一人暮らしから二人暮らしになって、初めて二人分の電気代の請求を見た日。単身のときの感覚のまま「倍くらいにはなるだろう」と身構えていたのに、明細を見ると、思ったほど増えていない気もする。この金額は、二人暮らしとして普通なのだろうか、それとも見直した方がいいのだろうか。
この記事の要点
- 総務省統計局の家計調査(2025年平均)で、2人世帯の電気代は平均12,144円、単身世帯は7,337円でした。ただし2人世帯は、世帯の種類で金額が変わります。世帯主が60歳未満の勤労者世帯は10,811円、勤労者世帯全体は11,580円、無職世帯は12,264円です(2026年10月時点・総務省統計局公式)
- 12,144円は、世帯主の平均年齢が68.5歳の2人世帯の平均です。世帯主が60歳未満の勤労者世帯なら、10,811円のほうが近い物差しになります
- 単身との倍率は、区分の取り方で変わります。全体どうしは約1.65倍、勤労者世帯どうしは約1.92倍です。いずれも区分ごとの平均の比較で、人数の効果や自分の請求額の予測を示すものではありません
- 見直す順番は、契約アンペア、料金プラン、電力会社の切替が目安です
二人暮らしの電気代、平均はいくら?
総務省統計局「家計調査」は、全国の家計の収入・支出を毎月調査する統計です。2025年(令和7年)平均の結果によると、2人世帯の電気代(1世帯当たり1か月平均)は12,144円でした。単身世帯の7,337円と比べると、4,807円高い水準です(2026年10月時点・総務省統計局公式)。
| 世帯人員 | 電気代(月平均) |
|---|---|
| 単身(1人) | 7,337円 |
| 2人 | 12,144円 |
| 3人 | 13,915円 |
| 4人 | 13,928円 |
(出典: 総務省統計局 家計調査 家計収支編 2025年(令和7年)平均。単身世帯は単身世帯の結果、2人以上は二人以上の世帯・世帯人員別 第3-1表による。2026年10月時点)
自分の二人暮らしは、どの行と比べる? — 世帯の種類で変わる物差し
同じ「2人世帯」でも、家計調査は世帯主の就業状況などで分けた結果も公表しています。2025年平均の2人世帯の電気代は、次のとおりです。
| 2人世帯の種類 | 電気代(月平均) | 世帯主の平均年齢 | 2人世帯に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 全体(二人以上の世帯のうち) | 12,144円 | 68.5歳 | 100% |
| 勤労者世帯(世帯主が勤め先のある世帯) | 11,580円 | 57.3歳 | 約36% |
| うち世帯主が60歳未満 | 10,811円 | 48.6歳 | 約18% |
| 無職世帯(世帯主が無職の世帯) | 12,264円 | 76.1歳 | 約54% |
(出典: 総務省統計局 家計調査 家計収支編 2025年(令和7年)平均、世帯人員別 第3-1表。割合は、表の「調整集計世帯数」から計算。自営業などの世帯は表に載せていないため、合計は100%になりません。2026年10月時点)
読み方は、次の2つです。
- 世帯主が60歳未満の勤労者世帯は10,811円です。12,144円より1,333円低い金額です。たとえば請求額が11,500円なら、12,144円と比べると平均より低く見えますが、10,811円と比べると高い側です
- 世帯主が無職の二人暮らしは12,264円です。世帯の内訳や理由までは、統計の表だけでは分かりません
つまり、12,144円は、2人世帯の半分以上を占める無職世帯(世帯主の平均年齢が76.1歳)の金額に近い平均です。世帯主が60歳未満の勤労者世帯は、全体の平均だけで判断せず、10,811円の行とあわせて見てください。
単身の平均と比べると、どう見えるか
単身世帯の電気代を単純に2倍すると14,674円ですが、2人世帯の平均は12,144円で、2,530円低くなります。ただし、単身世帯の平均と2人世帯の平均は、世帯の種類の構成が違います。同じ勤労者世帯どうしの平均で並べると、次のようになります。
| 比べ方 | 単身世帯 | 2人世帯 | 差 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 全体どうし | 7,337円 | 12,144円 | 4,807円 | 約1.65倍 |
| 勤労者世帯どうし | 6,033円 | 11,580円 | 5,547円 | 約1.92倍 |
(出典: 総務省統計局 家計調査 家計収支編 2025年(令和7年)平均。単身世帯のうち勤労者世帯は単身世帯の詳細結果表による。2026年10月時点)
この表は、区分ごとの平均を並べたものです。差の理由(基本料金を共有するかどうか、世帯の構成、年齢、住まいなど)は、公表されている表からは切り分けられません。そのため、「基本料金を共有するから安くなる」「差の大半は世帯の種類の違い」といった原因の説明も、この記事では行いません。基本料金は1契約ごとの金額で、契約を変えなければ人数が増えても変わりません。
なお、切替後の電気代も、使用量や契約条件によって変わります。切替で見直せるのは主にプラン・単価の部分です。一人暮らし時代からの見直しの流れは電気代の通知を見て「これって普通?」と気になったら — 一人暮らしの電気代、平均との比べ方と見直しの順番で詳しく整理しています。
自分の請求額を見るときは、単身時代の金額に倍率をかけるのではなく、前の節の表で自分に近い行(全体・勤労者世帯・世帯主が60歳未満の勤労者世帯・無職世帯)と並べて見てください。
