家の中が急に真っ暗になる。慌てて分電盤を開けても、レバーがいくつも並んでいて、どれが落ちたのか、なぜ落ちたのか、とっさには分かりにくいものです。ブレーカーが落ちる原因は一つではなく、分電盤のどの部分が落ちたかによって、対処の仕方も注意すべき点も変わります。
この記事の要点
- 分電盤には役割の異なる3種類のブレーカーがあります。左端の「アンペアブレーカー」・その右隣の「漏電遮断器(漏電ブレーカー)」・右側に並ぶ「配線用遮断器(安全ブレーカー)」で、どれが落ちたかによって停電の範囲と原因が変わります(2026年8月時点・東京電力パワーグリッド公式)
- アンペアブレーカーが落ちると家全体が停電(契約アンペアの超過)、安全ブレーカーが落ちるとその回路(目安20A)だけが停電(使いすぎ・ショート)、漏電ブレーカーが落ちると漏電の疑いがあります(2026年8月時点・同社公式)
- 漏電ブレーカーが落ちたときは、原因を特定できない場合や配線側の異常が疑われる場合、無理に戻さず電気工事店に相談することが案内されています。アンペアブレーカーが繰り返し落ちる場合は、契約アンペアの見直しが選択肢になります(2026年8月時点・同社公式)
分電盤の見方 — 3種類のブレーカーは、役割も並び順も違う
分電盤を開けると、大小さまざまなレバーが並んでいます。東京電力パワーグリッド公式によると、これらは役割の異なる3種類のブレーカーで構成されています(2026年8月時点・同社公式)。
- アンペアブレーカー(分電盤の左端) — 契約している電気の大きさ(契約アンペア)を超える電気が流れると、自動的に電気を遮断します。契約アンペアの大きさによって色分けされています。なお、スマートメーターで契約アンペアを設定している場合は、アンペアブレーカー自体が取り付けられていないことがあります
- 漏電遮断器(漏電ブレーカー)(アンペアブレーカーの右隣) — 家の中の配線や電気製品で漏電が起きたとき、その異常をすばやく感知して自動的に電気を遮断し、感電や火災を防ぎます
- 配線用遮断器(安全ブレーカー)(分電盤の右側に複数並ぶ) — 分電盤から各部屋へ分かれる回路(分岐回路)ごとに1つずつ設置されています。1つの回路に流せる電気の量は20アンペアが目安で、照明用とコンセント用のように回路を分けておくことで、異常があっても影響範囲を限定できます
古い住宅では、配線用遮断器の代わりに「安全器」というヒューズ式の機器が使われている場合があります。安全器は15アンペア以上の電気が流れるとヒューズが溶けて電気を遮断する仕組みで、復旧のたびにヒューズ交換が必要になる点が配線用遮断器と異なります(2026年8月時点・東京電力パワーグリッド公式)。
どのブレーカーが落ちたかで、原因の見当がつく
東京電力パワーグリッド公式によると、ブレーカーが落ちる主な原因は、アンペアブレーカーは契約アンペア数の超過、漏電ブレーカーは漏電、安全ブレーカーはショートや一部回路での使いすぎです(2026年8月時点・同社公式)。落ちたブレーカーの場所を確認すれば、原因の見当がつけやすくなります。
アンペアブレーカーが落ちた場合 — 契約アンペアの超過
家全体が停電します。使用中の電化製品や照明を一度OFFにしたうえでスイッチを上げ、使用する機器の数を減らして復旧します(2026年8月時点・東京電力パワーグリッド公式)。同時に使う家電の合計が契約アンペアを超えると起きる現象のため、繰り返し起きる場合は使い方の見直しだけでなく、契約アンペア自体が暮らしに対して小さい可能性があります。
安全ブレーカーが落ちた場合 — 特定の回路の使いすぎ・ショート
停電するのは、その安全ブレーカーが受け持つ回路(部屋や系統)だけです。落ちたブレーカーを確認し、その回路につながる電化製品をコンセントから外してからスイッチを上げて復旧します(2026年8月時点・東京電力パワーグリッド公式)。1回路の目安は20アンペアのため、同じコンセントに消費電力の大きい家電を集中させると起きやすくなります。
