよいでしょう。

在宅パターンによる違い(一般論として)

同じ2人世帯でも、共働きで日中不在の時間が長い世帯と、どちらかが在宅している時間が長い世帯とでは、冷暖房や照明の稼働時間に差が出やすいと一般的には考えられます。ただし、これは世帯構成や住まいの断熱性能、個々の生活スタイルによっても左右されるため、「在宅時間が長い=必ず高くなる」と単純に決めつけられるものではありません。平均との差が気になる場合も、まずは在宅パターンだけで判断せず、次に整理する契約内容の内訳から確認するのが現実的です。

見直しの順番

平均との比較だけでは、見直すべきかどうかの判断はつきません。世帯人数にかかわらず、見直す際の考え方は共通しています。

  1. 契約アンペア・契約種別を確認する — 二人暮らしになって同時に使う家電が増えた場合、契約アンペアが今の暮らしに対して小さすぎないか(あるいは大きすぎないか)を確認します。考え方はブレーカーが落ちた夜に考える、契約アンペアの選び方 — 基本料金を決める「A」の数字の意味と変更手順で整理しています
  2. 料金プランを見直す — 在宅時間帯や使用パターンに合ったプランになっているかを確認します
  3. 電力会社の切替を検討する — ①②を確認したうえで、他の電力会社への切替も選択肢に入ります

なお、電力会社を切り替えても、世帯人数によって生じる電気代の差そのものがなくなるわけではありません。切替で見直せるのは主にプラン・単価の部分です。一人暮らし時代からの見直しの流れは電気代の通知を見て「これって普通?」と気になったら — 一人暮らしの電気代、平均との比べ方と見直しの順番で詳しく整理しています。

よくある疑問

二人暮らしの電気代は、単身の2倍になりますか?

いいえ。総務省統計局の家計調査(2025年平均)では、単身世帯7,337円に対し2人世帯は12,144円で、増加分は4,807円、倍率にすると約1.65倍にとどまります。契約容量に応じて決まる基本料金は世帯で1本の契約のため人数が増えても変わらず、使用量に応じた電力量料金の増加分が主に上乗せされる、という構造が背景にあります(2026年8月時点・総務省統計局公式)。

12,144円という平均より高い・低い場合、何が原因と考えられますか?

家計調査の平均には、在宅時間の長短、住居の断熱性能、季節ごとの冷暖房使用量など幅広い世帯が含まれています。2人世帯という条件が同じでも、生活パターンや住まいの違いによって差が出るため、平均を外れているからといって直ちに使いすぎと判断できるわけではありません。気になる場合は、契約アンペアや料金プランなど契約内容の内訳から確認するのが順序です。

電気代は季節によってどれくらい変わりますか?

総務省統計局が公表した2025年の家計動向では、二人以上の世帯の消費支出について、気温が低かった1月や気温が高かった7月に「電気代」の増加が要因の一つとして挙げられています。ただしこれは二人以上世帯全体の動向であり、2人世帯に限った四半期別の金額そのものが公表されているわけではない点には注意が必要です(2026年8月時点・総務省統計局公式)。

まとめ

二人暮らしの電気代の平均は12,144円で、単身世帯の7,337円より4,807円高い水準です。ただしこれは「2倍」ではなく約1.65倍であり、契約で1本共有する基本料金と、使用量に応じて積み上がる電力量料金という電気代の構造を知っておくと、この増分の意味が理解しやすくなります。季節による変動もふまえたうえで、平均との差が気になる場合は、契約アンペア・料金プラン・電力会社という同じ順番で内訳を確認していけば、二人暮らしの電気代に対する自分なりの納得感が持てるようになります。