季節によっても電気代は変わる
平均額は年間を通した1か月あたりの数字であり、実際には季節によって上下します。総務省統計局が公表した「2025年(令和7年)家計の概要」によると、二人以上の世帯の消費支出を月別に見た場合、1月は前月の気温が低かったことなどにより「電気代」が増加要因の一つとなり、7月も前月の気温が高かったことなどにより「電気代」が増加要因の一つとなったと説明されています(2026年10月時点・総務省統計局公式)。
これは二人以上の世帯全体の動向であり、2人世帯に限定した四半期別の電気代そのものが公表されているわけではありません。ただし、暖房需要が高まる冬と、冷房需要が高まる夏に電気代が上がりやすいという方向性は、この公式データからも裏付けられます。年間平均の12,144円という数字は、こうした季節による波をならした金額だと捉えておくとよいでしょう。
在宅パターンによる違い(一般論として)
同じ2人世帯でも、共働きで日中不在の時間が長い世帯と、どちらかが在宅している時間が長い世帯とでは、冷暖房や照明の稼働時間に差が出やすいと一般的には考えられます。ただし、これは世帯構成や住まいの断熱性能、個々の生活スタイルによっても左右されるため、「在宅時間が長い=必ず高くなる」と単純に決めつけられるものではありません。平均との差が気になる場合も、まずは在宅パターンだけで判断せず、次に整理する契約内容の内訳から確認するのが現実的です。
見直しの順番
平均との比較だけでは、見直すべきかどうかの判断はつきません。世帯人数にかかわらず、見直す際の考え方は共通しています。
- 契約アンペア・契約種別を確認する — 二人暮らしになって同時に使う家電が増えた場合、契約アンペアが今の暮らしに対して小さすぎないか(あるいは大きすぎないか)を確認します。考え方はブレーカーが落ちた夜に考える、契約アンペアの選び方 — 基本料金を決める「A」の数字の意味と変更手順で整理しています
- 料金プランを見直す — 在宅時間帯や使用パターンに合ったプランになっているかを確認します
- 電力会社の切替を検討する — ①②を確認したうえで、他の電力会社への切替も選択肢に入ります
なお、切替後の電気代も、使用量や契約条件によって変わります。切替で見直せるのは主にプラン・単価の部分です。一人暮らし時代からの見直しの流れは電気代の通知を見て「これって普通?」と気になったら — 一人暮らしの電気代、平均との比べ方と見直しの順番で詳しく整理しています。
よくある疑問
二人暮らしの電気代は、単身の2倍になりますか?
統計上は、そうとは言えません。全体の平均どうしでは、単身世帯7,337円に対し2人世帯12,144円で約1.65倍ですが、2人世帯の平均は世帯主の平均年齢が68.5歳で、世帯の種類が違います。勤労者世帯どうしの平均では、単身6,033円に対し2人世帯11,580円で約1.92倍です。これは区分ごとの平均の比較であり、世帯人数の効果や、個人の請求額の増え方を示すものではありません(2026年10月時点・総務省統計局公式)。
二人暮らしの電気代の目安は、いくらを基準にすればよいですか?
家計調査(2025年平均)の2人世帯の電気代は、全体で12,144円、勤労者世帯で11,580円、世帯主が60歳未満の勤労者世帯で10,811円、無職世帯で12,264円です。自分の世帯に近い行と比べてください。世帯主が60歳未満の勤労者世帯なら、12,144円より10,811円のほうが近い物差しです(2026年10月時点・総務省統計局公式)。
12,144円という平均より高い・低い場合、何が原因と考えられますか?
家計調査の平均には、在宅時間の長短、住居の断熱性能、季節ごとの冷暖房使用量など幅広い世帯が含まれています。2人世帯という条件が同じでも、世帯主の年齢や就業の有無、生活パターン、住まいの違いによって差が出るため、平均を外れているからといって直ちに使いすぎと判断できるわけではありません。気になる場合は、契約アンペアや料金プランなど契約内容の内訳から確認するのが順序です。
電気代は季節によってどれくらい変わりますか?
総務省統計局が公表した2025年の家計動向では、二人以上の世帯の消費支出について、気温が低かった1月や気温が高かった7月に「電気代」の増加が要因の一つとして挙げられています。ただしこれは二人以上世帯全体の動向であり、2人世帯に限った四半期別の金額そのものが公表されているわけではない点には注意が必要です(2026年10月時点・総務省統計局公式)。
二人暮らしの電気代を見直すなら
二人暮らしの電気代は、使い方だけでなく、契約している電力会社やプランによっても変わります。今の契約に困っていない方は、この節を読み飛ばして問題ありません。見直しを考える場合の比較の候補です。
まとめ
二人暮らしの電気代の平均は12,144円ですが、これは世帯主の平均年齢が68.5歳の2人世帯の平均です。世帯主が60歳未満の勤労者世帯は10,811円、勤労者世帯全体は11,580円、無職世帯は12,264円で、自分の世帯に近い行と比べるのが目安になります。単身との倍率は区分の取り方で変わり(全体どうしは約1.65倍、勤労者世帯どうしは約1.92倍)、いずれも平均どうしの比較で、自分の請求額の予測には使えません。季節による変動もふまえたうえで、平均との差が気になる場合は、契約アンペア・料金プラン・電力会社という同じ順番で内訳を確認していけば、二人暮らしの電気代に対する自分なりの納得感が持てるようになります。
家電ごとの電気代の目安は、家電の電気代 早見表で確認できます。




