大手キャリアで通信障害が発生というニュース速報を目にした日、手元のスマホを確認すると、アンテナのマークは立っているのに、送ったはずのメッセージがいつまでも既読にならない。家族に無事だけでも伝えたいのに、電話もつながらない。──そんな場面を、想像したことはありませんか。
この記事の要点
- デュアルSIMとは、1台のスマホで2つの回線を同時に使える仕組みのことです(音声対応SIM同士なら電話番号も2つ持てます)。現在は物理SIMとeSIMを組み合わせる形が主流です
- 大手キャリアの回線でも、長時間つながりにくくなる通信障害が発生した例は、公式に発表されています(例: KDDI 2022年7月2日、au・UQ mobile・povoの回線に影響。2026年8月時点・KDDI公式発表)
- メイン回線とは異なる回線網のサブ回線を持つと、片方に障害が出てももう一方が使える可能性があります。サブ回線を低容量プランにすれば、通信費全体を抑えられる場合もあります
デュアルSIMとは? — 1台のスマホに2つの回線
デュアルSIMとは、1台のスマホで2つの回線を同時に使える仕組みのことです(音声対応SIM同士なら電話番号も2つ持てます)。UQ mobile公式サイトでは、デュアルSIMを「2つのSIMを利用して2つの電話番号(2つの回線)を使用する仕組み」と説明しています(2026年8月時点・UQ mobile公式)。
以前は物理SIMカードを2枚挿す機種が中心でしたが、現在の対応機種では物理SIM+eSIMの組み合わせが一般的な例になっています。対応機種であれば、2つのeSIMを同時に使う組み合わせができる場合もあります。eSIMそのものの仕組みや物理SIMとの違いはeSIMとは? — 仕組み・物理SIMとの違い・メリットとデメリットを整理で整理しています。
2回線持つ理由 — バックアップと使い分け
理由1: 障害・災害時のバックアップになる
大手キャリアの回線でも、長時間にわたって通信がつながりにくくなる障害が発生した例は、実際に公式発表されています。KDDIは、2022年7月2日に発生した通信障害について、au・UQ mobile・povoの回線に影響が及んだことを公式に発表しています(2026年8月時点・KDDI公式)。
こうした障害は、特定の回線網の設備で発生します。異なる回線網の2回線を持っていれば、一方に障害が出ても、もう一方で連絡が取れる可能性があります。
理由2: 用途で使い分けて通信費を最適化できる
データ通信量が多い日は普段使っているメイン回線、サブ回線は連絡用、というように用途で使い分けると、契約するプランの容量を必要最小限に抑えやすくなります(通話料や通話オプションはデータ料金とは別にかかります)。BB.exciteモバイルのFitプランは、3GBまでの音声通話機能付きeSIMが月額690円です(税込、2026年8月時点・BB.exciteモバイル公式)。データ通信の多くを自宅や職場のWi-Fiでまかなえる人であれば、メイン回線を大容量にしなくても済む場合があります。実際どれくらいのデータ量で何ができるかの目安は、動画を1本見ただけで低速モードに切り替わった日 — 1GB・3GB・20GBで実際に何ができるかの目安で整理しています。
海外旅行前に日本の番号回線を解約せず残しておけば、渡航中も認証コードなどのSMSを受け取り続けられます。受け取れる条件やキャリアごとの料金は海外にいても、日本の番号宛のSMSは受け取れる?で整理しています。
組み合わせの考え方 — メインとサブで、系統をそろえない
2回線目を選ぶときの基本的な考え方は、メイン回線と異なる回線網を選ぶことです。ドコモ系・au系・ソフトバンク系のいずれかでメイン回線を契約しているなら、サブ回線は別の系統の事業者を選ぶと、片方の回線網に障害が出たときに、もう一方で連絡が取れる可能性を残せます。
どの組み合わせが「最強」と言い切れるものではありません。回線網の組み合わせに加えて、料金・データ容量・対応エリアなど複数の条件を、自分の使い方に照らして選ぶことになります。
設定の基本 — デフォルト回線の切り替え