漏電ブレーカーが落ちた場合 — 漏電の疑い、慎重な対応を
配線や電気製品の劣化・故障による漏電が疑われます。東京電力パワーグリッド公式が案内する確認手順は次の通りです(2026年8月時点・同社公式)。
- 分電盤のすべてのブレーカーを一旦OFF(下げる)にする
- アンペアブレーカーと漏電ブレーカーをON(上げる)にする
- 安全ブレーカーを1つずつON(上げる)にしていく
- あるブレーカーを上げた瞬間に漏電ブレーカーが再び落ちたら、その回路が漏電箇所です。該当の安全ブレーカーはOFFのままにして、他の回路は通常通り使用します
漏電箇所が家屋側の配線にあると考えられる場合や、手順を踏んでも原因を特定できない場合は、無理に戻そうとせず電気工事店等に問い合わせることが案内されています。漏電を放置すると、感電や火災につながるおそれがあります(2026年8月時点・同社公式)。
アンペアブレーカーが繰り返し落ちるなら、契約アンペアの見直しを
安全ブレーカーや漏電ブレーカーが原因の場合は使い方や配線側の問題ですが、アンペアブレーカーが日常的に落ちる場合は、契約アンペアが今の暮らしに対して小さいサインかもしれません。契約アンペアは基本料金を決める数字でもあり、同時に使う家電のアンペア数を積み上げて目安を考える方法や、変更手続きの流れはブレーカーが落ちた夜に考える、契約アンペアの選び方 — 基本料金を決める「A」の数字の意味と変更手順で整理しています。契約アンペアと基本料金・電力量料金など電気代全体の内訳との関係は検針票の「燃料費調整額」に目が留まったら — 電気代の内訳と再エネ賦課金の読み方でも解説しています。
契約アンペアを見直すタイミングは、電力会社そのものを比較検討するきっかけにもなります。切り替えの具体的な手順や賃貸物件での可否は電力会社の切り替え方法とデメリット — 賃貸でもできる?、一人暮らし世帯の電気代の見直し順序は電気代の通知を見て「これって普通?」と気になったら — 一人暮らしの電気代、平均との比べ方と見直しの順番で詳しく整理しています。
よくある疑問
アンペアブレーカーが落ちた場合、電気はどこまで止まりますか?
家全体が停電します。アンペアブレーカーは契約している電気の大きさ(契約アンペア)そのものを管理しているため、これが落ちると分電盤から先の全回路への電気供給が止まります(2026年8月時点・東京電力パワーグリッド公式)。
安全ブレーカー(配線用遮断器)が落ちた場合、他の部屋の電気は使えますか?
はい、使えます。安全ブレーカーは1つの回路(分岐回路)につき1つ設置されており、1回路に流せる電気の量は20アンペアが目安です。回路を分けておくことで、異常が起きても影響を受けるのはその回路だけで済みます(2026年8月時点・東京電力パワーグリッド公式)。
漏電ブレーカーが落ちたときは、自分で戻してもいいですか?
手順を踏めば漏電箇所の見当をつけることはできますが、漏電箇所が家屋側の配線にあると考えられる場合や、原因を特定できない場合は、無理に戻そうとせず電気工事店等に問い合わせることが案内されています。漏電を放置すると感電や火災につながるおそれがあります(2026年8月時点・東京電力パワーグリッド公式)。
まとめ
ブレーカーが落ちたとき、まず確認したいのは分電盤のどこが落ちたかです。左端のアンペアブレーカーなら契約アンペアの超過で家全体が停電、右側に並ぶ安全ブレーカーならその回路だけの使いすぎ、中央寄りの漏電ブレーカーなら漏電の疑いと、落ちた場所によって原因も対処も異なります。特に漏電ブレーカーは、手順を踏んでも原因が分からない場合や配線側の異常が疑われる場合は、無理せず電気工事店に相談してください。アンペアブレーカーが繰り返し落ちるようなら、契約アンペアの見直しを検討するタイミングです。