iPhoneの場合、Apple公式サポートは「eSIMでデュアルSIMを活用する」という案内で、物理SIMとeSIMを組み合わせて2つの回線を使う方法を説明しています(2026年8月時点・Apple公式サポート)。設定アプリの「モバイル通信」から、データ通信を担当する回線と、発着信のデフォルトとなる回線をそれぞれ選べます。回線ごとに名前(例: 仕事用・プライベート用)を付けておくと、あとから区別しやすくなります。
Androidは機種によって設定画面の呼び方が異なりますが、同様に「SIM」や「モバイルネットワーク」関連の設定項目からデフォルト回線を選べることが多くなっています。契約前に、自分の機種での操作方法を確認しておくと安心です。
注意点 — 対応機種とおサイフケータイ
2回線持つ前に、確認しておきたい点があります。
- 対応機種か: eSIMを使うにはeSIM対応機種である必要があります。iPhoneはXS・XR(2018年発売)以降が対応しています。Androidは機種によるため、契約前に対応状況を確認してください。具体的な設定手順は「QRコードを読み取ってください」で止まったら — iPhone・AndroidのeSIM設定手順で解説しています
- 回線・プランの対応範囲: 事業者によっては、音声通話機能付きSIMのみeSIMに対応し、データ通信専用SIMは物理SIMのみ、といった制限がある場合があります。BB.exciteモバイルは、音声通話機能付きSIMのみeSIMに対応しています(2026年8月時点・BB.exciteモバイル公式)
- おサイフケータイの移行: デュアルSIM運用のために対応機種へ買い替える場合、旧端末に登録しているおサイフケータイ対応サービスは、機種変更時にサービスごとの移行手続きが必要です。おサイフケータイ®ガイド公式サイトでは、移行を済ませないまま機種を変更すると、残高やポイントが失効するおそれがあると案内されています(2026年8月時点・おサイフケータイ®ガイド公式)。事前に、登録しているサービスを確認しておくと安心です
サブ回線として格安SIMを検討する場合、選び方の基準は 格安SIMの選び方 5つの基準【2026年版】 で整理しています。あわせてご確認ください。
よくある不安
デュアルSIMにすると、月々の料金は単純に2倍になりますか?
必ずしもそうではありません。サブ回線を低容量・低価格のプランにすれば、2回線合計の月額をメイン回線1本の大容量プランより抑えられる場合があります。たとえばBB.exciteモバイルのFitプランは、3GBまでの音声通話機能付きeSIMが月額690円です(税込、2026年8月時点・BB.exciteモバイル公式)。データ通信の多くを自宅や職場のWi-Fiでまかなえる人であれば、サブ回線は低容量で足りることもあります。
格安SIMのeSIMは、契約してからどのくらいで使えるようになりますか?
事業者によって異なりますが、BB.exciteモバイルは2026年7月28日からのeSIM提供開始にあたり、最短即日での開通が可能であると公式に案内しています(2026年8月時点・BB.exciteモバイル公式)。実際の所要時間は本人確認書類の審査状況などによって変わるため、詳しくは各社公式サイトで確認してください。
サブ回線でも、おサイフケータイは使えますか?
おサイフケータイが使えるかどうかは、契約するSIMの種類ではなく、スマホ本体がFeliCa(おサイフケータイ)に対応しているかどうかで決まります。ただし、デュアルSIM運用のために対応機種へ機種変更する場合は、旧端末に登録していたおサイフケータイ対応サービスをサービスごとに移行する手続きが必要です。おサイフケータイ®ガイド公式サイトでは、移行を済ませないまま機種を変更すると、残高やポイントが失効するおそれがあると案内されています(2026年8月時点・おサイフケータイ®ガイド公式)。
まとめ
通信障害はいつ起きるか分からない出来事ですが、実際に起きた例は公式に記録されています。メイン回線とは異なる系統のサブ回線を持っておけば、その日にもう一方で連絡手段を残せる可能性があります。
まずは自分の端末がデュアルSIMに対応しているかを確認する。そのうえで、バックアップとしてどこまでの容量が必要かを考えれば、サブ回線に必要なプランはおのずと絞られてきます。




